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「まるた」と「まもの」

何の事?

と思われるでしょう。

これは、施工の現場で飛び交った言葉です。

旧聞に属しますが、高松で外断熱の現場研修の最中です。

「まるた取って。」

「はぁ?」

「まものちょうだい」

「なんですか?」

という会話が続出。

「まるた」は、漢字で書くと「丸太」(多分)

「まもの」は、漢字で書くと「真物」(しんものとも言います)

どちらも、「材料をカットしないで」そのまま!!という意味で使っていますが、これが通じない。

「まるた」は、香川県の方言で、

「まもの」は、多分全国区の表現。

なので、「真物」が標準語。

と言いたい所ですが、

「真物」の本来的な意味は、貼り合わせでは無く、単一素材でできている。

と言う意味なので、これ自体も始まりは、誤用。

まぁ、「丸太」も切り出す前の材料を指す訳で、「カットせずにね」という意味ですよ。

と説明したものの、お互いの違和感は解消しないまま、研修は終了しました。

「まもの」と聞くと、「真物」ではなく「魔物」と脳内変換してしまう私は、

やはりうどん県の住人ですね。

コンクリートは仕上げ材か?

住宅において、基礎は結構特殊な位置付けです。

なぜなら、「構造材かつ仕上げ材」の両方を担っているからです。

「基礎=構造材」

これは、誰がどう考えてもその通りです。

鉄骨造でも、木造でも、基礎だけは鉄筋コンクリートなのですから・・・

では、仕上げ材としては優秀でしょうか?

