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2013年3月のアーカイブ
どうせやるなら、「勝てる勝負」
- 2013年3月31日 12:19 PM
- 「かし住まい」を街中に
2階に入るテナントさんの引っ越しが始まりました。
ただ、以前の場所で使用している家具も一緒に引っ越しをするので、
工事&引っ越しな感じです。
土曜日は天気が良かったので、なかなかの借景。
外観は、と言うと
塗り壁の雰囲気が伝わると良いのですが・・・
タイル貼りの上から
防水+断熱材+塗り壁
という工事をしています。
簡単に言うと、
鉄筋コンクリートという蓄熱体のかたまりを、断熱材でくるみました。
これで建物という蓄熱体は、外気温ではなく、内部温度の影響下に置かれます。
具体的には、室温が冷暖房のオンオフに影響される事が少なくなります
注) 冷暖房が無くても快適という訳ではありません。
これは住んだ経験がないと分からないかも知れませんが、
「悪い条件下」の鉄筋コンクリート造でエアコンをかけるという行為は、
壁からの放熱を冷暖房で押さえ込もうとしている
だけなのです。
ですので、冷暖房を切った瞬間にRCからの放射熱にさらされ、不快指数があがります。
夏なら熱い熱、冬なら冷たい熱を、RCはしっかり蓄えている上に、外部からどんどん供給を受けます。
基本「勝てる勝負」ではありません。
ですが、外部に断熱材を取り付ければ立場が逆転します。
RCという蓄熱体を、外界から切り離し、室内側に取り込むのです。
敵に回すとやっかいだが、味方に付ければこれほど頼もしいやつはいない。
それが鉄筋コンクリートなのです。
ベランダの防水・新機軸
- 2013年3月30日 10:19 AM
- 「かし住まい」を街中に
屋上の防水。と言われると、
「まぁ住宅には関係ないよなぁ」
と思われるかも知れませんので、
ベランダの防水をご紹介します。
現場は、完成間近であるRC外断熱改修の現場です。
断熱材を敷き込んだ上に、「サーナルーフ」を固定していきます。
平面と立ち上がりは別々に貼りますが、最後は熱融着するので、一体化します。
一般的にはFRP(こちらも一体化します)という繊維強化プラスチックを使うのですが、
FRPとサーナルーフの大きな違いは、透湿性能の有無です。
木造でも問題なく施工できるので、今後工務店さんにお勧めしてみたいなぁ。と考えています。
これで、以前エントリーした「断熱と遮熱の組み合わせ」を実現しています。
もっとも、北側のベランダなので、遮熱効果はほとんど無いのですが・・・
表面温度の上昇に関しては、屋上で確認してみたいです。FRPの表面は、直射日光が当たると、
熱くて歩けないですから。
果たしてサーナルーフはどうなのか?と言うのは知りたいところです。
夜のイメージ
- 2013年3月29日 11:55 PM
- 「かし住まい」を街中に
足場の大部分が撤去されました。
そこで、エントランスの雰囲気を知るために
夜中に電気を点けて撮影してみました。
手前に2カ所あるのがLEDベースライトですが、これが「ものすごく」明るい。
昼光色を選んでいるせいもあって、奥のダウンライトとは対照的な感じです。
ですが、基本駐輪場なので、これはこれで良いかなと思います。
で、そのまま歩いて行きます。
スロープがあって、その先に引き戸の扉が。
中には
今回、てとも大変だった、エレベーターが鎮座しています。
エレベーターホールも外壁・天井共にCACICOの塗り壁なので、一体感が出ています。
明日には全ての足場が撤去されるので、近々外観をお届けできると思います。
基礎の外断熱から始めよう
- 2013年3月28日 9:58 PM
- 「かし住まい」を街中に
住宅性能向上のスタートは何か?
