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2015年12月のアーカイブ

玄関土間の快適

前回、玄関土間の温熱環境が良くない。という話をしました。

すいません、大分前ですね。

これを解決する手段は、暖房するしかありません。

あまりに直裁な回答なので、「な~んだ」感が強いかも知れません。

「滞在する場所」ではない玄関に何故暖房?

と思われる人もいるでしょう。

ですが、温度コントロールを「部屋」ではなく「建物全体」と考えると見え方が変わってくるのです。

歴史的に見ると暖房は、

局所→居室→建物全体

と範囲が広がっています。

局所とは採暖の事で、囲炉裏やコタツ的なモノ。

かざした手や、足だけを温めるのであり、身体全体が対象ではありません。

それがエアコン等の普及で、「居室」まで広がったのが現在。

で現在の課題は、「居室外」の温度なんですね。

廊下が寒い、脱衣室が寒いが原因で、ヒートショックが発生する。

と言う事をお聞きになったことがあると思います。

 

ちょっと話が逸れますが、冷房の話をします。

冷房、つまりエアコンは、出来るだけ高い位置に付けるのが正解です。

これに異論がある人はないでしょう。

何故なら、冷気は低くに流れるから。

で、その理屈でいけば、暖房は

一番低い所に付けるのが正解。

何故なら、暖気は上昇するから。

なので

以前なら床暖房に人気があり、

最近の(一部ですが)流行りは、基礎断熱を取り入れた上で、床下エアコンなんですね。

さて、玄関土間の話に戻ります。

玄関土間は普通仕上げがタイルで下地がコンクリート。

つまり床下空間(空気層)がありませんので、床下エアコンでは対応できません。

なので、玄関土間を暖房したいのであれば、埋め込み式の暖房しかありません。

 

一般的な床暖房と言えば、フローリングの下に放熱板を敷き込むタイプ。

ですがコンクリート下地&タイルという仕上げでは使えません。

唯一の方法は

コンクリートの中に温水管(架橋ポリエチレン)を埋め込む温水式床暖房です。

木と違ってコンクリートは熱を大量に蓄熱できるので、

宅内の一番低い所がジワッと暖かいという状況が作れます。

今まで「早く通り過ぎたい場所」が、「ほんわかと暖かい場所」になるのは、

なかなか新鮮な感じがします。

もちろん玄関土間を床暖房したからと言って、家全体が暖かくなる訳ではありません。

ですが究極の目的は

家の中の温度を(できるだけ)均一にする。

事な訳ですから、一番冷たいところを暖める。

と言うのは理にかなっているのです。

さて、玄関土間を暖めた実感ですが、

靴が暖まっているのが結構ポイント高かったです。

出かける時に靴が暖か。と言うのは、織田信長になった気分になれますよ。

家で一番冷たいところ

家の性能によらず、室内でもっとも冷たいところは何処でしようか?

あっ、冷蔵庫の中は無しですからね。

それは玄関の土間です。(CACICO想像)

