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2014年12月のアーカイブ

蓄熱暖房の新しい道

冷房に関してはエアコン一択ですが、暖房に関してはいろんな選択肢があります。

その中の一つが蓄熱暖房。

有名なのは電気式の蓄熱暖房器ですね。

以前は、「割安な夜間電力を使用して」が、うたい文句。

今だったら、「日中暖房しても、太陽光発電はすべて売電できますよ」

という感じでしょうか。

CACICOとしては、「蓄熱→放熱」というシステム自体、うどん県には不向きだと考えます。

以前、「床暖房の未来 の続き」でも書いたように、季節によっては「蓄熱」を持て余してしまうからです。

蓄熱暖房器は内部に蓄熱レンガがあって、そのレンガを最高700℃に暖めるそうです。

その熱は、当然ながら「保存しておけない」ため、どんどんと室内に放射されます。

日中天気が良くて、室温が高くなっても止める事はできません。

という訳で、寒暖の差が大きい地域では、デメリットが目立ちます。

ですが、だからと言って、「蓄熱暖房」自体がダメだとは思っていません。

今までの話は、あくまでも、現在の電気式蓄熱暖房器の話です。

 

(電気)料金節約のための蓄熱ではなく、快適のための蓄熱があると思うのです。

具体的な問題点は、蓄熱温度が高すぎる事です。

 

では逆に、CACICOの知っている成功例を。

一階の床をタイル張りにしたい。

こんな要望があった場合は、蓄熱式がお薦めです。

→タイル仕上げでも床下がある構造(木地にタイルを接着)の場合は除きます。

一般的に一階の床をタイル貼りにする時は、コンクリートを打ち増ししてタイルを貼ります。

なので床下に空間が無く、いわばコンクリートに直接、足を付ける事になります。

言ってみれば、玄関土間と同じ条件です。

こんな状況下においては、どんなに室温を上げても、タイルの床面は暖かくなりません。

床面の温度を上げたければコンクリートを暖めるしかなく、

そのためにはコンクリート内部に温水配管を埋設する、蓄熱暖房が適役です。

そこに流す温水は、低ければ低いほど良いですが、

ボイラーにも温度の下限があるので、40℃ぐらで間欠運転(1日2時間とか)させます。

ポイントは、やはり蓄熱温度ですね。

蓄熱温度を、「触れた時も快適」な温度範囲に抑えられれば、良い輻射暖房になると思っています。

現在ある蓄熱暖房器は、小型の機器一台(=少ない容量)で住宅全体を暖める熱量が求められます。

しかも住宅の断熱性能は、まちまちですから一番低いところに合わすしかありません。

だから最高700℃という温度が必要なのでしょう。

逆を言えば

①一定以上の断熱性能

②大きな蓄熱層

があれば、温度は低く抑える事が可能です。

前述のタイル床という条件は特殊ですが、

フローリング仕上げでも、基礎自体を蓄熱体とした蓄熱暖房があれば、非常に有効だと思います。

「基礎外断熱+基礎蓄熱」

ならば、上記の2条件を満たす事が可能です。

以前取り上げた、「5万円の床暖房」は、CACICOの考える蓄熱暖房の簡易版だったりします。

蓄熱暖房は、あくまで輻射熱暖房として使うべき。

CACICOの提案です。

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快適の要は庇にあり

車に乗ると、太陽エネルギーのすごさを思い知らされます。

私事ですが、家の車は野ざらしです。

前面の南面道路に対して、「ポイ」と横付けしているのですが、

天気がよい日には、この寒い時期でも「ものすごく暑く」なります。

正に温室状態。

もちろん車は住宅と違って断熱は考慮されていません。

ですので、日が陰るとすっと車内温度が下がります。

車も断熱した方が良いですよ。という話ではありません。

そんな事をしたら、夏場の車中が大変な事になってしまうからです。

熱は「入り放題」。だから無断熱で正解です。

太陽の熱で、車中がポカポカ。

この熱を、住宅で有効利用するのがパッシブな住宅なのです。

もう少し、車の話をします。

夏場に屋根がないところで駐車すると、車内温度が半端なく上がります。

なので駐車中には、フロントウインドゥの内側にサンシェードを広げる人も多いです。

自動車は、当然のことながら四方がガラス窓。

当然ながら、日射取得はものすごい量となります。

この熱量を処理できるのは、ひとえに車が走る道具だから。

つまり風が吹き込んで、車内温度を下げてくれるのです。

エアコンが無い時代に、かつ窓が開閉できなければ、夏場は使い物にならなかったでしょうね。

(初期の車は屋根が無かったので、その限りではないでしょうが)

車は移動のための道具。ですから、日射に関しては無防備です。

窓ガラスを黒くするぐらいしか防御策はなく、熱に対しては通風とエアコンしかありません。

 

さてさて、住宅です。

大きな窓がいっぱいあったら、明るくて、風通しがよくて素敵。

と疑念なく言えるのは、過去の話。

現在の快適な家と言うのは、

遮熱と採熱をコントロールできる家なのです。


理由は簡単です。

暑い時期に

日射入り放題→エアコンで冷やす

のと

日射をできるだけ遮る→エアコンは最低限

どちらが快適か?という話です。

 

だったら、すべての窓を小さくしたらよいのか?

と言う訳でもありません。

夏はそれで良いですが、冬が問題になってきます。

我が家の車ではないですが、日射による熱の取得は馬鹿にできません。

 

寒い時期に

日射が入らない→暖房器具で暖める

のと

日射が入る→暖房器具は最低限

とは、どちらが良いか?という話です。

 

つまり、

暑い時期はしっかり遮熱できて、寒い時期はしっかり採熱できる

そんな仕掛けのがある家が良いのです。

もちろん車とは逆で、しっかり断熱すれば、一層快適になります。

何か難しそうに書きましたが、

遮熱と採熱の基本は、必要な長さの庇です。

建物の断熱性能に比例して、 庇の重要度は上がる一方なのです。

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