CACICOブログ
外断熱・現場研修 in 東京
- 2013年9月24日 5:17 PM
- CACICOウォール
外断熱・現場研修のゴールが見えてきました。
山口→香川→東京というツアー日程の最後は東京の武蔵境です。
で、まずは室内でスターター造り。
スターターとは、熱に弱い断熱材の小口をモルタルで覆う作業です。
何故、スターターと呼ぶのかというと、そこから壁を貼り始めるから。
具体的には、土台水切りの上です。
研修は、いつも新しい出会いがあります。
今回の左官屋さんは、親子で仕事をしているのですが、工務店さんからの信頼は絶大。
社長さんも営業さんも、声を揃えて、「あの二人なら問題ない」と太鼓判でしたが、
その前評判通りの方達でした。
明日からは予定通り、外壁貼りに移れそうな感じで作業が進んでいます。
気密の闇
- 2013年9月23日 10:02 AM
- 「かしこい家」の性能
今月末に、エヌケー建設さんの現場見学会が開催されます。
一般的に「構造見学会」と呼ばれるもので、住宅の中味を見てもらおう、という企画です。
それに先だって、気密検査を行いました。
この「気密」。
日本においては、非常に肩身の狭い立場です。
何故ならば、「高性能な家」という基準はあるのに、そこに「気密」の項目が無いのです。
政治的な力関係で「骨抜き」にされている感じです。
住宅の快適性能は、「気密、断熱、換気」で構成されます。
ですが「換気、断熱」と「気密」には、評価手法に大きな違いがあります。
それは
気密が、「現場での検査」でしか評価できず、
断熱と換気は、「図面と計算」だけでしか評価できない。
からです。
ちょっと分かりづらいですね。
気密は、図面にどんな数値を書いたとしても意味がありません。
今回の写真のように検査をするしかないのです。
一方、換気と断熱は、気密のように現場で測定が出来ません。
(大がかりな実験棟であれば別ですが・・・)
なので断熱の仕様と図面を元に計算するしかありません。
気密に話を戻しますね。
「気密」を義務化する、という事は、建物を全棟気密検査するのと同じ意味なのです。
それは良くない。と考えた人がいるのでしょうね。
「答えが出てしまうのは良くないと」
書類だけで「性能」を決めたい人にとって、
「気密」と言う項目がとても邪魔だったのでしょう。
簡単に実測できるのに、義務化されない気密。
でも、本当に「気密」は大切です。
以前まとめていますので、ぜひリンクをご覧下さい。
鍵泥棒のメソッドと半沢直樹
- 2013年9月22日 8:00 PM
- CACICOの毎日
写真は「鍵泥棒のメソッド」という映画です、
堺雅人と香川照之が主役。
って、「半沢直樹」の企画者は絶対この映画を見て役者を決定したと思います。
今回のネタはそれだけなんですけどね。
この映画は内田けんじ監督の作品なんですが、
彼は「ものすごーく」良い脚本と丁寧な演出が特徴です。
特に前作に当たる「アフタースクール」は、絶品でした。
そう言えば、この作品にも堺雅人は出演していました。
この映画を見たいなぁ、と思われた方は、是非「あらすじ」や「予告編」などの事前情報を入れないで下さい。
絶対、その方が楽しめます。
で、堺雅人ネタで行くのであれば、「ゴールデンスランバー」や「ジェネラルルージュの凱旋」も役者&映画共に良い出来です。
上記に上げた作品は、どれも面白い映画でした。
彼は出演する映画を選んでいるのでしょうね。
半沢直樹は見た事が無いので、そちらのコメントは出来ないのですが・・・
あっ、そう言えば今日が最終回だったのですね。
とうとう、観ずじまいでした。
技術を広めたい
- 2013年9月21日 11:55 PM
- 「かしこい家」の性能
高松で湿式外断熱の現場研修を行いました。
目的はスキルアップです。
今年になって、少し(笑)仕事が増えてきましたので、スピードアップを兼ねての研修です。
「事件は現場で起きているんだ」(もう古いですかね)
ではないですが、ホント、現実の「収まり」には、幾通りもの正解があります。
ですので経験を積み上げるしかないのですが、「知恵」はあって困る事はありません。
という事で、湿式外断熱のインストラクターに来県してもらい、一緒に仕事をしました。
彼(インストラクター)とは、ここ一月の間で、山口→香川→東京と3カ所で研修を依頼しており、
今回はその中間地点にあたります。
木造における一般的な湿式外断熱とCACICOの外断熱は、大きな差違があります。
それは断熱材の固定方法です。
一般(多数派)は
ドレインラップ(透湿防水シート)+ビスによる断熱材固定+塗り壁
CACICO(少数派)は
ガーディアン(塗り防水)+接着による断熱材固定+塗り壁
という訳で、「下地」の処理方法が全く違います。
これは一重に「防水層に穴を開けるかどうか」による選択なのですが、
「ビスによる固定」と「接着による固定」には、技術の簡便さに大きな隔たりがあります。
「ビスによる固定」は、大工さんや外壁屋さんであれば、自身が普段していた作業と似ています。
ですが、
「接着による固定」となったら、誰もが初めての作業。
なので、
誰が行っても、はじめは「効率が悪い」仕事なのです。
なおかつ
仕事数が少なければ、いつまでも熟練度が上がらない。
という悪循環すら想定されます。
つまり
CACICOの外断熱工事をできる業者さんが少ない。
のです。
しかし、CACICOでは「接着による固定」が、防水と耐久性の観点から、正解だと思っていますので、
何とか、この工法を広げたい!!
