CACICOブログ
高断熱という特効薬
- 2015年10月11日 10:04 PM
- 「かしこい家」の性能
住宅にとっての高断熱とは、言ってみれば治療薬みたいなもの。
それも良く効くクスリです。
で、良く効くクスリに付きものなのは副作用。
高断熱住宅が今ほどメジャーじゃなかった頃、
気密住宅がペットボトルハウスと揶揄されていた頃、
いろんなトラブルが起こり
「高断熱住宅の取り組みを止めました」
という工務店さんを数多く知っています。
例えば先日取りあげた基礎のトラブルで、
基礎断熱を止める工務店さんも出てくるでしょう。
ですが自然環境を相手に「閉鎖空間の快適」を考える以上、
何らかのクスリを投与しないで家造りをする事は不可能。
そして、クスリには3種類しか無いと思うのです。
それは
①良く効くけど副作用がある
②良く効かないけど、副作用がある
③良く効かないけど、副作用も無い
抽象的な表現ですいません。
ですが
蒸暑地域独特の高断熱トラブルは、始まったばかり。
注) 寒冷地の高断熱トラブルは、ずっと歴史が長いのです
工務店さんには、この障害克服をビジネスチャンスと捉えて欲しいですね。
鶏もも肉のソテー
- 2015年10月10日 11:55 PM
- CACICOの毎日
図書館で借りた料理本の中に、正しい鶏もも肉の焼き方というのがあり、早速チャレンジ。
手順はこんな感じ
①フライパンは温めない&蓋はしない
②最弱の火力で皮目だけを焼く
③肉の厚みにもよるが20分ぐらい
④出てきた油を拭き取り続ける
⑤8割程度火が通ったら、火を止めて、ひっくり返して余熱で3分
つまり、フライパンを使った低温料理なんですね。
特にフライパンを温めないと言うところがナルホドです。
これで皮が反り返る事が防げました。
素材は鶏肉専門店のサクマさんで購入。
お肉が美味しいので、味付けは塩だけ。
付け合わせに、半熟卵と湯むきトマト。
半熟卵があると、幸せ度が上がってしまうのは私だけ?
ついでにナスのオーブン焼きも作ってみました。
素焼きのナスに、チーズを載せて焼くだけ。
料理がドンドンとシンプルになって行く今日この頃です。
床下も居室にしよう
- 2015年10月9日 8:23 PM
- 「かしこい家」の性能 | デシカ日記
9月の日経ホームビルダーで、基礎断熱におけるトラブル事例が特集されていました。
題して「初めての基礎断熱 ココが危ない!」
基礎断熱の採用率は、2012年で11.9%。
北海道では50.5%ですが、うどん県が含まれる四国では、たったの3.6%しかありません。
他に普及率が低い地域は、東海4.8%、近畿5.5%。
面白いのは九州・沖縄が13.5%もある事で、
寒すぎる又は暑すぎる地域に採用率が増えている事が分かります。
さて、とは言っても平均11.9%なのですから、多くの人が「初めてのおつかい」状態。
注) 因みに、それ以外の住宅は床断熱という工法
新しいチャレンジにはトラブルが付きもの。
基礎断熱の事故は大きく分けて
①シロアリの発見が遅れる
②カビ・結露のリスク
雑誌も主に②を扱っていましたし、
CACICOとしても、事後の対応が難しいカビ・結露の話が気になります。
基礎断熱には2つ工法がありますので、まずは図解から。
基礎内と基礎外の二つです。
統計が無いので私見ですが、基礎内断熱の方が圧倒的に多いです。
理由は、
シロアリ対策だけを考えれば、内断熱の方が有利側だから。
と言うのが大きいですね。
後、外断熱を採用する場合は、
「基礎仕上げ材の変更」が必須なのも大きいかも知れません。
内断熱の変更点は見えない所なので導入しやすいのです。
さて話をカビ・結露リスクだけに絞ります。
事例の特徴としては
竣工後1~2年と築年令が浅く、
特に春先から梅雨時に引き渡した住宅が、夏期に顕在化することが多い。
という所ですね。
大きな原因を抜き出します。
①初期においてはコンクリートの含水量が多い
