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2016年5月のアーカイブ

早い者勝ち? その2

その1の続きです。

ドイツの余った電力を、有料で引き取ったのは誰でしょうか?

それは、電力系統が繋がっている隣国だと思われます。

ドイツは9つの国と国境を接しています。

オーストリア、オランダ、スイス、チェコ、デンマーク、フランス、ベルギー、ポーランド、ルクセンブルク

各国の細かい電力事情は知りませんが、

ヨーロッパでは、国境を越えて電力の売買をするのが常識。

ここが日本とドイツの決定的な違い。

日本には、電気を売り買いできる、送電線続きの隣国はありません。

何せ、島国ですからね。

ドイツの話に戻ります。

今回、隣国にお金を出して引き取ってもらった電力。

これにも、固定の買取価格が適用されます。

つまりドイツの電力会社は、

再エネを固定価格で買い取った上で、お金を払って他国に引き取ってもらったのです。

確かに、再エネの買取価格は、年々下がっていますが、

FITと呼ばれる全量買取は、契約年の金額で20年間固定ですし、

なにより絶対量の増加が半端ないのです。

201402211637319df

とっても右肩上がりですね。

さて、一般家庭の負担ですが、2013年には、下記の数値。

20140724122623416

ざっくりと電気料金の20%近くが、再エネ賦課金。つまり再エネを買取るための費用。

(右側の単独グラフは、ドイツ外へ輸出した電気の平均価格)

 

日本に戻って、四国電力さんの請求書にも、当然ながら同じものがあります。

s-20160527_DxO

13,425円の中には、再エネ発電賦課金は1,111円が入っています。

って、

すでに8%に達しています。

知らない間に・・・ちょっとビックリです。

確認と思って、先月分を見ると。

再エネ賦課金の単価は、28年5月から値上がりしていました。

と言うか、毎年同じタイミングで単価が上がってました。

            ~27年4月  ~28年4月  28年5月~

最初の11kWhまで   8.25円 →  17.38円 → 24.75円

上記を超える1kWh   0.75円 →   1.58円 →  2.25円

電気料金に占める割合は、CACICOぐらいの使用量だと、

2.6% →  5.8% → 8.2%

と、うなぎ登り。(なんか、消費税の上がり方と似てますね)

 

またまたドイツの話に戻ります。

繰り返しますが、再エネは勝手に発電する上に、全量優先買取。

なので、

電気の市場価格を低下させ、

(電気の卸価格の変動です。消費者の電気代とは違います)

火力発電所が経営難になり、

(総発電量が激減。時々ちょっこっと発電じゃ、普通赤字ですよね)

かかった費用は消費者負担。

(再エネの費用は、消費者の割り勘です)

というのがドイツの現状でしょうか。

いったい誰が得しているのでしょうね。

これ以上、再エネ率を上げたらどうなるのか?

社会実験としては、とても興味があります。

 

一方、日本は自国なので、お財布レベルで気になります。

政府が方針を変えない限り、再エネ発電賦課金が増え続けるのは確実。

ドイツの再エネ率に日本が近づくのは、地理条件的に不可能。

ですが、

賦課金の割合では、あっさり逆転したりして・・・

こちらは結構ドキドキです。

早い者勝ち? その1

現在、世界(?)で「再生可能エネルギー」がブームですが、

電力業界には、絶対的なルールがあります。

それは

同時同量の原則。

発電する量と、消費する量は同じじゃないとダメなのです。

さて一方、再生可能エネルギーとは、発電量が変動する成り行き発電。

正確には、間欠&変動発電と言ったら良いのですかね。

(変動だけではなく、止まり事もあるよと・・・)