ですから、
「興味がある」人には、「どんな地域」であろうともお邪魔して技術指導行っています。
さて、香川県の皆さん。
このCACICOの外断熱工法を見ていただける機会ができました。
今月末の28,29日に、エヌケー建設さんの構造見学会が決定したのです。
次回は、そのイベントの告知をリリースしますので、是非是非、その目でご覧下さい。
③ダクト式全熱交換システムの導入 その1
- 2013年9月17日 6:49 PM
- 「かしこい家」の性能
少し間が開いてしまいましたが、「住宅を快適にするコストのかけ方」の続きをお送りします。
前回まで、
①足下の断熱強化
②気密の確保
と、ご説明をしてきました。
今回は三つ目として、「ダクト式全熱交換システムの導入」の話をします。
24時間換気が、建築基準法で義務化になっているのは、ご存じかと思います。
これ、「温熱環境の改善」ではなく、「シックハウス対策」が目的です。
ですがCACICOとしては、このシステムを使う事により、温熱環境の改善が出来ると思っています。
換気システムは、大きく分けて「局所換気」と「全体換気」に分類されます。
で、この2つ、どちらが良いかという話なのですが、圧倒的に「全体換気」がお勧めです。
タイトルのダクト式とは、「ダクトを使った全体換気」の事なのです。
この2つを噛み砕いて表現します。
局所換気は、「部屋事の換気」
全体換気は、「家を1つの部屋としての換気」
と言う意味です。
で、さらに温熱環境の面から読み替えると
局所換気=「部屋事の換気」=「部屋事に温度が違う」
全体換気=「家を1つの部屋としての換気」=「家内部の温度を平均化」
という関係性になります。
「室温」と言うのは、「室内の空気温度」です。
この温度は、空気が移動する事でしか移動しません。
で、建物内で、ある部屋から別の部屋に空気を移動させる方法。
これが非常に難しい。
一番簡単な方法は、窓を開ける事です。
ですが、この方法は外気が快適な時だけに限定されます。
暑い夏に、リビングの冷えた空気を他の場所に「お裾分け」する方法としては、適しません。
送風機(サーキュレータ)はどうでしょうか?
これは一部屋内の空気をかき回すには、役に立ちます。
天井扇なんかが良い例ですね。
ですが、間に廊下や扉(間口が狭い)が存在する場合は、役に立たないでしょう。
そこで24時間換気の登場です。
ダクト式の基本は、
「居室空間で給気」→「ダーティーゾーンで排気」
という空気の流れを作る事です。
ダーティーゾーン。と言うと特殊な感じがしますが、日本語で言えば「空気が汚れる所」という意味。
つまり、キッチンやトイレ、脱衣所等を指します。
住宅内で、空気を動かすためには、ダクト式換気システムが最も適しています。
なお、メーカーによっては、1階と2階を別々の機械を使うタイプもありますが、あまり賛成できません。
何故ならば、家中の空気を一カ所に集めて再分配する。
という原則から外れるからです。
2階建ての建物は、どうしても2階の空気温度の方が高くなります。
本来は、その空気を1つにまとめて、1,2階とも同じ温度で各居室に戻したいのです。
それなのに、1階と2階の換気装置が別々と言う事は、2階の空気温度は2階だけで、
1階の空気温度は1階だけで循環する事になります。
温熱的な優劣を付ければ
局所式換気<1,2階分離型換気<全体式換気
という関係でしょうかね。
もっとも一台の機械で対応できない程、家が大きい。という場合はその限りではありません。
鉄道大国・日本のぶっちぎり感
- 2013年9月14日 11:55 PM
- CACICOの毎日
新幹線がすごい。というような話ではありません。
そのぶっちぎり感を、ぜひビジュアルで見てください。
下記は、「世界の駅」、年間乗降者数のランキングをグラフにしたものです。
ぶっちぎり!!