理由は、

①家の中で一番低い場所

②大きな開口、つまり玄関ドアがある

③コンクリート下地+タイル

④居室じゃないので真面目に考えない

と言うところですかね。

快適空間の達成には、建物内の温度ムラを減らす必要があります。

ですが、暖かい空気は上昇する訳ですから、どうしても上下階の温度差は発生します。

その時に一番低い位置が玄関土間です。つまり①

建物の高断熱化を進めれば、上下階の温度差は緩和の方向に向かいますが、

それでも温度差は発生します。

しかも人間は勝手なモノで、1℃温度差があると暑い寒いを感じます。

仕上げ材(壁・床・天井)の中で、床は唯一直接触れる場所というのも影響しているでしょう。

なので旧来は床暖房、最近では床下エアコンなどが登場するのです。

床下エアコンは、日経ホームビルダーの最新刊(11月号)でも大特集されていました。

話が逸れましたね。

②も結構重要です。

冬に窓を開けない人は多いでしょうが、玄関ドアを開閉せずには生活できません。

なので熱のロスは、玄関ドアに集中するのですね。

その上、壁面積と開口部(玄関ドア)のバランスでは、他の部屋と比べて

開口部の割合が大きいため、断熱的にも不利。

しかもその開口部は、ほぼ日射取得が期待できないというおまけ付きです。

③の床がコンクリート下地と言うのも実は大事(オオゴト)。

玄関の床周りは、どんな工法でも断熱しづらいのですが、

特に、うどん県でも大多数を占める従来式の床断熱工法では、

大きな断熱欠損部位になっていることがほとんど。

④に絡みますが、玄関は外履きなので、室内では無いと考えているのかも知れませんね。

と、大きく風呂敷を広げてみました。畳むのは次回にします。

太刀魚をいただきました

いつもお世話になっているN住宅の社長さんから、太刀魚をいただきました。

ご自宅に伺うと、大ぶりのクーラーに太刀魚が大漁状態。

「クーラーBOX貸してあげる」

と言うなり、大ぶりの太刀魚を、ドンドン投入。

さて今日のご飯は「太刀魚料理」です。

刺身や塩焼きも捨てがたいが、

ワインを飲みたいので洋物

と言う事で、太刀魚のソテー。

IMG_5283_DxO

身がプリプリで美味しいです。

お裾分け先からも、絶賛の電話がかかってきました。

Nさん、有り難う。

90mm断熱材の貼り終わり

IMG_0005275_DxO

湿式外断熱を、接着式にするメリットの一つに厚みの自由度があります。

EPS(発泡スチロール)という材料は、なにせ軽いです。

なので、厚みを増やしたからと言っても、重量はあまり変わりません。

嵩張って仕事が面倒ではありますが、固定に対する不安は一切ありません。

ただし(一般的に多い)ビスで固定する、となったら話は違います。

断熱材より長いビスが必要になりますからね。

さて、今までCACICOが貼った事のある断熱材の厚みですが、

標準は5センチ、ですがバリエーションとして

3センチ、8センチ、10センチ、15センチの経験があります。

断熱材メーカーは、「何センチ」と指示をすればその厚みで届けてくれるのです。

大きな塊から切り出すので、寸法は自由自在。

今回は初の90mm、つまり9センチを貼りました。

厚みの選択理由は様々。

断熱材の性能のこともありますし、コストもあります。今回はデザイン的な欲求でした。

造り手としては、「ロス」を考えるので、厚みは統一して欲しいのが本音ですけどね。

快適な家とは何か

快適とは何か?

温熱環境だけに絞れば

実は簡単に数値で表せる事に気づきました。

夏 温度27℃  相対湿度38% (絶対湿度8.44g)

冬 温度22℃  相対湿度50% (絶対湿度8.23g)

春と秋は、上記の間をゆっくりと遷移。

これが快適な室内環境。

好みによる細かい数値の違いはあるでしょう。

夏の気温が高すぎるとか、冬は20℃で良いのでは、とか・・・

その辺りは趣味の差として考えて下さい。

なので、この近似値を

①気流を出来るだけ発生させず

②建物内部に温度・湿度ムラが少なく

コントロール出来る家

が快適な家と言って良いかと思います。

 