そんなことを言うと、「直島」辺りから、思いっきり批難されそうですが、

実は、あまり良いものだとは考えていません。

もちろん独自の素材感はあるので、個性的ではありますが

外部仕上げにするのは無駄。

というのが素直な意見です。

ダムだとか、瀬戸大橋の基礎部分だとか、置き換えが効かないものであればともかく、

デザインとして外装材に使うのは、お勧めできません。

それは、建物の寿命を縮めてしまうからなのです。

外断熱工法ハンドブック2003年からの転載ですが、

コンクリート構造物の寿命を外断熱の有る無し、つまりコンクリートを仕上げにするかどうかで較べています。

この図によると、

外気に直接さらされた場合の劣化開始は65年後。

外気から守られた場合の劣化開始は180年後。

と推察されています。

何と、3倍近くの差が・・・

ここまで寿命が変わるって事は、外部仕上げに向いてない。

って事ですよね。

構造材を外部環境で苛めて、何がうれしいんだか。

などと、へそ曲がりな感想を持ってしまうのでした。

あっ、もちろん内部仕上げ材であれば別ですよ。

CACISU中央公園では、室内をコンクリート剥き出しにしていますが、

それはそれで、廃墟っぽい味わいがあって良いものです。

除湿と加湿に水を使わない

前回、加湿は加湿器、除湿は除湿器かエアコン

と言う話をしましたが、この機器達とデシカの違いをまとめます。

以前書いたのは、

①複数台数になってしまう。

②局所でしか対応できない

でしたが、実は本質的な「違い」が存在します。

それは、

従来型のやり方は、湿気のやりとりに水を使うが、デシカは水を使わない。という点です。

湿気を扱うのに、水を使わない。

というのは不思議な感じがすると思いますが、

正確には「液体として」の水を使わないという点です。

従来型の機器は

加湿は、液体としての水を(なんらかの方法で)気化して、室内中に拡散します。

除湿は、気体としての水を(何らかの方法で)液体化して、その水を除去します。

つまり、必ずどこかの過程で「液体として」の水を取り扱います。

その結果として、水を加えたり(加湿)、水を捨てたり(除湿)という手間が発生しますし、

水に起因する、カビや汚れ等を防ぐためのメンテナンスが必要となるのです。

ですが、デシカは「液体としての水」を使いません。

加湿は、気体としての水(湿気)を、室内と室外から集めて、室内中に拡散させるだけ、

除湿は、気体としての水(湿気)を室内から集めて、そのまま室外に捨てる。

その集めるという作業は、「デシカント素子」と呼ばれる素材を媒介に行います。

デシカント素子は、言ってみれば、熱に反応する乾燥剤です。

「冷やすと湿気を吸着し、暖めると湿気を放出する」という性質を、

ダイキンの技術者さんが、何とかしてしまったのがデシカという機械なのです。

調湿を、液体としての水を媒介にせず行う機械。

世界初だと思うのです。

不利な戦い

ジャパンホームショーに行って参りました。

年に1回、いろんな建材を集めた大イベントで、東京ビックサイトで開催されます。

全体の流れを押さえるのに役立つため、出来るだけ行くようにしているのですが、

今回は、ダイキンさんのご招待での参加です。

ダイキンさん、ありがとうございます。

さて以前ご紹介したことがあるのですが、私が注目している機器があります。

それがダイキンのデシカホームエアです。

何をする機械かというと、24時間換気に調湿機能を付けた機器です。

一般的に、快適をコントロールする。というのは、温度をコントロールするのと同義語でした。

ですが、「気温が少し高くても、乾燥していたら快適」という風に、湿度も人間の快適に大きく関係しているのです。

では湿度のコントロールを行う機械はどんなのがあるかというと、

加湿は加湿器、除湿は除湿器かエアコンの除湿機能というのが現状です。

つまり、一台の機械で完結できない上に、局所(家中全部ではない)でしか対応できません。

そこに出てきたのが、ダイキンのデシカ・ホームエアでした。

パンフレットの書き出しがすごいです。

1年を通じて、

家中どこでも心地いい。

体験したことがないほど

爽快な毎日が

はじまります。

ダイキンほどの大メーカーが、ここまで言い切るのですから、

これは期待大です。

ですが、現実には「どんどん売れている」と言う訳ではありません。

機器のサイズや導入コストという問題もありますが、一番大きな障害は、

住む人や建築家の間で、「湿度コントロール」の大切さが理解されていないことです。

ほとんどの住宅が、「室温のコントロール」すら、(建物側で)する気がないのが現実。

なのに、温度以上に解りづらい「湿度」のコントロール。

と言われても、意識が向かないのも当然です。

特に、省エネという観点からダダメ出しをされるという、情けない現実があったりします。

なぜか?

例えば「ゼロエネルギー住宅」という規格があります。

この建物に、デシカを入れると、ゼロエネの規格から外れてしまうことがあるそうなのです。

(全ての建物ではないです)