とは、こんな時に使う言葉です。
名前だけ拡大してみますね。
ネタ元を探してみたのですが、見つかりませんでしたm(_ _)m
ですが、まぁ新宿駅が一日の乗降客でギネス認定(360万人)を取っているのは有名な話なので、
まんざら「うそ」ではないと思います。
以前、鉄道を発明したのは英国だが、鉄道網を発明したのは日本だ。
という文章を読んだ事があるのですが、さもありなん、という感じの結果です。
特に「乗降客」と言うのがポイントですね。
この方式では、実は人数の全てがカウントされません。
新宿で乗った人と降りた人だけ。つまり改札を通った人の数です。
どういうことかと言えば。
「JRと私鉄」乗り換えはカウントできても、「JR同士」の乗り換えはカウントされません(多分)。
例えば私が今回、施工研修として東京に行った例で話しますね。
羽田空港から京急線で、品川へ。
そこで乗り換えて、JR山手線で新宿へ。
その後JR中央線に乗り換えて、武蔵境に行ったのです。
私は、羽田と品川と武蔵境では乗降客ですが、
JR同士で乗り換えた「新宿」では、数にカウントされていない。
つまり、今流行の「駅ナカ」人口は、この統計以上に多いのです。
毎日の暮らしは家で完結する事はありません。「移動」が前提なのですが、
この統計から分かる事は、
日本という国は移動に関して「鉄道」に多くを依存している。
という事。
では、そうではない諸外国は、何に依存しているかというと
「自動車」です。
鉄道と自動車。どちらがエネルギーの消費量が少ないかは、
一度に何人の人が乗車するかによって変わります。
移動する人が一人しかいないのであれば、鉄道より自動車でしょう。
ですが、「駅ナカ」ナドという商圏が存在する程の活況を呈した場合、
鉄道のエネルギー効率は自動車のそれとは比べものになりません。
もちろん、そんなのは都会だけの話だ。
とは言えますが、逆に言うと、諸外国は「都会ですら」その様な状態を作れていないのです。
香川県民である私自身は、普段の足に鉄道を使う事はありません。
私の生活には、不便だからです。
でも、鉄道を使う方が便利である地域を、「東京」、「名古屋」、「大阪」と3つも持っているのは、
「世界で日本だけ」なんですね。
何せ日本が22位以上をすべて独占しており、23位に始めて「パリ北」が入るのが現実。
都市における「移動」のエネルギー効率は、日本がぶっちぎりで一番。
というお話でした。
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スピッツの新譜(^^)/
- 2013年9月13日 11:55 PM
- CACICOの毎日
オリンピックですか?
という勢いでしか発売されないスピッツのアルバムがリリースされました。
無人島に1枚しかCDを持って行けない。
という条件で音楽を選べ。と言われたら。
スピッツの「どのアルバム」にしようか?