②床下の換気不足
③室内環境が高温多湿
④工事中に入った雨等の水分が除去しきれていない
④は工事中の管理問題なので除くとして、基本は①と②の合わせ技です。
高温多湿な季節+コンクリートの水分量が多い+換気していない
という組み合わせ。
基礎断熱は床下も室内環境です。
と、説明しつつも換気をしないのは、
換気の認識にズレがあるから。
24時間換気の目的は、「空気を綺麗に保つ事」。
なので建築基準法的には、
居室(人が長期に滞在する部屋)だけが換気の対象なのです。
廊下、押し入れ、玄関、トイレ、浴室などは換気する必要が無い。
注) トイレや浴室に換気は付いていますが、義務ではありません
ダクト式換気を選択している家は、一台の機械で換気をするため、
計画が悪くて空気溜りのスペースが出来る事はあっても、
基本、家中の空気を動かす事になります。
一方局所式換気を使う家は、居室に換気を付けるだけ
なので、先ほどの換気不要リストに
一行、床下を追加して終わり。
床下は居室ではないから、24時間換気の対称空間では無い
だから、換気は不要と思い込むのです。
ですが床下は、24時間換気としては不要でも、
トイレや浴室と同じく、換気が必要な場所なのです。
何故かと言うと、
鉄筋コンクリートの窓の無い部屋だから。
水蒸気を吐き出す部屋なので、その対応が不可欠。
さて話が混ざりそうだったので、③を取りあげていませんでした。
まずは文中から関連したところを抜粋します。
"室内の空気が引き起こす結露もある。
梅雨時から夏期にかけて、エアコンを使わずに過ごす住宅で生じやすい。
高湿な空気で室内が満たされ、その空気が床下に流入する事が原因になる。"
ちょっとミスリードされやすいので、CACICO的に書き直します。
室内の空気が持つ「水蒸気」が引き起こす結露もある。
梅雨時から夏期にかけて、エアコンを使わず過ごす住宅で生じやすい。
高湿な空気で室内が満たされ、その水蒸気が床下に流入する事が原因になる。
ドコを変えたかというと、「空気」の流入ではなく「水蒸気」の流入なのですね。
正確には、室内と床下の水蒸気が均一になろうとするのです。
これは、記事中の別センテンスで書かれていますが、
地中の温度は外気温より数ヶ月ずれて推移するため、春先から初夏にかけては、基礎が冷やされている。
からです。
室内より低温である床下に、室内の高湿度(だけ)が流入する。
これが③が想定する状況。
床下が換気経路に組み込まれていたら、温度も流入します。
CACICOの結論は、
床下は窓が無い居室。
そう認識する事で、多くのトラブルが回避されるのです。
逆転結露と通気層 その2
- 2015年10月5日 11:55 PM
- CACICOウォール
前回のまとめです。
壁体内において
冬 外壁側での結露が一般的な結露
夏 室内側での結露を、逆転結露
と分ける事が出来ます。
その上で、
冬の結露原因は、室内側から入ってくる湿気
夏の結露原因は、屋外(通気層)から入ってくる湿気
と言う話をしました。
一般的な結露に関しては、鉄板の対策があります。
それが「室内側の気密シート」です。
だけど逆転結露においては、その気密シートが仇に・・・
だからザバーンに変えましょう。
まとめ終了。
CACICO的な所感から
まず、冬の結露対策は正しいです。
室内の湿気が壁体内に移動するのを止める気密シート。
室内の快適(加湿したい)、壁体内の快適(温度が低いので湿度が不要)の
両方にとって◎。
問題は夏の結露対策です。
壁体内の湿気を可変透湿気密シートで、結露する前に室内側に移動させる。
となると、
室内は不快(ホントは除湿したい)、壁体内は快適(湿気が無くなる)と、
メーカーの見解通りだとしても、片方だけしか良くない。
建物が長持ちするのは有り難いが、室内に湿気が入ってくるのを「良し」とする人は
少なくとも夏が高温多湿のうどん県には居ないでしょう。
