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2013年8月のアーカイブ

②気密の確保  較べてみよう

前回のまとめです。

一般の家における気密とは

造り手も知らない場所に、自然換気にとって有効ではない隙間が、あちこちにある家

という結論でした。

さて、一方同じ表現で高気密住宅を表してみたいと思います。

高気密の家 (1を大きく割っている場合)

サッシや玄関扉の隙間以外には、ほぼ隙間がなくなっている家

という所でしょうか。

例えばC値が0.5だった場合、8センチ角の隙間という事になります。

ちなみに気密は、現場の検査で計測した結果。というところが断熱とは違います。

断熱は、図面上の計算値であり、気密は実測値なのです。

話しを戻します。

一般の家と高気密の家を較べてみます。

(勝手な)イメージで較べると

「呼吸する家」Vs「ペットボトル住宅」

なのですが、数字で表すと

「隙間が36センチ角」Vs「隙間が8センチ角」

なのです。

すきま風が大きい事にメリットを感じる人っているのでしょうか?

次は、すきま風が大きい事のメリット・デメリットを考えてみます。

メリット

はっきり言って思いつきません m(_ _)m

アルミサッシ以前の木製の窓レベル(雨戸がないと、水が入る)の隙間があれば、「自然換気」できると言って良いです。

私は以前、ボロボロの借家(大家さんごめんなさい)に、

「リフォーム勝手にやって良いよ」という条件で住んだ事があります。

昭和初期!! みたいな家だったですが、室内でガスストーブ焚いても換気の必要がなかったです(笑)

ですが現在の新築において、そんな大きな隙間はあり得ません。

デメリット

室内の冷暖房(外気温と室温の差が大きい)時に、隠蔽部で結露をおこす可能性が高い。

換気装置の効率が悪くなる。

冷暖房の効率が悪くなる。

湿度コントロールが不可能になる。

 

デメリットだったら、いっぱい書き出せるのですが・・・

②気密の確保 ~気密の定義

「住宅を快適にするコストのかけ方」を順を追ってご説明しています。

前回ようやく①足下の断熱強化が終わりました。

コストをかける順の二番目は「気密の確保」です。

高気密住宅と言うのは、一時期「ペットボトル住宅」などと揶揄され、

「息苦しい」とか「人工的」などのイメージを吹聴されたものです。

今でも、「気密は必要でない」という建築屋さんは多いです。(大部分?)

これは、「気密」に関して、自社がどのような住宅を造っているかの認識が無いためです。

まず現状把握。

家造りを応援する情報サイト様からの転載です。

 

個人としては、C値は1を切るべきだと思いますが、問題はそこではありません。

一般的な住宅の数値です。

一般の住宅というのは、気密という意味で、どのように定義すべきか?

前述の「人工的」と差別化するため、「自然」を取り込む風の表現が多いです。

では、現実としてはどうでしょうか。

家全体で「36㎝の正方形」の隙間という所に着目してください。

40坪の住宅における隙間の合計が、36センチ角。

というのは、1坪あたりに換算すると、5.7センチ角の隙間です。

つまり6畳(3坪)の部屋においては、約10センチ角。

このサイズの隙間で「自然を取り入れる事」ができるしょうか?

隙間は、室内側から見れば、内壁や取付部材で隠蔽されています。

なおかつ「配管貫通部」、「サッシ取付部」、「壁と屋根の取り合い」、「体力面材の隙間」

等にバラバラと発生している。

どう考えても室内換気の役には立たないです。

結論として

「高気密は必要ない」と言っている「普通の住宅」は、気密という意味では

「造り手も知らない場所に、自然換気にとって有効ではない隙間が、あちこちある家」

と定義できると思います。

グリーンスムージーとフライドポテト

スムージーマシーンを購入しました。

買ったのは8月の頭ですが、ようやく味のバランスが分かってきました。

Wikiによると「スムージー」は、

凍らせた果物や野菜を使ったシャーベット状の飲み物との事。

今の流行は「グリーンスムージー」。

こちらは、生の葉野菜・果物と水をミキサーした飲み物。

つまり、スムージーに

「緑の野菜が必須」と「常温」

という条件を付けたのがグリーンスムージーと言う訳です。

さてさて、「グリーンスムージー」ですが、

確かに野菜を摂取するには向いています。

葉野菜をサラダ(生)で摂取しようと思ったら、結構大変。

だったら「全部すり潰して飲んじまえ」という回答が、なかなかにアメリカ的。

そう言えば、以前アメリカで、

「野菜を食べてる?」

という質問に対して、

「あぁ、毎日食べてるさ」

と答えて、フライドポテトにケチャップを付けて食べてみせた。

と言う話を思い出しました。

グリーンスムージーからフライドポテトまで、

アメリカでの「野菜食」は、幅が広いです。

 

