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2013年10月のアーカイブ
除湿と加湿に水を使わない
- 2013年10月31日 5:50 PM
- 「かしこい家」の性能
前回、加湿は加湿器、除湿は除湿器かエアコン
と言う話をしましたが、この機器達とデシカの違いをまとめます。
以前書いたのは、
①複数台数になってしまう。
②局所でしか対応できない
でしたが、実は本質的な「違い」が存在します。
それは、
従来型のやり方は、湿気のやりとりに水を使うが、デシカは水を使わない。という点です。
湿気を扱うのに、水を使わない。
というのは不思議な感じがすると思いますが、
正確には「液体として」の水を使わないという点です。
従来型の機器は
加湿は、液体としての水を(なんらかの方法で)気化して、室内中に拡散します。
除湿は、気体としての水を(何らかの方法で)液体化して、その水を除去します。
つまり、必ずどこかの過程で「液体として」の水を取り扱います。
その結果として、水を加えたり(加湿)、水を捨てたり(除湿)という手間が発生しますし、
水に起因する、カビや汚れ等を防ぐためのメンテナンスが必要となるのです。
ですが、デシカは「液体としての水」を使いません。
加湿は、気体としての水(湿気)を、室内と室外から集めて、室内中に拡散させるだけ、
除湿は、気体としての水(湿気)を室内から集めて、そのまま室外に捨てる。
その集めるという作業は、「デシカント素子」と呼ばれる素材を媒介に行います。
デシカント素子は、言ってみれば、熱に反応する乾燥剤です。
「冷やすと湿気を吸着し、暖めると湿気を放出する」という性質を、
ダイキンの技術者さんが、何とかしてしまったのがデシカという機械なのです。
調湿を、液体としての水を媒介にせず行う機械。
世界初だと思うのです。
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不利な戦い
- 2013年10月25日 5:16 PM
- 「かしこい家」の性能
ジャパンホームショーに行って参りました。
年に1回、いろんな建材を集めた大イベントで、東京ビックサイトで開催されます。
全体の流れを押さえるのに役立つため、出来るだけ行くようにしているのですが、
今回は、ダイキンさんのご招待での参加です。
ダイキンさん、ありがとうございます。
さて以前ご紹介したことがあるのですが、私が注目している機器があります。
それがダイキンのデシカホームエアです。
何をする機械かというと、24時間換気に調湿機能を付けた機器です。
一般的に、快適をコントロールする。というのは、温度をコントロールするのと同義語でした。
ですが、「気温が少し高くても、乾燥していたら快適」という風に、湿度も人間の快適に大きく関係しているのです。
では湿度のコントロールを行う機械はどんなのがあるかというと、
加湿は加湿器、除湿は除湿器かエアコンの除湿機能というのが現状です。
つまり、一台の機械で完結できない上に、局所(家中全部ではない)でしか対応できません。
そこに出てきたのが、ダイキンのデシカ・ホームエアでした。
パンフレットの書き出しがすごいです。
1年を通じて、
家中どこでも心地いい。
体験したことがないほど
爽快な毎日が
はじまります。
ダイキンほどの大メーカーが、ここまで言い切るのですから、
これは期待大です。
ですが、現実には「どんどん売れている」と言う訳ではありません。
機器のサイズや導入コストという問題もありますが、一番大きな障害は、
住む人や建築家の間で、「湿度コントロール」の大切さが理解されていないことです。
ほとんどの住宅が、「室温のコントロール」すら、(建物側で)する気がないのが現実。
なのに、温度以上に解りづらい「湿度」のコントロール。
と言われても、意識が向かないのも当然です。
特に、省エネという観点からダダメ出しをされるという、情けない現実があったりします。
なぜか?
例えば「ゼロエネルギー住宅」という規格があります。
この建物に、デシカを入れると、ゼロエネの規格から外れてしまうことがあるそうなのです。
(全ての建物ではないです)
なぜ、そんな珍現象が発生するかというと、「快適」の基準に「湿度調節」がないからです。
デシカの電力的負荷は、小型のエアコンのようなもの。
正確には、除湿時は520W、加湿時は280Wの電気を消費します。
一方同じダイキンの全熱換気であれば、90Wしか消費しません。
つまり、夏場は6倍、冬場は3倍の電気を消費するのですが、
それで手に入る湿度的な快適さを、日本の「省エネ住宅」は考慮せず、
「効率の悪い全熱換気」として扱うのです。
快適を少ないエネルギーで、と言うのが「エコ住宅」のはずなのに、
快適の大きな目安である、湿度を考慮しないために
デシカはダメな子の烙印を押されているようです。
そんな、「ものすごく不利な戦い」を続けているのが、デシカホームエアなのです。
いゃあ、贔屓したくなりますねぇ。
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シームレスな屋根材
- 2013年10月21日 11:55 PM
- 「かしこい家」の性能
ちょっと間が開いてしまいましたが、屋根の防水リフォームの現状です。
雨の日が多かったため、思うように進んでいませんが、大屋根は終了しています。
こんな感じ。
今回の建物は、屋根にアールがついていました。
一般的なリフォームであれば、板金屋根でアールに加工する所です。
ですが、ここに大きな(?)問題があります。
屋根は(当然ですが)防水に対して、一番シビアな箇所です。
ですので、屋根材によって「勾配」の制限があります。