でも仕方ないんですよ、「壁体内に湿気があるんですから」どうにかしないと家が腐りますよ。
・・・さて、ここで出てくるのが他メーカーです。
「お宅の透湿シート、湿気を入れすぎじゃね」と言って透湿性能を絞ったモノを発売する会社が。
それがダウ・ケミカル社のウエザーメイトプラス(ブログで取り上げた事があります)
以前は「一方向だけの透湿性能を有す」と理解していましたが、正しくは、透湿性能を低く押さえた商品。
解説文章が変わった気が・・・
メーカー(並行輸入なので、正しくは輸入代理店)の主張は、
"水蒸気の透湿性は、結露による壁体内の腐敗、劣化を招く可能性のある、壁体内の水分の発生を減少させます。ウエザーメイトプラスは冬場は壁体内の水分を外に逃がし、夏場は外からの水蒸気侵入を調湿し抑えます。一般的なハウスラップの高い水蒸気透湿性数値は、夏場の外からの過度の水蒸気透過により壁体内の環境を悪化させる可能性があります。水蒸気の透湿性は季節を問わず躯体内の健全性を維持する、調湿のバランスが重要と言えます。"
と言う事です。必要なところだけ引っ張ります。
冬場は壁体内の水分を外に逃がし、 ←これはOK
夏場の外からの水蒸気侵入を調整し抑えます。 ←これは「?」
輸入代理店が発表しているデーターを見ても、透湿性能が低いだけ。
透湿性能が低いから、夏場の水蒸気侵入は(他社と比較すると)少なくなりますが、
だからと言って調湿している訳ではありません。
逆に透湿性能が低いのですから、冬期における性能は(他社比較で)落ちます。
つまり
「冬を犠牲にして、夏の性能を上げた」
と言う事なんですが、営業的には、書けなかったのでしょう。
調湿のバランスが重要
という不思議な言い回しにご苦労を感じます。
で、ここからが問題提議なんですが、
通気工法って、もうメリットないのでは?
:現在、日本の木造住宅の大部分が通気層工法ですが、
その歴史は結構短いです。長くて30年ぐらい。
で、なぜ通気工法が出来たかというと、雨漏りなんですね。
この辺りは、タイベックのHPにも出てきます。
関係カ所を引っ張ってみると
住宅事故で最も多い壁の漏水。しかし、タイベック® ハウスラップを採用した通気層構法が広まったため、その数は減少したと言われております。通気層構法は、万一の外装仕上げ材等からの雨水浸入に対しても、適切に排水することにより、壁の防水性を高めた構法のひとつです。
通気層工法が始まる前は、直貼り工法だったのですね。
外壁と下地の間に水を通す空間を作ったのが、通気層工法。
さて、通気層工法のメリットを上げます。(タイベックのHPから)
①外装材からの熱を直接躯体に伝えない
②湿気を排出し結露を防ぐ
③浸入した雨水を排出する
まず前提条件を知って下さい。
この利点は全て
比較の相手が、直貼り工法なんですね。
先述したとおり、戦後の住宅は直貼り
つまり、透湿しない防水シートを貼ってからの正面釘打ち。
通気層工法の利点とは、直貼り工法と比べた利点なのです。
さて非通気工法のCACICOとしては、通気工法の問題点を挙げざるをえません。
通気層の中は「外部空間」なので、普通に屋外の環境。
つまり外壁が2重にあるのと同じ。
外側の外壁は、それなりに費用がかかっていますが、
内側の外壁(透湿シート)は紙一枚。
しかも「シート&外壁」を固定する為の穴がたくさん開いている状態。
言葉は悪いですが、見えない所だからこんなモノで良いって感じですね。
唯一(?)の利点が高い透湿性だったのですが、
それが逆転結露の温床となってしまうのであれば、
現代において通気層工法のメリットって残っていない気がします。
北京、ベルリン、パリ、ロンドン
- 2015年10月2日 4:00 AM
- CACICOの毎日
VWの詐欺事件で色々と調べてみると
ヨーロッパの大気汚染がしゃれになりません。
ちょっと古いですが、20014.3.17のロイター通信から
抜粋します。
