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CACICOウォールのアーカイブ
300メートル終了!!
- 2018年5月17日 11:40 AM
- CACICOウォール
300メートル、無事完走しましたので、記念撮影です。
丸1日以上かかってしまいましたが、なかなか綺麗に出来たと思います。
軒天を貼った大工さんも、大変苦労していましたね。
家博のモデルハウスですので、ご興味がある方は自由にご覧になります。
と言っても、今すぐではなく2018/6/30からです。
詳しくはリンク先をご覧下さい。
出隅の長さは300メートル
- 2018年5月13日 11:55 PM
- CACICOウォール
先日の続きです。
300角の柱の仕上作業を行っています。
柱8本と、それに連なっている梁をコテで仕上げています。
角(出隅や入隅)があると作業は複雑になっていきます。
隅の処理が追加されると考えて下さい。
柱は、出隅の固まりと言っても良く、その出隅、専用の出隅ゴテで仕上げます。
作業としては、こんな感じ。
例えば真四角な家ならば、出隅は4箇所。
ですが柱一本にも、出隅は4つあるのです。
つまり
真四角な家と柱一本は、出隅の数が一緒なのです。
(長さは違いますけどね)
今回の場合、柱が8本あるので、出隅は32箇所。
3メートルの柱ですから、3M×4箇所×8本で、256メートル。
これに梁を加えると300メートルを超えます。
書いているだけでお腹いっぱいな感じです。
独立柱を太くする方法
- 2018年5月10日 4:19 PM
- CACICOウォール
木造住宅の柱は、普通3.5寸か4寸が主流です。
センチに直せば、10.5㎝と12㎝。
大きな屋根が飛び出している為、軒先に独立柱が必要。
強度的には3.5寸で問題ないのですが、
「デザイン的に美しくない」というオファーで、図面に書かれていたのは30㎝角でした。
独立柱の本数は、何と8本。
さて10.5㎝角を30㎝角にするのはどうすれば良いでしょうか?
普通であれば、木の下地を取り付けてから、透湿防水シート+外壁。
という流れですが、CACICOWALLは違います。
30㎝角の発泡スチロールを半割にして、挟み込むことにしました。
まずは柱を防水します。
でもって、工場で加工した断熱材で、モナカのようにサンドイッチ。
柱の長さが3メートルほどあったので、上下に2分割しました。
全部取り付けた所。
これからモルタルで被覆していきます。
この方法の長所は、構造材が外部環境の影響下に無い所。
完全な防水と平均9.7㎝の断熱材に覆われているのですら、室内の柱並みに快適なハズ。
設計士の目的はデザインだけなんですけどね。
下地まで終了しました。柱上部の梁も同じように断熱材で覆って10.5㎝を30㎝にしています。
ほぼ真っ白で仕上げる予定ですが、できあがりが楽しみです。
革新的ものづくりに挑戦
- 2017年1月21日 3:32 PM
- CACICOウォール
先週の火曜日は(1月17日)、中小企業庁が募集している補助金の締切日でした。
タイトルは、「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」
簡単に言うと、「何か新しい事して売上伸ばしたい」と考えている中小企業に対して、
「ええ話やったらお金の援助しまっせ。」というお話です。
お金のネタは、何故か関西弁がピッタリきます。
CACICOは、住宅外壁が仕事なのですが、施工上の問題点を解消するために、
特殊形状の樹脂部材が以前から欲しかったのです。
でも市販品にそのようなモノはなく、自分で作ろうと。
結論は、「とってもお金がかかる」ということでした。
樹脂の加工方法は、柔らかくした材料を「型」に流し込んだり、思いっきり圧力(プレス)をかけます。
なので「金型」という、金属製の型枠が必要。だけどこの金型製作費用が取ってもお高い。
そんなこんなで、金型開発の資金を補助金で・・・と思い立ったのです。
補助金の説明会があったのは、昨年の11月21日。
なので、それ以降「補助金獲得」の為のプレゼン文章を考えていました。
まぁ、日々考えていた、と言うのは嘘ですが、CACICOの脳はシングルタスクなので、
「文章を作る能力」は、ほぼ集中してましたね。
さて国の補助金制度ですから公の相談窓口もあり、いくつか訪問してみました。
補助金の申請なんて行った事がないからです。
尋ねて行くと、開口一番
「合否は有識者が判断するんだけど、多種多様な内容を少数メンバーが判断するので、
専門的な話は理解できないと考えてね」
と言われました。
そりゃそうですよね。ジャンルは無限大ですから、ニッチな話をして解ってもらえるはず有りません。
で、担当者さんはCACICOの書いたタイトルでいきなりの突っ込み、
「接着式外断熱外壁・・・って何? 建築業界じゃ普通に使う言葉なの?」
「いやぁ、・・・建築業界でも通用しないです」
「だったら、なおさらダメだねぇ。うん、この単語は目が滑るよ。もっと簡単で分かりやすい表現にしないと」
こんな感じで、プレゼン資料との格闘が始まったのです。
初めての補助金チャレンジ。その結果は・・・
3月ぐらいに結果が出るみたいですが、まぁ期待しないで待ってます。
曲面外壁の施工
- 2016年8月8日 11:55 PM
- CACICOウォール
壁に曲面、つまりアールが欲しい。
と言う要望がありました。
曲面と言っても、いろいろですが、
今回は外壁から軒先にかけて、大きくアール加工が欲しい。
と言うとっても特殊な要望。
アールの全長は、30メートルを超えます!!