なぜ、そんな珍現象が発生するかというと、「快適」の基準に「湿度調節」がないからです。

デシカの電力的負荷は、小型のエアコンのようなもの。

正確には、除湿時は520W、加湿時は280Wの電気を消費します。

一方同じダイキンの全熱換気であれば、90Wしか消費しません。

つまり、夏場は6倍、冬場は3倍の電気を消費するのですが、

それで手に入る湿度的な快適さを、日本の「省エネ住宅」は考慮せず、

「効率の悪い全熱換気」として扱うのです。

快適を少ないエネルギーで、と言うのが「エコ住宅」のはずなのに、

快適の大きな目安である、湿度を考慮しないために

デシカはダメな子の烙印を押されているようです。

そんな、「ものすごく不利な戦い」を続けているのが、デシカホームエアなのです。

いゃあ、贔屓したくなりますねぇ。

シームレスな屋根材

ちょっと間が開いてしまいましたが、屋根の防水リフォームの現状です。

雨の日が多かったため、思うように進んでいませんが、大屋根は終了しています。

こんな感じ。

今回の建物は、屋根にアールがついていました。

一般的なリフォームであれば、板金屋根でアールに加工する所です。

ですが、ここに大きな(?)問題があります。

屋根は(当然ですが)防水に対して、一番シビアな箇所です。

ですので、屋根材によって「勾配」の制限があります。

防水能力の低い屋根材は、勾配、つまり傾きをなだらかにすることができないのです。

一般的な「瓦」だと4寸以上。

もっともなだらかにできるのは瓦棒や折半(せっぱん)と呼ばれる形状の金属屋根。

であるならば0.5~0.3寸まで可能。

さて、問題は現場のようなアールの屋根です。

個人的には、「頂点」部分は、ほぼフラット。つまり勾配0です。

なので、防水対策には非常に気を使います。

そこでCACICOの提案は、シームレスな屋根です。

「継ぎ目がなければ、雨が漏らない」

という、非常に分かりやすい理屈。

屋根の施工は、防水層であるルーフィングと屋根材の組み合わせです。

で、そのルーフィング(防水)自体の固定や屋根材の固定には、

壁と同じくタッカー(ホッチキスの大きなやつ)やビスを使います。

極論を言えば、雨水の浸入がない屋根材はありません。

その量が、多いか少ないかだけの差なのです。

本当に雨水の浸入が無ければ、フラットでも大丈夫なはずですから。

その理屈通り、CACICOの提案するサーナルーフは、施工不良以外では水漏れはありません。

なぜなら、従前の方法では、多かれ少なかれ存在していた「隙間」が一切無いからです。

当然ながら、勾配0。つまりフラットでも施工可能です。

シート防水の開始

屋根リフォームの続きです。

塩ビシートでの防水屋根。

との括りでは同じなのですが、CACICOの塩ビシート防水は、

日本のメーカーさんとは施工方法が細かく違います。

なので今回の施工に合わせて、現場での施行指導を企画しました。

技術研修は受講していますが、やはり実際の現場で直接指導してもらうことは大切です。

CACICOの外壁で、それは体感済み。

と言うことで今回は、大阪から1泊2日の予定で来てもらいました。

ものすごくざっくりまとめると、シートを「熱で溶かして」一体化させてしまう工法です。

熱溶着と言うのですが、接着剤を使わないところがポイントです。

塩ビ防水の寿命を計る目安は二つです。

①材料自体の耐久性

②継ぎ目の耐久性

シートとシートを貼り合わせるのに接着剤を使う工法もありますが、

その場合はシートの耐久性より、接着剤の耐久性が問題となります。

ですがCACICOの場合は、熱溶着ですから、言葉通り「一体化」します。

きっちりと施工されていれば、材料と継ぎ目の耐久性が同じになるのです。

では、その溶着の写真を・・・

温風機(高温の出るヘアドライヤーですね)と、ころころローラーでくっつけていきます。

手元をアップするとこんな感じ。

ものすごく地味な作業ですね。この作業を確実にこなすことで、長寿命な屋根が出来るのです。

リフォームで屋根の強化

建物にとって、メンテナンスは大切です。

で、今回は築歴20年未満ですが、屋根のリフォームの物件です。

一般的に「シングル」と呼ばれるもの。

アスファルトルーフィングの上に仕上げ材を接着している、リーズナブルな仕様です。

飯野山がきれいに見えますね。

色むら、つまり白いところはゴミが付着しているのではありません。

仕上げ材が剝げて欠落しているのです。

これでは将来的どころか、直近の防水も不安です。

なので、今回はCACICOの提案するサーナルーフでリフォームする運びとなりました。

こちらの商品、簡単に言うと塩ビのシートですが、ただの「塩ビ」ではありません。

日本の一般材料が10年程度の耐久性しかないのに対して、その3倍以上の耐久性があるという優れものです。

詳しくは以前ブログに上げていますので、是非ご覧下さい。

この写真を撮影したのは、ほぼ1週間程度前です。

10日は大阪から技術指導員が来ているとのことなので、朝から行って参ります。

鹿児島にて

最近、ブログ更新ができていませんでしたm(_ _)m

呼ばれたら、どこでも行こう。

と決めているので今回は鹿児島に行ってきました。

以前「汚れない漆喰」の話をしたと思いますが、

その下地としてCACICOの防水材が使えないか?

という問い合わせでした。

以前も書きましたが、無塗装のサイディングは塗装の下地だけの状態です。

そこに「サイディングの継ぎ目が嫌」と言うことで、

目地のパテ処理をして塗り壁をすると・・・

パテ処理をした所としていない所で、水分の吸い込み量が変わってしまい、色むらが出たそうです。

その対策&防水性能の向上で、CACICOの防水材が選ばれたのです。

外壁メーカーの方が、カットサンプルまで製作していました。

偉いです。

無塗装のサイディングの目地をつぶして、塗り壁仕上げ。

これは一般的に「サイディングを使った大壁工法」と言います。

大メーカーを始め、いろんな挑戦が行われているジャンルです。

本当に目地が隠れるのか(長期的に)というのがポイントですね。

サイディングというのは(当然ながら)固いです。

左官塗りにおける、固い下地の欠点は、

構造体のねじれや揺れによる「応力」が、継ぎ目に集中する。

これをいかにして解消するかが課題なのです。

今回、「目地を消す」という役割は、CACICOには関係ありませんので、一安心です。

 