ドライバーはナンバープレートが奇数か偶数かに応じて隔日しか運転を許されない日を設ける。
欧州環境機関(EEA)の発表によると、PM濃度はパリで147㎍と断突。
ブリュッセル 114、 アムステルダム 104、 ベルリン 81、ロンドン79.7
ナンバープレートによる乗り入れ規制は北京の専売特許かと思ったのですが、そうでもないのですね。
日本のPMの規制値は、年間平均15以下、かつ1日平均35以下。
因みに70を超えたら不要不急の外出を避けるレベルで、
80を超えたら注意喚起情報が流れます。
上記の欧州環境機関(EEA)さんは、今年の6月にはこんな報告書を出しました。
2013年の暫定データでは、EU加盟国のうち10か国が、未だ法定基準を超えてこれらの汚染物質を排出していることが示されたという。これら10か国のうち、ドイツは3つの主要汚染物質、オーストリア、デンマーク、アイルランドは2つの主要汚染物質が基準を超過していた。2013年のNOx排出が最も大幅に基準を超過していたのは、ドイツとフランスだった。基準値を超えるNOx排出の主要因は、交通部門の排出削減が遅れていることだという。
ドイツとフランスが特に非道いと指摘されたNOxは、
交通部門、つまりディーゼルエンジンが原因だと断言されています。
さて、排ガス規制の状況を確認してみます。
ディーゼルエンジンが乗用車シェアの多くを占めているのは、世界でヨーロッパだけ。
だからでしょうか。
ヨーロッパのディーゼル規制は、先進国の中ではもっともユルい。
日本より5年は優に遅れています。
最新のユーロ6で日本の2009年規制にようやく追いつきましたが、
新規モデルのみが2014年9月から適応しただけ。
既存車種の規制は一ヶ月前に(2015年9月から)始まったばかり。
最近までユーロ5レベルの車が販売の主流だったのです。
その上、ロイターによると
欧州では「ごまかす」必要すら無い、排ガス検査のための小細工は合法
欧州で検査を受ける車は「ゴールデンサンプル」と呼ばれ、さまざまな搭載部品を撤去。
実売の車より100~150キロ軽いスペシャルカーでの検査が合法。
さらにその上、こちらはAFP(フランスの通信社)
ドイツは国レベルで、EUの規制機関に対して手抜き検査を依頼。
ついでに同様な要求は、ドイツだけではなく、フランスもイギリスもやっている。
ヨーロッパは古い車を大切に乗り続けるから、街中が煙い。
と思っていたのですが、それだけではありませんでした。
排ガス検査は基準自体が甘い上に、国とメーカーがグルで抜け道だらけ。
新車も充分にスモーキーなんですね。
きっと輸入車(この場合は日本車)の検査だけ厳しい・・・いえいえマトモなのでしょう。
仕事でヨーロッパに渡航される方は、北京同様、お体にお気をつけ下さい。
逆転結露と通気層 その1
- 2015年10月1日 8:15 AM
- CACICOウォール
逆転結露ってご存じですか?
夏型結露とも言われて、主に蒸暑地域で起こるようです。
夏が終わったばかりなのに、なに季節外れの事を
と怒らずにお付き合い下さい。
一般的な結露は冬場に起こります。
室内の暖かく湿った空気が、窓で結露。
よく見る光景ですよね。
壁体内は見えませんが、一番外壁に近い合板の裏側(一番冷たい)が結露ポイントです。
なので充填断熱には室内側に気密シートが必要なのですね。
壁のおさらいします。
室内側から室外側へは
壁紙→石膏ボード→気密シート→断熱材→構造用合板→防水シート→通気層(外部環境)
という断面構造です。(合板は省略可です)
ポイントは気密シートと防水シートの2枚が必要で、かつ全くの別物である事。
さて今までは「逆転」でない結露の話でした。
引き続き逆転結露の説明を。
それは冬ではなく夏。
屋外から壁体内に入る湿気によって起きるのです。
イラストをデュポンのHPからもらってきました。
湿気を含んだ空気があるのは壁体内(黄色は断熱材かな?)