それは基礎の外断熱。
と考えます。
家造りの原則は。
「変更できないところから、コストをかける」
という事なのですが
「と言っても、無い袖は振れない」
という事実もあり、その妥協点が必要です。
少ない予算で最大限の効果。
その回答をRCの外断熱改修工事をして、より一層確信できました。
個人住宅というのは、ほぼ木造です。
ですが、その基礎構造は、当たり前ですがRC(鉄筋コンクリート)です。
地面から40㎝の高さだけなのですが、
明らかに鉄筋コンクリート造なのです。
ず~っと、話をしてきましたが、RCの建物は「底冷え」します。
もう、冬場は涙が出るほどです。
そのRC構造が、住宅の足下には、必ず付いてきます。
それは木造だろとと、鉄骨造だろうと同じ事。
全ての住宅、いえ全ての構造物の足下はRCなのです。
で、RCほど外断熱の方法で性能が変わる構造はありません。
もう、これは紛れもない事実。
これが、
「コンクリート打ちっ放しの家が欲しい」
と言うのであれば、仕方ありません。
快適とデザインを秤にかけて、デザインを取った。
というだけの話ですから。
ですが、地面から40㎝の部分が、
デザインとして打ちっ放しである必要は無いですよね。
だったら、
基礎だけは、外断熱にしましょう。
というのが、CACICOの提案です。
以前にエントリーした事もあるのですが、
基礎の外断熱化は、コスト的にもたいした負担がかかりません。
端的に、地面から40㎝だけなので面積が少ないから。
正確には、地面より下に20㎝程度入っている、高さ60㎝程度ですが
それでも、たいした面積ではありません。
そのRC部分だけを「外断熱化」するだけで良いのです。
それで、快適な住宅の第一歩です。
これ、CP(コストパフォーマンス)が、すごく良いです。
全国の工務店さんに、伝えて回りたいです。
次回は、造り手としての問題点をまとめてみたいと思いますが、結論だけをもう一度。
基礎の外断熱化は、CACICOのお薦め一番仕様です。
RCの打ちっ放しは室内側
- 2013年3月27日 8:53 PM
- 「かし住まい」を街中に
RC外断熱の性能を体感してもらう。
という目的ではないのですが、結構良い感じかなぁ。と思います。
構造剥き出しで、すごく寒そうな感じ。
だけど、RC外断熱を選択した場合、快適には「な~んも」関係しない。
という話をします。
RCという構造体を、どういう風に位置づけるかで考え方が180度変わります。
RCの外壁が、冬寒くて夏暑い(外気温の蓄熱体)が普通。
と考えるのであれば、
内側でどれだけ断熱できるかが勝負ですので、内装を外すなんて愚の骨頂です。
でも、
RCの外壁が、冬は暖房、夏は冷房(室内温の蓄熱体)が普通。
と考えるのであれば、
室温を躯体に伝える事がプラスなので、内装を外す事が正しい行為、だったりします。
個人的に
RCの打ちっ放しは、室内に限る。
と考えます。
今回はリフォームなので廃墟風のデザインですが、
キレイな打ちっ放しの壁が仕上げというのは、悪くないと思います。
打ちっ放しの外壁もデザインとしては良いのですが、
その中で生活するのは苦行以外の何物でもないです。
あっ、こう見えても窓は樹脂のトリプルガラス。
普通の生活環境では、絶対結露しません。
グリコ偉い!!
- 2013年3月26日 8:55 AM
- CACICOの毎日
なぜか好きなので、出会うたびに買ってしまうくまモンの新製品。
今回はポッキー
ドラッグストアの店先に並んでいたのでつい・・・
で、ここまでは普通だったのですが、中を開けると
中の袋までデザインが。
でもって
裏側まで!!