とサラッと書きましたが、これは何もしないで達成することは出来ません。

冷房、暖房、除湿、加湿、日射遮蔽、日射熱取得の全てが関係しますので

コントロール(制御)が必要となります。

ですが、逆に言うと可能です。

今回は短めで。

改めてデシカと熱交換換気の違い その4

CACICOが規定する「熱交換換気」とは、

温度・湿度共に、別の何かで正常範囲内に保たれている事が前提で、

それが出来るだけ破綻しないように換気する器機。

何か回りくどい表現ですいません。

要点は

熱交換換気は、積極的に温度や湿度を快適に近づける器機ではない。

と言うこと。

ですが、多くの人がここを勘違いしている。

しかも、これはとても優しい表現です。

その3で触れたように、湿度を破綻しないよう換気出来るかどうかは

非常に疑問。

なので厳しめに言うと「湿度」は削除されます。

温度が、別の何かで正常範囲に保たれている事が前提で、

それが出来るだけ破綻しないように換気する器機。

と言うところでしょうか。

一方、その表現でデシカを表すと

室内の湿度を、快適範囲内に制御し続ける換気器機

となります。

Low-Eガラスと紫外線の実証

IMG_5239_DxO

リビングのカーペットをめくってみました。

床材はコルクですが、左上から斜めのラインで色が変わっています。

当然、右側がカーペットの下です。

Low-Eガラスの性能が低い。

と言いたい訳ではありません。

どちらかと言うと「太陽熱すごい」と感じました。

築1年。日射が差し込んだ期間は、数ヶ月なんですけどね。

改めてデシカと熱交換換気の違い その3

前回の落ちが、

湿度コントロールにおいて全熱換気は役に立たない。

でした。

今回はその説明を。

熱交換換気における熱交換は、「成り行き制御」と言う話を以前しました。

室内が正であり、出来るだけそれに合わせるのが、熱交換の真実。

で、湿度も同じ事が言えます。

室内の湿度が正であり、それに近づける努力をする。

と言うのが全熱換気の湿度交換なのです。

なので例え夏であろうとも、

屋外より室内が高湿な場合は、室内の高湿度を守ろうと動きます。

そんな状況は極端かも知れませんが、

湿度の交換効率は70%とか80%であり、

湿度が入ってくることに変わりはありません。

ですから夏に低湿度をキープしようとすれば、

(例えばエアコンで)除湿→少しずつ湿度が増える→除湿→少しずつ湿度が増える

というように除湿を続ける必要があります。

その上室内で人が発生させる湿度も馬鹿にできません。

以上のような理由で、

顕熱より全熱の方が理屈上「湿度コントロールに有利」なハズなのですが、

人が「体感できるほど有利」だとは思えないのです。

あくまでCACICOの想像ですけどね。

改めてデシカと熱交換換気の違い その2

前回、「高断熱+熱交換型換気扇」の家を

除湿器や加湿器等の機器で、湿度をコントロールし易い家。

と評しましたが、この話をもう少し詳しく。

湿度をコントロール出来るには前提条件があります。

それは

気密住宅である事と、結露しないサッシ

それと集中ダクト方式の24時間換気

でしょうか。

どれも「高断熱」を名乗るのであれば、当たり前の仕様です。

で、これより後、設備側・仕様側において、

より一層湿度をコントロールしやすくする改善手段はありません。

(換気が全熱だ顕熱だ、という話は抜きにしています)

湿度に関しては、これ以上出来ることがないのが現状です。

 

住宅の性能は、断熱材の厚みを含むQ値、今で言うUa値で決まります。

でこの値によって性能が高い低いと言う話になるのですが、

それはあくまで温度がコントロールし易くなるだけのこと。

(それが大切な事は言うまでもありませんが)

決して湿度がコントロールし易くなるのではありません。

逆に、「性能が良いから、エアコンが良く効く」という話を聞くと、

エアコンの稼働時間が短い、と言うことは除湿の時間も短い訳で、

低温、高湿度になるのでは?

という疑問が湧きます。

暑くて困っていた人にとっては「とても良い進歩」には違いありません。

ですが、

「温度はこれぐらいで良いから、除湿だけしたい」

という欲求がクローズアップされるのだと思います。

この対処策が「全熱換気」かと言えば、CACICOとしてはNoですね。

改めてデシカと熱交換換気の違い その1

デシカとの生活も2年目に突入しました。

一通りの季節を経験したので、ちょっとまとめてみたいです。

本来であれば、

「高断熱住宅+熱交換換気」と「高断熱住宅+デシカ」の違いをはっきりさせたいところですが、

CACICOには「高断熱住宅+熱交換換気」の経験がありません。

なのであくまでCACICOの想像レベル。

 

人にとって快適とは、温度と湿度が基準内に収まっていることですね。

まず温度から

高断熱住宅というのは、温度調節が容易い住宅とも言えます。

でもって、断熱性能の向上とコントロールしやすさは正比例の関係。

ドンドン高性能にしていけば、どんどんコントロールし易くなります。

調節自体は必要ですけどね。

一方湿度です

これは、ある時点で頭打ち。

性能をいくら上げても湿度環境の改善には繋がりません。

極端に言えば、

ある時点より前は、湿度コントロールが難しい家

であり、

ある時点より後は、湿度コントロールが可能な家

なんですね。

性能を上げると言っても、断熱性能は熱に対するモノで、

湿度の対する性能ではないのですから、当然と言えば当然。

なので

「高断熱+熱交換換気」の家は、

温度コントロールがし易く、湿度コントロールが可能な家

「高断熱+デシカ」の家は、

温度コントロールがし易く、湿度は快適な家

と言う事が出来ます。

温度に関して同じ言い回しになっていますね。

換気のシステムが違うのですから、同レベルでコントロールし易いかどうかは不明です。

デシカより熱交換換気の方が、コントロールし易いかも知れませんが、

そこにあるのは程度の差でしかありません。

 

一方湿度に関しては全然違います。

「高断熱+熱交換換気」の家は、

除湿器や加湿器等の機器で、湿度をコントロールし易い家

であり、

「高断熱+デシカ」の家は、

湿度調整の機械無しで、適切な湿度を保つ家

と言う違い。

これって全く別物と言って良いでしょう。

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