初めて作った時「ソイレント・グリーン」が脳裏をよぎったのは内緒ですm(_ _)m

内覧会情報です(^^)/

西建住宅さんの内覧会情報をお届けします。

8月31日(土)・9月1日(日)

地図は、上記リンクでご確認ください。

また、内部の写真は西建住宅さんのブログに出ていますので、

こちらも是非ご覧ください。

庇のアップです。

で、全景はこんな感じ。

とても素敵な家に仕上がっています。

内覧会に限らずイベントでは「駐車場」で困る事が多いのですが、

今回は東隣の「ヤクルト」さんの広い駐車場をお借りできたとの事です。

ホント気軽に立ち寄れる内覧会になっています。

私も内部を見ていないので、お邪魔しようと考えています。

①足下の断熱強化 その4

サクッと終わる予定だったのですが、ずるずると続いていますm(_ _)m

前回は床下断熱の説明でした。

残る2つには共通点が多いので、まとめてお話しします。

②基礎・内側での断熱

で、③基礎の外側断熱です。

上記2つのイラストは、他社さんのものですので、基礎から上は忘れてくださいm(_ _)m

 

2つの共通点は、

床下は「自然環境」という床下断熱とは違って、

床下も「室内環境」である事です。

一方、相違点は、

②基礎の内断熱は、基礎コンクリートが外気温で蓄熱されており

③基礎の外断熱は、基礎コンクリートが床下温度で蓄熱されている

という点。

コンクリートが木材と同じくらいの蓄熱量しか持たない。

のであればどちらでも良い話です。

 