しかも紙箱の方は、蓋の一部が耳になる仕掛けが。
こ~んな限定品まで、手の込んだ仕様。
日本のお菓子メーカーは、完全にガラパゴス化していますね。
スーパー見てても、
「年間どれだけ限定品出すねん」
という勢いで商品が入れ替わります。
定番は定番で存在し続けているし、何かすごいです。
注釈
ガラパゴスとは独自進化で「ものすごいものになっている」という意味で使っています。
マスコミで使われていた、
携帯電話→日本独自仕様→世界で売れなかった=ガラパゴス化→日本ダメ
ではなく、
マンガ→日本だけでで流行る→世界でMANGAとして評価
の方のガラパゴス化です。
「こだわる」という言葉の意味が、悪い表現から良い表現に変化したように、
「ガラパゴス」も良い表現になるでしょう・・・多分。
電気は大切
- 2013年3月25日 8:31 PM
- 「かし住まい」を街中に
今日は一日停電の日でした。
理由はメーターの移設です。
今までは建物1つにつき、1つのメーターだったのですが、
各階ごとにメーターを取り付ける事にしました。
なので、動力電源も、共有電源もと言っているとメーターの数がとても多く。
どの程度かというと、
メーター板がこんな事に。
中の配線も事前に準備しています。
集まった電気屋さんも・・・なんと6名。
工程はこんな感じ。
①四電さんが、主電源を落とします。
でもって、メーターBOXや配線工事。
②四電工さんがやって来て、メーターを設置
でもって、後は電気屋さんの人海戦術。
③最後に四電さんが、主電源を回復。
停電の時間は約10時間ですが、ホントこの間何もできません。
電気の大切さを思い知らされる10時間でした。
で思う事は、自然エネルギーの不安定さです。
私は、必要な時に必要な量の電気が、安定的にあって欲しいです。
太陽光発電や風力発電を導入しながら、それを行おうとした場合、
自然エネルギー分の「発電」を、バックアップとして準備する必要があります。
自然エネルギーを増やしても、従来の発電を減らす事はできないのです。
なぜなら、お天気任せの「不安定」さだから。
で、何がバックアップに向いているかというと、「火力発電」です。
「エコじゃない火力発電」が無いと存在できない「エコな自然エネルギー」。
たちの悪い冗談みたいですが、本当です。
バックアップとして使用する火力発電は、オンオフが煩雑になるので、より一層「燃費」が悪くなります。
そう言えば、世界トップの太陽光発電の会社であるサンテックパワー(中国)社が破綻したみたいです。
ブルームバーグの記事によると、20億ドルの債務を抱えたサンテックは、
3月15日が期日だった社債5億4100万ドルが返済できなかったとの事。
いわゆる不渡りってやつですね。
昨年の初めにはドイツの最大手「Qセイルズ」という会社が倒産していますし、
出遅れを叩かれた日本メーカーは生き残っているという皮肉な状態です。
世界トップシェアの会社が倒産するソーラー発電業界って、なんですかね。
屋根の外断熱開始
- 2013年3月22日 11:55 PM
- 「かし住まい」を街中に
RCの外断熱改修が続いています。
壁の外断熱は目処が付いてきたのですが、屋根はこれから。
こちらの建物、陸屋根(フラット)と勾配屋根の2種類があるのですが、まずは勾配屋根から。
60mmのフェノバボードを固定したところ。
金属のワッシャーを使って、面で断熱材を押さえつけています。
ワッシャーがないと、ビスだけがずぶずぶと断熱材の中に陥入していくのです。
外周部は、防水材を固定する関係で、50mm+構造用合板の仕様になっています。
すごく大雑把ですが、壁の2倍以上の断熱性能が必要だと考えていますので、
今回は
壁は40mm 熱伝導率0.033
屋根は60mm 熱伝導率0.019
という仕様です。
壁の2.5倍を確保している事になります。
やっぱ香川県は暑さ対策ですよね。
サーモグラフィで見る外断熱の利点
- 2013年3月21日 4:58 PM
- 「かし住まい」を街中に
ちょっと散財してしまいました。
以前から、欲しい欲しいと思っていた、
「FLIR i3」という名前の、赤外線サーモグラフィカメラを買ったのです。