発泡スチロールの特徴は、何と言っても、その形状の自由度です。
どんな形にでも加工が可能。
しかも軽いですから、建物への負荷を考える必要がありません。
どちらかと言うと、断熱材が厚くなる分だけ快適性能がアップするでしょうね。
今回準備したのは、こんな感じです。
一つの全長が、2メートル有るのですが、これと、役物を準備
これでも、一部分ですが、手前に転がっている4つが役物です。
外壁施工と言うよりは、原寸大の模型を作っている感じ。
一番問題と考えていたのは、斜めの屋根と水平の屋根が当たる出隅です。
現場合わせだと美しくできないと判断して、工場で加工してもらいました。
上手に説明できなくて恐縮ですが、
水平と3.5寸の勾配ラインを取り合わせるのが大変なのです。
なので、一個だけ作成して、現場あわせをしてみました。
3Dキャドで設計して加工してもらったのですが、高さが15mm長かっただけで、
バッチリと収まりました。
加工精度と、大工さんの現場精度に感謝です。
さて、その上で施工の開始。
まずは、キーになる役物から取り付けます。
後から作業しづらい場所や補強が必要な場所は、モルタル&メッシュで固めています。
役物を取り付けてから、間を埋めていく作業です。
アール感が伝わるでしょうか?
後ワンピースで、この曲面は終了です。
こちらのお家は、色んな曲面があるので、引き続き紹介していきますね。
特注品の到着
- 2016年6月23日 10:36 AM
- CACICOウォール
CACICOウォールの特徴は、下地が断熱材であることです。
で、快適性能だけが取り上げられがちですが、「形状」も大きなポイントです。
例えば、以前作った物件ですが
こんな形状ありますよね。
CACICOの場合下地は、こんな感じです。
発泡スチロールの加工品。
現場に合わせてぴったしサイズで注文しています。
さて、このような飾りをモールディングと総称します。
このモールディング、材質はいろいろですが、
特注品に関しては発泡スチロールが多いです。
理由は製造過程にあります。
一般的なモールディングは、型枠があってそこに樹脂成分等を流し込んで作ります。
つまり、「デザイン→金型作成」という過程が必要。
この金型作成にコストがかかるので、ある程度「数」を作る必要があるのです。
一方、発泡スチロールだと、「デザイン→加工機へ入力」で、OK。
金型という過程がまるっと省略できるので、早くて安いのです。
さて、この特注品は、CACICOの現場でも登場します。
今回は、こんな形で納品されました。
発泡スチロールの固まりを熱線で加工しているのですね。
何本か抜き出してみると
なんか、パズルみたいですね。
とりあえず、全部抜き出しました。
一本だけアップにすると、
こんな断面形状です。
建築で言う、パラペットの笠木を特注したのです。
どのように使うかと言うと、
こんな風に収まります。
取り付け方は、当然のCACICOウォール方式。
つまり接着です。
一般的にはビス留めなんですが、防水や長期的な耐久性は接着方式が有利。
今回は、完成してしまえば目立たない場所。
なんですが、美しく作りたいので、特注品を使ってみました。
世界で一番幸せな袖壁
- 2016年6月4日 7:01 AM
- CACICOウォール
高断熱住宅に必要なもの。
その一つが、日射遮蔽目的の庇です。
さて、庇の出巾というのは、木造住宅ではなかなか難しいのです。
簡単に言うと、強度の確保が大変なのです。
その時、外部に独立柱とか袖壁があれば、強度の問題が解消できます。
こんな感じですね。
これは三協アルミのカタログから拝借しました。
玄関庇を長くだす。その強度を保つために柱(や袖壁)を建てる。
構造的には理にかなっていますが、
気になるのは、この柱(や袖壁)の長期的な耐久性です。
この写真を見て下さい。
玄関先の庇を支える袖壁の工事中です。