全体に対する割合が少なければ、笑って済むのでしょうが、

先日取り上げたように95%とか100%とか言い出すと、だいぶ恐いです。

ドイツには再エネに関する目標値があります。

エネルギーの割合を

2020年までにを35%

2030年までに50%

2040年までに・・・

5年、10年単位で少しずつクリアしていく予定。

現状(2015年)は30%ぐらいみたいです。

で、話を戻すと

年の平均が30%程度なのに、瞬間的には95%にも達しましたよ。

これが、再生可能エネルギーという成り行き発電の本質。

電気の必要量は、季節と時間帯によって変動します。

安定的な電力供給とは、

季節と時間による使用量の変動を予測して発電計画を立てること

なのですが、

ドイツの現状は、それにプラスして

再エネの発電量を、天気予報の「日射量と風速」から推定して、

火力発電の出力調整をしないといけないのです。

ドイツの記事に戻ると

達成したのは5月8日の日曜日。

工場の稼働もなく、暖房も冷房も必要がない季節において、

晴天&強風が重なった結果95%が達成。

これだけなら良かったね。と思う人もいるでしょうが、

その後に続く文章が問題なのです。

ドイツの電力各社は、こうした事態の発生を受けて、再生エネルギーに対して一時的にマイナスの買取価格を設定することで需給バランスの掌握に務めた。

電力の必要が少ないところに大量の電気が発生してしまったので、マイナスの買い取り価格、

つまりお金を払って引き取ってもらったのですね。

はたして誰に?

連載漫画みたいな終わり方ですいません。

次回に続きます。

ポルトガルと再生可能エネルギー

再生可能エネルギーってありますよね。

このジャンルの先進国はヨーロッパですが、最近のニュースを二つ。

ドイツ、再生可能エネルギーによる発電量が、一時的に総需要の95%iに

ポルトガル、一時的に再生可能エネルギーの依存度100%を達成

記事の抜粋です。

ドイツで8日午前11時、ソーラー発電、風力発電、水力発電、バイオマス発電を合計した再生エネルギーによる発電量が一時的に57.8 GWに達し、電力総需要量の95%に達したことが判った。

8日午前は、ドイツ全土が晴天となり、ソーラー発電量が増加したこと、更に、ドイツ全土で強い風が吹くことで、風力発電量も増加したことが、一時的に再生エネルギーによる発電量が大きく増大する要因となった。

ドイツの電力各社は、こうした事態の発生を受けて、再生エネルギーに対して一時的にマイナスの買取価格を設定することで需給バランスの掌握に務めた。

 

ポルトガルで今月7日午前6時45分から11日午後5時45分までの4日半の間、ソーラー、風力、水力、バイオマスを合わせた再生可能エネルギーによる発電比率が全電力消費量の100%を達成したことがポルトガル国内紙の報道により明らかとなった。

春先は、暖房や冷房による電力需要が元々少なくなることに加えて、欧州では、このところ晴天で比較的風が強く吹く天候が続いており、ソーラー発電や風力発電に都合の良い条件が続いていることが、再生可能エネルギーの発電比率が大きく伸びる要因となっている。

ドイツ頑張っているなぁ、という感じですが、知らなかったのはポルトガル。

4日半の間、再生可能エネルギーだけ。と言うのもすごいですね。

でもポルトガルと言えば、PIIGSの一員です。

PIIGSとは、ポルトガル、イタリア、(アイルランド)、ギリシャ、スイスの頭文字。

ユーロで財政破綻の危険性がある国の頭文字ですね。

2014年の発表ですが、失業率16%、若年失業率42%と言う経済状況。

ギリシャの失業率27%、若年失業率56%と比べたら、少しマシですが、

若年、つまり25歳以下の4割以上に職が無い(因みに日本は8%)

というのは、ものすごい状況だと思うのです。

仕事をしないまま年を重ねると言うのは、

「社会人ではない大人」を大量に作り出してしまうのですよね。

さて、そんなポルトガルですが、どこにあるかというと、

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ヨーロッパの西端。

面積的には北海道より一回り大きいぐらい。

GDPも北海道程度で、人口は1000万人。(因みに北海道は約540万人)

主要な産業は、農業(ワイン、オリーブオイル)ぐらいでしょうか。

いわゆる大航海時代、植民地政策で国を大きくした後は

国内産業を発達させないまま、自国通貨を捨ててユーロに参加しています。

因みにドイツとポルトガルとのGDP格差は16倍です。

東京と北海道の格差は5.5倍(2012年度)なので、

日本の都道府県に置き換えると、東京と熊本ぐらいの格差。

(うどん県は熊本の6割強なので、対東京では24倍もの差が・・・)