以前、この写真をエントリーした事があるのですが、
同じ風景を、「FLIR i3」で撮影すると
こんな感じに見えます。
プレデーターですか?(古い)
つまり温度の差で、モノを把握するカメラです。
このカメラは、建築的には漏水の検査で使われたりしています。
外壁を撮影したとき、裏側に水が回っている箇所の温度が低くみえるのです。
外壁を撤去しなくても分かるので、非破壊検査と言います。
CACICOの目的は、断熱がきっちり機能しているかどうかの確認です。
早速、RCの外断熱改修の結果を確認します。
樹脂トリプルLow-Eサッシと、熱交換タイプの換気扇を取り付けるスリーブ穴(外が丸見え)です。
クロス未施工の場所は木下地(ボード断熱材30mm充填)。それ以外はRCで、
どちらも外張り断熱40mmという断熱仕様です。
で、これをサーモグラフィカメラで撮影すると。
いろいろと文字がかぶっていて分かりづらいかも知れませんが
四カ所の温度も併せて表示しています。
Sp1が壁面温度 14℃
Sp2がスリーブ穴から覗いている外気温度 9.5℃
Sp3が樹脂枠の温度 12.8℃
Sp4がガラス面の温度 13.7℃
コンクリート面の温度がでてきていませんが、Sp1と同じでした。
計ったのは、21日の午前中。
この日は最低気温が日の出前の5℃。室内は当然ながら暖房器具なしです。
この状況で壁温度の14℃は、
外断熱が有効的に働いていることを示しています。
つまり、夜間の冷蓄熱を防いだ。
ということです。
1月からこの現場に詰めている監督さんは、
「室内がこんなに暖かいなんて初めてです」
と大絶賛。
以前は、多くの人が室内で作業をしていても、
日中の外気温より、必ず低かった室温。それが今では逆転しているのです。
ビフォーアフター的に表現すれば「なんと言う事でしょう」状態です。
ですが、まだ道半ばのRC外断熱改修。
完成が楽しみです。
塗り壁の仕上げ方
- 2013年3月20日 11:55 PM
- 「かし住まい」を街中に
フロント部分
というのは、とても大事です。
と言うことで、どのようなコテパターンが良いか検討しました。
「押(おさ)え」と呼ばれる、お城の外壁のように平滑面にする仕上げであれば、気にしないのですが、
CACICOの仕上げ材は、「押え」ができない材料です。
ですので、何らかのパターンがつきます。
個人的には「塗り放し」というランダムなコテムラが好きなのですが、
これはこれで難しい。
なぜなら、
①コテパターンは、人間の手の可動範囲でしかパターンがつかないから。
例えば、身長170㎝の人が左右に手を動かすと、170㎝幅のコテ跡が付きます。
それを上下→移動→上下→移動
と進めていくと、横方向としては、170㎝おきという規則正しい継ぎ手ができてしまうのです。
しかも、それを複数名ですると、幅の異なった規則正しい(?)縦ラインが現れます。
しかも、「塗り放し」とお願いすると、
②個人としてはランダムであっても、人による個性がでます。
よ~く見ると、あぁ違う人が塗ってるなぁ。と分かる訳です。
狭い範囲であれば一人で施工しても良いのですが、それではなかなか進まない。
そこで考えたのは、
コテの動かし方。
左官さんのコテの動きを見ていると、最後はカーブを描きます。
極端な場合は、半円な感じで動いたり。
このカーブの動きが、ある意味「個性」です。
ですので、
A コテを水平のみに動かしてもらう。
B コテの壁に当たる角度を統一してもらう(仕上げ面がフラットか荒れるかの差)
という条件をつけた上で
C 縦方向の継ぎ目が一直線に通らないように、
ランダムにお願いしました。
つまり、170㎝のスパンで統一しない塗り方です。
少し時間はかかりますが、170㎝いったり、90㎝で止めたりして、継ぎ目をぼやかす訳です。
まずは天井からスタートして、最後にフロントの壁を塗ります。
コテがアールに動かないため、継ぎ目も目立ちません。
塗りの自然な感じがでて、なかなか良い仕上がりだと思います。
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