以前、外壁の断熱は、充填断熱でも外断熱でも構わない。

書いた事があります。

それは木造という構造体は、その蓄熱量が無視できる程に少ないからです。

ですがコンクリートの蓄熱量は、ものすごいです。

この蓄熱能力を使わないのは勿体ない。

先ほど、どちらも床下を室内環境としている。と書きましたが、

外断熱の方が、有利であるのは間違いがないところです。

なので、足下の断熱強化という意味では

①床下断熱 < ②基礎・内側断熱 < ③基礎・外側断熱

という優劣がつきます。

それでいて、コストアップは少ない訳なので、

CACICOお勧め一番は、「足下の断熱強化」と言う事で、

基礎外断熱を推奨しています。

①足下の断熱強化 その3

今回は「少しコストアップ」になる基礎外断熱の性能を比較検討します。

この話しは「住宅を快適に対するコストのかけ方」の第一弾という位置づけ。

以前選択肢を出しましたが、足下の断熱は3種類。

①床下での断熱

②基礎・内側での断熱

③基礎・外側での断熱

これを図面と共に説明していきます。

まずは①床下での断熱

この図は、根太の間に断熱材を入れていますが、大引きの間に入れる方法もあります。

ですが基本は同じ。構造体の間に断熱材を入れる。

外壁における「充填断熱」という手法の床バージョンですね。

この後、合板→フローリングという施工が行われます。

私は、外壁の断熱は充填断熱でも外貼り断熱でも、構わない。

と考えています。

もう少し正確には

断熱材が均一に施工され、気密を確保するなら、外断熱でも充填断熱でも構わない。

でも、それはあくまでも外壁の話です。

床面に関しては違います。

理由は、

「壁に触れなくても生活できるけど、床を触らずには生活できない」

からです。

回りくどい表現ですが、これは熱の伝わり方の違いから発生します。

熱の伝わりは、「放射、対流、伝導」の3つです。

放射は電磁波(赤外線)を通じての熱移動。 例) 太陽光、コンクリートの照り返し

対流は空気や水を通じての熱移動 例)エアコンは空気を使って冷暖房

伝導は物体を通じての熱移動 例)使い捨てカイロを触ると暖かい

で、部屋の中で生活する「あなた」をイメージしてください。

冬季に窓の近くは寒いですよね。

なので、わざわざ窓のそばや壁側に近づきたい人はいないでしょう。

窓や壁からは、冷たい輻射熱が出ており、それを「寒い」と感じるのです。

それは当然ながら床でも同じ。

ですが、床はそれだけではありません。

「放射」熱とともに「伝導」熱も伝わってくるのです。

何せ、人は足を付けないと生活できないから。

先ほどの図をもう一度見てください。

面積の20%は、外気温(=床下)との間に構造体しかないのです。

その上を歩くのですから、足の裏が冷たいですよね。

つまり、

放射による伝達が主である「壁・天井」

放射と伝導の組み合わせで伝達される「床」

とは、断熱の方法が違う。と言う訳です。

ちょっと、気合いを入れて書いたので、結構な量になってしまいました。

続きは次回に譲ります。

①足下の断熱強化 その2

先日の続きです。

「断熱材単体では、コスト的に有利」

と言うのが昨日の結論でした。

ですがそれ以外にもコストに関する問題はあります。

それは、基礎巾木の仕上げです。

大きく二つに分かれます。

①コンクリートの打ち放し仕上げ

②何かの仕上げ材を施工する

香川県には、「打ち放し」の建築が多いです。

香川県庁舎や県体育館(丹下健三氏)の流れでしょうか。

建物全体が「打ち放し」というのは、モニュメントならばともかく、

生活や仕事の場としては、厳しい環境となります。

話がそれましたねm(_ _)m

①の場合は、それまで不要であった基礎巾木の仕上げが必要になりますので、

コストアップとなります。

②の場合は、「どのような仕上げ」かによって変わります。

昔ながらの、モルタルの刷毛引きと較べればコストアップでしょうが、

それ以外の方法であれば、変わらないか、コストダウンになることも多いです。

全部ひっくるめると

「少しだけコストアップ」する。

と言うのが、近しいところではないでしょうか。

さて、2回に渡ってお金の話をしてきました。

次は、性能の話をしたいと思います。

①足下の断熱強化 その1

住宅快適化計画のお勧めが、足下の断熱強化です。

具体的には、基礎の外断熱化を指します。

「足下の断熱」と言った場合、選択肢は3つ。

①床下での断熱

②基礎・内側での断熱

③基礎・外側での断熱

この3つを、コストという観点で比較してみます。

1階面積が、10メートル角の住宅があるとします。

で、それぞれ何㎡の断熱材が必要か計算してみましょう。

①床下断熱の場合→80㎡

10メートル×10メートルですから、100㎡。

と言いたいところですが、構造体の間に入れていくので約20%減という所で良いですかね。

②基礎内断熱の場合→54㎡

基礎の内部立ち上がりは35センチですが、底磐1メートルにも必要です。

ですので、1.35メートル×40メートルという計算です。

③基礎外断熱の場合→26㎡

基礎の外部立ち上がりが40センチ。根入れ(地面に隠れている部分)が25センチとします。

ですので、65センチ×40メートルという計算です。

と言う具合に、③を基準にすると、②は2倍。③は3倍の断熱材が必要となります。

ただし、基礎外断熱は白蟻対策をした防蟻断熱材を使う必要がありますので、

同じ単価という訳には行きません。

もし価格が2倍だとしても、

断熱材という材料に関しては、基礎外断熱がもっともリーズナブルになるのです。

住宅を快適にするコストのかけ方

頭記は、私が工務店さんにお話をする資料のタイトルです。

一口に工務店さんと言っても「快適」に関して、

どれだけの手間(コスト)をかけているかは様々です。

もちろん、「CACICOの考える方法では、快適にならない」という意見もあります。

先日の経済方針と同じで、いろんな意見があることは、ある意味健全ですので。

私としては「この方が良いですよ」と提案して、説得&納得して欲しいと思っています。

で、先ほどの資料の中味です。

まだまだ景気回復にはほど遠い現状ですので、

「お金がかかっても良いから、ベストなものを」

なんて人は多数派ではありません。

ですのでポイントは、

コストアップが少ない

副作用が少ない

という条件下で「効果」のあるもの。

をリストアップしました。

「コストがかからない」というのは分かりやすいですが、

「副作用が少ない」というのは説明の必要があると思います。

新しい試みが、「あらゆる点において」問題が無い。

なんて事はありません。

ですが、それは話の流れで説明いたします。

 

前置きがとても長いですねm(_ _)m

お勧めのコストのかけ方は下記の順 !!

①足下の断熱強化

②気密の確保

③ダクト式全熱交換システムの導入

④樹脂サッシの導入

⑤屋根の断熱強化

⑥壁の断熱強化

 

個々の話は、次回以降で進めていきます。

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みんなが同じ事を言う時は

藤井聡さんのFBから拝借してきた図があります。

これは、過去1年間、全国の大手5社が、経済においてどんな社説を掲載したかを分析したものだそうです。

 

再掲します。

構造改革・自由貿易で経済成長が88.3%

金融緩和・財政出動の内需主導で経済成長が1.7%

 

設問に対する「意見」が、ここまで偏っている。というのは異常です。

そう言えば、「消費税増税」に関する有識者(笑)の意見も、

その大部分が「増税は仕方ない」らしいですね。

 

経済なんて、私から見たらある意味バクチです。

絶対景気が良くなる政策。なんてものは存在しません。

(悪化させるのは、どちらかと言えば簡単な気がしますが)

もしそんな事が分かるのであれば、政治家も役人も、誰も困らないですし、

経済学者は全員大金持ちです。

でも現実は、そうではない。

ですから、上の意見が50対50とは言いません。

もう少し「喧々諤々」であれば

「あぁ、いろんな考えがあるんだなぁ」

と思うところですが、

片方の意見が1.7%

つまり、全ての新聞社が、ほぼ1つの意見に集約されている。

という状況では、内容がどうこう以前に

「何か、別の理由があるんだろうなぁ」

としか思えません。

構造改革をする事が、誰かの「大きな利益」になるんでしょうね。

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