何が言いたいかというと、

ポルトガルが経済的に発展したければ、同じ通貨を使っているドイツが競争相手。

その関係性は、

熊本と東京が、同じ土俵で経済競争するのと同じなんですね。

そりゃくまモンがどんなに頑張っても東京に勝てないように、

ポルトガルもユーロを使っている限り、経済的発展は見込めないです。

因みに日本では、東京と地方の経済格差を、地方交付金で解消していますが、

ドイツが自分の税金で、他国を救うことは無いでしょうね。

同じ通貨圏ですけど、国が違うのですから当然の話。

これが別通貨だったら話は違うのです。

ユーロ以前は、ドイツがマルク、ポルトガルがエスクードという通貨でした。

この状況で経済格差が付くと、マルク高、エスクード安となって、

ポルトガルの商品が、安く輸出でき、ドイツに対して価格競争力が持てるのです。

日本の円高で困った輸出企業が、円安で利益を出したのと同じ構造。

ですが、現状は同じユーロなので、通貨安による経済再生が一切望めないのが、

ポルトガルをはじめとする、PIIGSの弱みなのです。

さて、話を電気に戻しましょう。

再生可能エネルギー100%を達成した、電気料金はどうでしょうか?

世界で料金の高い順に並べてみます。

デンマーク、ドイツ、スペイン、イタリア、アイルランド、ポルトガル・・・

再生可能エネルギーに力を入れている国が上位を占めています。

この辺りの関係性は日を改めますが、

経済が苦しいのに、電気代が高いのは、国民的には厳しいですね。

湿度が気になる季節

建設現場は、もう真夏ですね。

現在進行中の現場を回るだけで、ドッと疲れました。

職人さん、お疲れ様です。

うどん県は30℃を超えたみたいで、5月なのに気分はもう梅雨明けです。

さて、これは本日(5月21日)正午の温度計。

s-IMG_5980

たまたまですが、室内と室外の温度が一緒でした。

これを絶対湿度に換算すると、

室内 6.77g

室外 10.41g

となります。

ちょっと湿度低すぎ。という気もしますが、

まぁ、ラフな温湿度計なので絶対値は気にしないで下さい。

ただ言えることは、外部から室内に入ると、とても涼しく感じました。

気温が全く同じなのにです。

これは以前も書きましたが、不感蒸泄と言う、

人が知覚しない皮膚からの水分蒸発が、とてもスムーズに行われたからです。

気化熱で身体が冷やされているのですね。

ここから夏に向けて、室内の温度はジワジワと上昇していくのですが、

昨夏、除湿目的でエアコンのスイッチを入れたことはありませんでした。

さて、今年の夏はどうなるでしょうか。

若冲320分!!

先日、東京都立美術館に若冲展を見に行きました。

その時も90分ほど並んだのですが、

5/18のシルバーデー(65歳以上無料)は、すごかったらしいです。

タイトルにも書いた通り、320分待ちというタイミングがあったそう。

5時間って・・・

しかし若冲の描く生き物達は、かわいいです。

日本人であれば、全員が立ち止まってじっくり見たくなる絵なので、まぁ列はなかなか進みません。

没後200年の若冲展(京都国立博物館・2000年)は、1ヶ月で9万6千人の入場者、

2006年に東京国立博物館で開かれた時は、2ヶ月弱で、約32万人。(日平均6500人)

今回は、日平均1万人で推移しているそうで、

開催期間の1ヶ月というのが、短すぎた感があります。

でも、今までで最高に作品が集まっていたので、体内の若冲濃度が大きく上がった1日でした。

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蛇足ですが、小学館は、若冲に力を入れています。

「子供はピカチュウ、大人は若冲!」

というキャッチコピーはとても秀逸。

レンジフードを考える その3

前回は、

気密が貧弱な建物は、強制同時給排の方が良い

という結論でした。

まずは高気密の定義から。

建築基準法には、気密の「気」も書かれていませんから、勝手解釈で行くと、

C値で0.6以下が目安かと思います。

 

さて、そんな高気密住宅で、同時給排タイプのレンジフードを使うとどうなるか?

当然ながら、室内は負圧になります。

どんな家でも気密の弱いところから漏気を始めるのですが、

高気密住宅と、そうでない住宅では

漏気箇所が違います。

高気密住宅の漏気箇所は、隠蔽部分ではなく、建具(窓や玄関扉)が主です。

何故かと言うと、隠蔽箇所からの漏気を感じるようでは、0.6という数値は達成出来ないのです。

一方、建具は可動しますので、どうしても気密的には不利。

調整によって、ある程度気密は確保出来ても限界があります。

なので

建具の隙間以外の隙間をゼロに近づけるのが、気密工事の目的なんですね。

高気密住宅の漏気は、トラブルに繋がらない漏気なのです。

・・・話が脱線しました。

さて、「その1」で、レンジフードの排気と給気の割合は、

10:5(メーカー談)と書きましましたが、

高気密住宅においては、これが

9:6や8:6という風に変化すると想像します。

過程としては、

①隙間が少なすぎるので、10の排気性能が担保出来なくなって効率が落ちる。

②室内の負圧が進むために、給気口の風量は増える。

と想像します。

「その1」で

「弱・中・強と風量を変えても、10:5の割合は変わらない」(メーカー談)