緑色は、構造体を守る防水層、
この防水層を傷つけないように、ビスではなく断熱材を接着しています。
8㎝の断熱材でサンドイッチされているため、壁の厚みは約30㎝。
(普段は5㎝の断熱材です。その時の壁厚でも24㎝)
このような独立壁を作る場合、一般的には外部環境となります。
一方、CACICOウォールの場合、
柱や合板等の構造材の全てを防水層と断熱材で覆うため、
構造体内部の温湿度変化は、もの凄くゆっくりしたものになります。
構造体の快適は、必ず構造体の長寿命に繋がります。
タイトル通り、世界で一番幸せな袖壁だと思いますね。
外壁の高性能化が始まっています
- 2016年5月5日 2:19 PM
- CACICOウォール
LIXILのスーパーウォール工法のニューバージョンが発売開始となりました。
スーパーウォールとは、体力面材と断熱材が一体化したパネルなんですね。
で、新バージョンとはこちらです。
「スーパーウォール デュアル」と言う名称。
外側に足すのが EX (イーエックス)、内側に足すのが IN (アイエヌ)ってそのままですね。
内側は30mmで、外側が50mmなので、外側がメイン商品だと思います。
これ、何かというと、
充填断熱(壁の中)だけでは性能が限界だから、外側に足すね。
と言うことなのです。
ご興味の向きは、ニュースリリースをご覧下さい。
以前、断熱は内が良いか外が良いか、とメーカー同士が争った時期がありました。
内とは、充填断熱のことで、構造体の間に入れる方法。
LIXILのスーパーウォール工法も充填断熱です。
でもって外とは、外張り断熱のことで、構造体の外側に貼ります。
この戦いは、シェアで言うと充填断熱の圧勝でした。
簡単にまとめると、
理想的には、外張り断熱の方が有利。
外壁面において、構造体の占める面積は約2割あるため、これが断熱欠損になるからです。
ですが現実としては
外張り断熱の外側に外壁を取り付けるため、断熱材の厚みに限界があります。
と言うか、
断熱材の厚みだけ重い外壁を外側に持ち出す事になるため、
断熱性能アップと外壁の耐久性がトレードオフな感じになるのです。
と言う訳で、外張り断熱はマイナーな存在。
ですが、ここに来て状況が変化しました。
それは
「お国の目標値を目指したら、壁の中だけだと、断熱足んないよね」
という状況。
室内側に足すという選択もありますが、その分だけ部屋が狭くなります。
→スーパーウォール工法において、内側に足す断熱材が薄いのは部屋の広さを守る為。
ですので高性能化の主流は、充填断熱+外張り断熱となります。
そうです。以前、
外壁の耐久性に不安があるから、選択しなかった外張り断熱をオプションとして取り入れたのです。
もちろん断熱的には良い話なのですが、
以前LIXILをはじめとする充填断熱メーカーが指摘していた、
外張り断熱の欠点を何も解消せずに使っているとしたら、困りものです。
具体的には、
平米で15kg以上もある外壁を、現状より外側に持ち出すのですから、
当然ながら、持ち出さないより確実に「不利」になります。
LIXILさんのことですから、何らかの対応策を取っていると思いますので、
導入に関しては、その辺りは確認したいポイントですね。
通気層とドレイン層の混同
- 2016年3月13日 9:12 AM
- CACICOウォール
通気層は、積極的に空気を動かす事を求められます。
目的としては、湿度・熱の放出、雨水の排出ですね。
一方ドレイン層は、静止空気です。
目的としては、湿度の放出と、雨水の排出。
違いは、熱を動かさない事だけだったりします。
目的はほぼ同じに見えますが、温度という点で全く違います。
通気層の場合は、外気温以上に温度変化があります(特に夏)が、
ドレイン層は、断熱層の内側となるので、温度変化はずっと少ない。
この2つ、建築基準法的な違いがあるかと言うと・・・実はありません。