と悩むぐらい好きです。
特にボーカルの草野マサムネ氏は、変態的に歌詞がすごい。
で、それをメロディーに乗せるのもうまく、
バンドとしての完成度もしゃれにならない程良いと思います。
最近は「おバカな発言」をして晩節を汚している人をちらほら見ますが、
彼は、死ぬまで変わらないだろうなぁ。
とか思うくらい、安定していますね。
写真は、開封前。
ながらで聴くのは勿体ないので、夕食後のお楽しみとしてとっておきます。
施工指導 in東京
- 2013年9月12日 11:55 PM
- 「かしこい家」の性能
先日、前振りが長くて話が出なかった、施工指導です。
施工手順は、大きく
①防水
②断熱材貼り
③モルタル下地
④仕上げ塗り
です。
③と④は、比較的メジャーな手法。
なので材料の特性をお話しするぐらいで良い場合もあります。
ですが①と②は、現場でいろいろとお伝えしたい事があるのです。
特に②の断熱材貼りは、「施工をしない」私では、カバーしきれず専門家を呼びます。
さて、今回は①の防水の指導です。
CACICO外壁の「肝」でもありますが、それほど難しい作業ではありません。
特に今回のように「塗装業者」さんが入った場合は、「材料が変わったのね」という程度の話しだったりします。
室内で壁を塗装する工事を「単純化」したものという感じなのです。
ですが外壁の下地として塗るとなると、事前準備的なものが、透湿防水シート施工とは、「いろいろ」と変わります。
その辺りのチェックも含めて、初めての時は、必ずお邪魔するようにしています。
透湿防水シートとの一番大きな違いは
シート貼り→下地が無くても施工できる
塗装防水→下地が連続していないと施工できない
と言う事につきるのですが、具体的に挙げていくと多くの違いがあったりするのです。
東京の住宅
- 2013年9月11日 3:40 PM
- 「かしこい家」の性能
CACICOの湿式外断熱に興味を持って頂ければ、基本どこでも伺います。
と言う事で、今回は東京に来ています。
住宅は、実は地域によって、特色があります。
東京(と言っても無茶苦茶広いですが)の住宅の特徴は?
パッと見て分かるのは屋根の形状が特殊な事でしょう。
建築基準法には、ご近所への日当たりを配慮するルールがあります。
「背の高い建物を建てると、隣に日が当たらないでしょ」
と言う事で、北側斜線、道路斜線というもの。
敷地の北側からある角度で線を引きます。
建物は、それに抵触するとダメですよと。
つまり、南側に大きな建物があると北側の人が困る。
と言う意味合いなのです。
道路斜線も同じです。道路に日が当たらないと雰囲気悪くなる、という訳。
もちろん敷地が広ければ問題ないのですが、
総建築費8000万円で、土地代が6000万円を越える。
という土地柄では、香川県では想像できない程コンパクトな敷地がたくさんあります。
つまり、背の高い建物は建てづらいけど、室内空間はあまり犠牲に出来ない。
となると屋根の形状、つまり折れ曲がった屋根にする事で、斜線制限を回避する事になります。
こんな感じです。
これはまだシンプルなものです。
北側斜線と道路斜線が入り交じって、複雑な屋根形状になってしまった。
という建物が、ホントたくさんあります。
もう一つは、こちらの金物。
これは、雪止めです。屋根に積もった雪が滑り落ちて、お隣に迷惑をかけないための仕掛けです。
どちらも、あまり香川県ではお目にかからないですね。
前振りが長くなりすぎたので、施工指導の話しは次回行います。
お客さんがいらっしゃるから
- 2013年9月8日 12:07 PM
- CACICOの毎日
2020年の東京オリンピックが決定しましたね。
前回の東京オリンピックが1964年なので、56年ぶりの開催です。
と言うか、複数回の開催都市は数える程度。
1896年から数え出す「近代オリンピック」は2012年で通算30回。
アテネ、パリ、ロサンゼルスが2回で、ロンドンが3回です。
さて、今回はオリンピック自体の事ではなく、公共投資の話です。
1964年の東京オリンピックに向けて、日本が何を作ったか知っていますか?
国立競技場、日本武道館等の競技施設は当然ながら、
ホテルニューオータニや東京プリンスホテルの宿泊施設を。
そして、すごいのは。
羽田空港のターミナルビル増築と滑走路拡張
東海道新幹線の開業
東京モノレールの開業
首都高速道路の開業
名神高速道路の開業
等もオリンピック開催に合わせて行われています。
特に新幹線は、世界的な「鉄道斜陽」(自動車勃興期)という潮流を押し切っての建設でした。
その当時は「無駄遣いの塊」のように言われたそうです。
それから50年。
建築物は、道路でもトンネルでも線路でも耐用年数があります。
当然ながら維持管理によって寿命を延ばす事は可能ですが、限界はあります。
で、このタイミングで再びオリンピック。
「世界中からお客さんがいらっしゃる」
という理由(言い分け)は、デフレ期の日本人にとって、すごくピッタリです。
「まぁ、ちょっと小綺麗にしようかね」
という感じで、インフラの再整備をしたら良いと思います。
築50年。と言うのはホント節目です。
お金を使うのが苦手な日本人に、「ちゃんと使う」機会を与えてくれたのが、2020年の東京オリンピックのような気がします。
前回のインフラ投資が無駄にならなかったように、今回も無駄にならないですよ。
2020年にリニア新幹線走っていても驚かないです。
あっ、もう民営化したから無理ですかね。
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