とも書きましたが、

これは漏気がしっかりある、つまり気密が貧弱な場合でしょう。

漏気が少ない、つまり高気密の場合は、

繰り返しとなりますが、

効率が落ちて、室内の負圧が進むため、給気量は確実に増えます。

なので、10:5というバランスは崩れるはずなのです。

 

で結局どうなんだ。・・・意見をまとめないといけないですよね。

では一言で。

性能的には、同時給排より強制同時給排の方が有利。

中運転→強運転と排気量を増やすほど、差は顕著に表れると思います。

その差は、どこかの窓を開けることで解決出来るレベルですけどね。

次に「必要か」と問われるとどうでしょうか?

金額的にあまり変わらなければ、導入して損はないと思います。

ファンが一個追加されるだけですから。

ですがメジャーな機能ではありませんので、対応機種は限られます。

富士工業で該当商品を検索したところ、

排気のみ 121機種  同時給排 22機種  強制同時給排 7機種

という機種数でした。人気度合いが分かりますね。

あっ富士工業ですが、レンジフードの製造では、国内トップシェア。

OEM(相手先ブランド名供給)が基本なので、業界の人しか知らないでしょう。

またまた話が逸れましたね。

 

CACICOの話をすると、同時給排&弱運転で生活していますが、特段困っていません。

コンロの上で煙や油煙がイッパイという料理をしない為かもしれませんが、

この辺りは生活スタイルですので、人それぞれだと思います。

最後にデシカ絡みの話をしておきます。

(デシカ日記のカテゴリーでもあるからです)

以前にも書いたことがありますが、デシカにはフレッシュアップ運転という仕掛けがあります。

(専用の配線が必要)

これは他の換気扇と連動させて、給気量だけを5%ほど増やします。

これを上手く使えば、同時給排でも強制同時給排のように使えると思われます。

デシカ、なかなかやるじゃないか。

というのが今回のオチでした。

レンジフードを考える その2

前回は、同時給排のレンジフードを動かす行為は

その半分の能力を持つ局所換気を動かすことと同じなのでは?

という問題提議をしました。

で、実はメーカー自身、解決策を持っているのですね。

それは、強制同時給排という方式。

「機械排気+機械給気」という組み合わせで、言ってみれば1種換気です。

まとめます。

一般的な同時給排レンジフード → 3種換気

強制同時給排レンジフード → 1種換気

一般の同時給排が10:5だとすれば、強制同時給排の場合10:8まで回復するそうです。

こちらのシステムは、高層マンションが主要ターゲット。

高層マンションは、気軽に窓を開けて給気することが出来ない

  &

高層階の自然換気は厳しい。(風がかなり強いでしょうね)

 

マンションに付いているレンジフードも、戸建て以上に、排気のみが主流ですが、

高層マンションでは、同時給排を飛び越えて、強制同時給排が選択されたようです。

さて戸建て住宅に話を戻します。

一般論として気密性能が貧弱な住宅は、3種換気に向きません。

自然給気を生かすためには、室内を負圧にする必要があるのですが、

その結果として、色んなところで漏気が発生するからです。

逆に1種換気は、機械(ファン)の力で空気を動かすため、

建物の気密性能に、3種換気ほどは影響を受けないのです。

で、ようやく本題のレンジフードです。

前述したように、同時給排タイプは仕組みが3種換気。

つまり、レンジフードを稼働させると、給気口だけではなく、

建物の気密欠損部分から外気が流れ込んできます。

木造住宅の主流である床断熱は、床面の気密処理が非常に面倒。

それが原因で、

レンジフードを稼働させると、足元が冷える。

というクレームが多いそうです。

 

なので、高層マンションと違う理由ですが、

気密性能が貧弱な住宅においては、強制同時給排が向いていると思われます。

では、きっちり気密工事が出来ている建物はどうなのでしょうか。

それは・・・次回に続きます。

レンジフードを考える その1

キッチンについているレンジフードの話です。

自身でも感じていたのですが、同時給排。実は完成されたシステムではありません。

今まで24時間換気における、集中換気と局所(3種)換気併用の問題点は、度々に挙げてきたのですが、

キッチンのレンジフードも、それに近い問題があるのです。

まず一般論から

レンジフードには、排気のみと同時給排という2種類があります。

当然ながら、トイレや浴室と同様、「排気のみ」が主流なのですが、

この「排気のみ」タイプは、

給気を用意せずに排気をする。

機械なので、高気密(?)住宅には適しません。

なので今回「排気のみ」の検証は行いません。

 