それは、通気層の必要開口寸法が規定されていないから。
現実的には15mmとか18mmなのですが、
これはあくまでも胴縁やサイディングを固定する金物のサイズ。
通気に対しての必要条件ではありません。
さて、ここで困った事態が起きます。
CACICOウォールは、区別をするために非通気工法と説明します。
その隙間は1~2mmであって、ここの空気は実際静止空気。
ペアガラスの内部は15mm程度なので、ドレイン層の7倍も広いですが、
この程度広くても、密閉空間であれば対流すら発生しません。
因みに空気層の空気が動くのは、上下に開口がある事と温度差が原因。
ちょっと脱線してしまいました。
困った事態とは、
法律上CACICOウォールの隙間は通気層になってしまうのです。
正確に言えば、通気を行わない通気層。
なんやねんそれ、って感じですね。
ですが通気層の規定が無い以上、隙間があれば通気層。というのが法的解釈。
誰かルール分けしてくれないですかね。
絆創膏と外壁の関係
- 2016年3月12日 7:36 AM
- CACICOウォール
前回は、絆創膏の話でした。
この絆創膏ネタ、実はもの凄く大きな問題が背後にあります。
医療行為における「消毒」の必要性が激減するレベル。
ですが、まぁその話は置いといて
前回のまとめです。
一般的な絆創膏は、
皮膚表面を外部環境にする事を目的としています。
ホントは覆いたくないのです。だけど実生活上無理なので消極的に貼ります。
高級絆創膏は、
皮膚表面を外部環境から切り離す事を目的としています。
特に乾燥を防ぐために、通気させない事が目的ですから、積極的に貼ります。
で、改めて
これって、実は外壁の構造とよく似ているのですね。
絆創膏が外壁で言うところのサイディングと考えて下さい。
絆創膏の使命をサイディング風に書き直します。
一般的な絆創膏
外界から傷口を守るシェルターでありつつ、傷口を乾燥させるための通気は必要。
まんま通気工法だと思いませんか?
高級絆創膏
外界から傷口を守るシェルターであるし、傷口も外部の自然環境から切り離したいため、通気は不要。
こちらは非通気工法、つまりCACICOの行っている接着式外断熱です。
現在主流の通気工法は、名前の通り、サイディングと防水層の間を積極的に通気させます。
その進化は、以前サイディングの誕生でまとめた通り。
複層構造の外壁ゆえに、防水層が必要とされ、
漏水防止の観点から空間を空けるようになり、
結露対策で防水シートに透湿性を開発し、
空気を積極的に動かす。
そして最新トピックスは
夏場の逆転結露を防ぐために、室内のベーパーバリア(防湿層)に調湿機能を設ける。
一つ一つはごもっともで、目的に対して誠実なのですが、
何かボタンを掛け違えている気がするのです。
さて、ここから勝手問答をしてみます。
Q 何故、通気をしないといけないのか
A 構造体内の湿気を放出しないと、結露が起こるから。
と言うのが模範解答。
Q 何故、結露が起きるのか
A 耐力壁は(透湿防水シート越しに)外気に接しているため、温度が低いから
これも正しい解答です。では引き続いて
Q 結露が起きないように出来ないのか?
A 室内側の防湿層は完璧では無いため、構造体内へ水蒸気が入る事をゼロにはできない。
なので、不可能。
ですよね。では質問を変えましょう。
Q 耐力壁の温度が露点を下回らないとしたらどうか。
A 通気工法では、不可能な前提である。
と言う訳で話は平行線を辿るのですが、あえて続けます。
何らかの手段で、耐力壁の温度を確保(露点まで下げない)出来るとしたら、
構造体内に水蒸気が入って来ても結露は発生しません。
傷口(防水層)を過酷な自然環境にさらす行為を、通気と呼んで「良い事」とする意味が無くなります。
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