さてさて最後になりましたが、CACICOの外壁は「応力の集中」をどのように解消しているかをご説明します。

ポイントは、「仕上げ材より下地材が柔らかい」事です。

「メッシュで固まったモルタル」と「断熱材」であれば、どう考えても断熱材が柔らかい。

つまり、下地材が緩衝材となってくれるのです。

なかなか理にかなっているシステムだと思います。

雨のち晴れ

東京の外断熱研修は、二日目が雨でした。

外壁の仕事は、雨に降られるとホントどうしようもないです。

でも、何とか、三日目は晴れ。

いやもう、二日とも雨だったら涙も出ないところでした。

交通費と宿泊費と・・・それ以前に現場が止まってしまう。

施工手順が分からないままでは、左官屋さんは仕事が開始できず。

かと言って教える方も、すぐにスケジュール調整できる訳もなく。

でもまぁ、終わり良ければ全て良しです。

最終日は、中身の濃い研修が出来ました。

これが栄えある(?)武蔵境の一枚目です。

断熱材の貼り付けですが、ポイントは接着用の樹脂モルタルの塗り方です。

コテに大量のネタを蓄えるのがコツです。

写真で先生が指さしている箇所ですね。

それで、うまくコテの角度をコントロールできると

きれいな櫛目が出来るのです。

 

話は変わりますが、本邸は気密測定において過去最高値が出たそうです。

詳しい数値は失念しましたが、C値0.2台という事。

CACICOの塗膜防水が、気密にも十分貢献できて、二重の喜びでした。

無塗装サイディングと漆喰仕上げ

漆喰(しっくい)メーカーさんとの会話です。

室内の仕上げ材を作っていたメーカーさんが、今春から外壁の仕上げ材を始めたとの事。

それも汚れない漆喰!!

漆喰は「汚れやすい」というイメージを持っていたものですから、結構ビックリです。

一度サンプルをもらって試してみたいですが、今日のネタは、「汚れない漆喰」自体のお話ではありません。

その下地についてです。

メーカーさん曰く、「外壁の下地で良いものが無い」と言うのが会話の始まり。

これは少し説明が要りますね。

外壁の仕上げが塗りの場合、問題となるのはクラック(ひび割れ)です。

汚れも問題ですが、このメーカーさんの場合、そこは自信ありなので、今回は触れません。

建物は、風や地震で揺れたりねじれたりし、そのひずみがクラックに繋がります。

全体の問題なのですが、現実には「どこに」責任があるのか?という話になります。

仕上げ材メーカーは、下地の責任。

と言い

下地担当者は、仕上げで対応してくれ。

と言い、

水掛け論になりがちです。

特に、漆喰の場合は弾性がありませんので、ひび割れに関しては、ぜひ下地で頑張って欲しい。

というのは分かります。

一般的にはモルタル下地を薦めたいらしいのですが、

現実的には「無塗装サイディング」に漆喰を塗りたい。

という希望が多いそうです。

サイディングは、住宅の外壁として一番普及しているため当然の話ですが、

それはそれで別の問題が発生しているようです。

下地の継ぎ目が見える。という意匠上の問題もありますが、

一番はサイディングの防水が問題となるそうです。

住宅の外壁(サイディング)で防水が問題

と言われるとビックリされる人もいるでしょう。

ですが、サイディングが水に強いかどうかは、、材料自体ではなく表面塗膜の性能なのです。

つまり「無塗装サイディング」という商品は、「防水処理前サイディング」なのです。

正確には、シーラー処理(塗装の前処理)のみを施した状態。

「無塗装サイディング」の一般的な仕上げとしては、「吹き付け塗装」が多いのですが、

その場合は、塗装の皮膜がサイディングの防水です。

*住宅の防水ではありません。あくまでサイディングの防水。

 

さて、一般的な吹き付け塗装の材料は樹脂塗料がベースなので、

透湿性は無く、水も染み込みません。

翻って、件の「汚れない漆喰」です。塗料とは反対で、

透湿性が有り、水自体が染み込みます。

つまり、「無塗装のサイディング」に「漆喰」を塗ると、

サイディング自体の耐久性が損なわれる可能性があるらしいのです。

 

で、お待たせしました。ようやく本題です。

そこで着目されたのが、CACICOの防水と言う訳。

「汚れない漆喰」が必要としているのは、防水性と付着性。

どんなに防水性能が高くても、漆喰が付着しないようでは下地に適しません。

逆を言えば、その二点がクリアされたら、

CACICOの防水が、「無塗装サイディング+汚れない漆喰」の救世主になる可能性があります。

もちろん、サイディングより「断熱材+モルタル」が下地としてお薦めではあるのですが、

何事も、急に変化はしていかないものです。

漆喰仕上げのお手伝いが出来れば、CACICOとしてもうれしい限りです。

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