さてレンジフードの同時給排は、3種換気と同じシステムです。

仕組みは「機械排気+自然給気」。

これを具体的に説明すると

①機械排気が動く

②室内が負圧になる

③自然給気口から空気が入ってくる

という過程を辿ります。

つまり

室内が負圧になるのが大前提なんですね。

メーカーの試算によると

排気を10とすれば、給気は5程度らしいです。

排気量の半分は、室内の負圧を作り出すのです。

この割合は、風量を上げでも下げてもあまり変わらないそうです。

(弱運転でも、強運転でも、割合は変わらないそうです)

弱運転だとしても、レンジフードの風量はかなり多いです。

24時間換気の例として、ロイヤル電気の仕様書を見てみますと、

風量は105~214 m3/hと書かれています。

換気設計をする時は、フルパワーはあまり想定しないので、

稼働時は150 m3/h程度でしょうか。

一方CACICOが使っているレンジフードをみると

弱  230 中  300  強  420 と表記されていました。

なので、レンジフード風量の大きさが分かります。

さて、先ほどの10:5の割合からすると

同時給排レンジフードとは、

弱  115  中  150  強  210

の局所換気を付けているのと同じ。

「感じ」で申し訳ないのですが、浴室換気扇ぐらいの風量かも知れません。

 

さて今までの(へ)理屈をまとめます。

同時給排レンジフードを動かす事は

窓を開けずに浴室換気扇を回す事と同じなの?

はたして、その考え方が良いのかどうかを、次回検証していきます。

外壁の高性能化が始まっています

LIXILのスーパーウォール工法のニューバージョンが発売開始となりました。

スーパーウォールとは、体力面材と断熱材が一体化したパネルなんですね。

で、新バージョンとはこちらです。

nr0427_03_02

「スーパーウォール デュアル」と言う名称。

外側に足すのが EX (イーエックス)、内側に足すのが IN (アイエヌ)ってそのままですね。

内側は30mmで、外側が50mmなので、外側がメイン商品だと思います。

これ、何かというと、

充填断熱(壁の中)だけでは性能が限界だから、外側に足すね。

と言うことなのです。

ご興味の向きは、ニュースリリースをご覧下さい。

以前、断熱は内が良いか外が良いか、とメーカー同士が争った時期がありました。

内とは、充填断熱のことで、構造体の間に入れる方法。

LIXILのスーパーウォール工法も充填断熱です。

でもって外とは、外張り断熱のことで、構造体の外側に貼ります。

この戦いは、シェアで言うと充填断熱の圧勝でした。

簡単にまとめると、

理想的には、外張り断熱の方が有利。

外壁面において、構造体の占める面積は約2割あるため、これが断熱欠損になるからです。

ですが現実としては

外張り断熱の外側に外壁を取り付けるため、断熱材の厚みに限界があります。

と言うか、

断熱材の厚みだけ重い外壁を外側に持ち出す事になるため、

断熱性能アップと外壁の耐久性がトレードオフな感じになるのです。

と言う訳で、外張り断熱はマイナーな存在。

ですが、ここに来て状況が変化しました。

それは

「お国の目標値を目指したら、壁の中だけだと、断熱足んないよね」

という状況。

室内側に足すという選択もありますが、その分だけ部屋が狭くなります。

→スーパーウォール工法において、内側に足す断熱材が薄いのは部屋の広さを守る為。

ですので高性能化の主流は、充填断熱+外張り断熱となります。

そうです。以前、

外壁の耐久性に不安があるから、選択しなかった外張り断熱をオプションとして取り入れたのです。

もちろん断熱的には良い話なのですが、

以前LIXILをはじめとする充填断熱メーカーが指摘していた、

外張り断熱の欠点を何も解消せずに使っているとしたら、困りものです。

具体的には、

平米で15kg以上もある外壁を、現状より外側に持ち出すのですから、

当然ながら、持ち出さないより確実に「不利」になります。

LIXILさんのことですから、何らかの対応策を取っていると思いますので、

導入に関しては、その辺りは確認したいポイントですね。

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