防水能力の低い屋根材は、勾配、つまり傾きをなだらかにすることができないのです。
一般的な「瓦」だと4寸以上。
もっともなだらかにできるのは瓦棒や折半(せっぱん)と呼ばれる形状の金属屋根。
であるならば0.5~0.3寸まで可能。
さて、問題は現場のようなアールの屋根です。
個人的には、「頂点」部分は、ほぼフラット。つまり勾配0です。
なので、防水対策には非常に気を使います。
そこでCACICOの提案は、シームレスな屋根です。
「継ぎ目がなければ、雨が漏らない」
という、非常に分かりやすい理屈。
屋根の施工は、防水層であるルーフィングと屋根材の組み合わせです。
で、そのルーフィング(防水)自体の固定や屋根材の固定には、
壁と同じくタッカー(ホッチキスの大きなやつ)やビスを使います。
極論を言えば、雨水の浸入がない屋根材はありません。
その量が、多いか少ないかだけの差なのです。
本当に雨水の浸入が無ければ、フラットでも大丈夫なはずですから。
その理屈通り、CACICOの提案するサーナルーフは、施工不良以外では水漏れはありません。
なぜなら、従前の方法では、多かれ少なかれ存在していた「隙間」が一切無いからです。
当然ながら、勾配0。つまりフラットでも施工可能です。
シート防水の開始
- 2013年10月11日 5:10 PM
- 「かしこい家」の性能
屋根リフォームの続きです。
塩ビシートでの防水屋根。
との括りでは同じなのですが、CACICOの塩ビシート防水は、
日本のメーカーさんとは施工方法が細かく違います。
なので今回の施工に合わせて、現場での施行指導を企画しました。
技術研修は受講していますが、やはり実際の現場で直接指導してもらうことは大切です。
CACICOの外壁で、それは体感済み。
と言うことで今回は、大阪から1泊2日の予定で来てもらいました。
ものすごくざっくりまとめると、シートを「熱で溶かして」一体化させてしまう工法です。
熱溶着と言うのですが、接着剤を使わないところがポイントです。
塩ビ防水の寿命を計る目安は二つです。
①材料自体の耐久性
②継ぎ目の耐久性
シートとシートを貼り合わせるのに接着剤を使う工法もありますが、
その場合はシートの耐久性より、接着剤の耐久性が問題となります。
ですがCACICOの場合は、熱溶着ですから、言葉通り「一体化」します。
きっちりと施工されていれば、材料と継ぎ目の耐久性が同じになるのです。
では、その溶着の写真を・・・
温風機(高温の出るヘアドライヤーですね)と、ころころローラーでくっつけていきます。
手元をアップするとこんな感じ。
ものすごく地味な作業ですね。この作業を確実にこなすことで、長寿命な屋根が出来るのです。
リフォームで屋根の強化
- 2013年10月9日 11:55 PM
- 「かしこい家」の性能
建物にとって、メンテナンスは大切です。
で、今回は築歴20年未満ですが、屋根のリフォームの物件です。
一般的に「シングル」と呼ばれるもの。
アスファルトルーフィングの上に仕上げ材を接着している、リーズナブルな仕様です。
飯野山がきれいに見えますね。
色むら、つまり白いところはゴミが付着しているのではありません。
仕上げ材が剝げて欠落しているのです。
これでは将来的どころか、直近の防水も不安です。
なので、今回はCACICOの提案するサーナルーフでリフォームする運びとなりました。
こちらの商品、簡単に言うと塩ビのシートですが、ただの「塩ビ」ではありません。
日本の一般材料が10年程度の耐久性しかないのに対して、その3倍以上の耐久性があるという優れものです。
詳しくは以前ブログに上げていますので、是非ご覧下さい。
この写真を撮影したのは、ほぼ1週間程度前です。
10日は大阪から技術指導員が来ているとのことなので、朝から行って参ります。
鹿児島にて
- 2013年10月8日 11:55 PM
- 「かしこい家」の性能
最近、ブログ更新ができていませんでしたm(_ _)m
呼ばれたら、どこでも行こう。
と決めているので今回は鹿児島に行ってきました。
以前「汚れない漆喰」の話をしたと思いますが、
その下地としてCACICOの防水材が使えないか?
という問い合わせでした。
以前も書きましたが、無塗装のサイディングは塗装の下地だけの状態です。
そこに「サイディングの継ぎ目が嫌」と言うことで、
目地のパテ処理をして塗り壁をすると・・・
パテ処理をした所としていない所で、水分の吸い込み量が変わってしまい、色むらが出たそうです。
その対策&防水性能の向上で、CACICOの防水材が選ばれたのです。
外壁メーカーの方が、カットサンプルまで製作していました。
偉いです。
無塗装のサイディングの目地をつぶして、塗り壁仕上げ。
これは一般的に「サイディングを使った大壁工法」と言います。
大メーカーを始め、いろんな挑戦が行われているジャンルです。
本当に目地が隠れるのか(長期的に)というのがポイントですね。
サイディングというのは(当然ながら)固いです。
左官塗りにおける、固い下地の欠点は、
構造体のねじれや揺れによる「応力」が、継ぎ目に集中する。
これをいかにして解消するかが課題なのです。
今回、「目地を消す」という役割は、CACICOには関係ありませんので、一安心です。
さてさて最後になりましたが、CACICOの外壁は「応力の集中」をどのように解消しているかをご説明します。
ポイントは、「仕上げ材より下地材が柔らかい」事です。
「メッシュで固まったモルタル」と「断熱材」であれば、どう考えても断熱材が柔らかい。
つまり、下地材が緩衝材となってくれるのです。
なかなか理にかなっているシステムだと思います。
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