その水蒸気が気密シートの壁体内側で結露する。
冬は(この図にはありませんが)合板側で結露し、夏は室内側で結露。
だから逆転結露なんですね。
これを防ぐ事が出来るのが、デュポンの秘密兵器「ザバーン」。
ではメーカーのうたい文句をみてみましょう。
この現象を否定する訳では無いのですが、
夏場室内に湿度が入るのは嬉しくないですよね。
でも結露するよりマシ?
いえいえ、それ以前に前提条件が気になります。
壁体内に湿気を含んだ空気があるのです。
どこから来たのでしょうか?
メーカーの説明文には
"『夏場の高温多湿な空気が、空調された内壁に触れて、壁の中で結露する』という問題です。"
と書かれています。
「部屋の内部は気密シート+空調」されているので、
「夏場の高温多湿な空気」は外壁側、
つまり通気層からの侵入ですね。
では、通気層側には何があるか?と言うと透湿防水シート。
同じメーカーに有名な透湿防水シート「タイベック」があります。
まずはイラストを見て下さい。
イラストに書かれている「ポリエチレンフィルム」とは気密シートなので条件は同じ。
説明文を読んでみましょう。
"壁体内からの湿気はタイベック® ハウスラップを通り抜けた後、効果的に排出されるため、有効な壁体内結露対策とされています。"
初めに言っておきますが、ウソではありません。
条件に合致すれば、壁体内の水蒸気は通気層内に排出されるでしょう。
壁体内より通気層内の湿度が低いという条件ならば。
湿度は高いところから低いところへ動くのが大前提。
透湿性能があるシートを挟んで、高湿度と低湿度があったら、
湿度は高湿度側から低湿度側へ移動します。
なので高温多湿の季節には、
通気層から壁体内に、「透湿」防水シートを通して湿度が移動するのです。
だから「ザバーンが有効」という理屈なのですが・・・
CACICOとしては、いろいろと疑問が残るので、続きは次回に。
蛇足ですが、デュポンには2つのザバーンがあります。
住宅用気密シートとしてのザバーン
防草シートとしてのザバーン
どちらもデュポンの商品で、綴りも同じXavan
これが一番の不思議かも。
スペアリブのあっさり煮込み
- 2015年9月30日 8:12 PM
- CACICOの毎日
スペアリブと言えば、圧力鍋と決めています。
レシピとしてはBBQもあるでしょうが、お箸で食べられるとろとろ状態が好きなのです。
・・・単なるめんどくさがりとも言いますが。
いつもはトマトソースとか甘辛とかの味を付けるのですが、
今回は昆布と塩だけの味付けで、野菜(人参と玉葱があったので)と共に煮込みました。
味付けは湯むきをしたトマトで、あっさり味に。
明日は醤油と味醂を足して、和風にする予定。
味付けは足す事は出来ても引くのは難しい。
何回か痛い目に遭ったので、身に染みてます。
庇の長さと家の性能
- 2015年9月29日 1:37 PM
- 「かしこい家」の性能 | デシカ日記
今日は天気良いですね。
天気予報的にうどん県は、最低19℃、最高27℃
さて質問です。
現状において、室内への日射取得は必要でしょうか?
回答は
「家の断熱性能によって異なります」
①高断熱仕様の住宅なら、日射遮蔽。
②築年数の長い物件は、日射取得。
なのではないかと推測します。
断熱の程度はマチマチなので、確実な線引は出来ません。
まず①から。
高断熱仕様の目的は、温度の急激な変化を無くす事。
で、この変化の敵は日射取得です。
確かにLow-Eガラスは、ある程度日射熱を遮ります。
ですが住宅側が、「真冬にちょっとの暖房で快適になる家」だったとしたらどうか?
トリプルサッシのダブルLow-Eだったとしても、室温を数度あげる程度の熱にはなるのです。
で、この季節ならば夜間の室温低下がほとんど無い住宅と組み合わせたら・・・
CACICOとしては、
3月中旬~10月中旬の日射は、何らかの形で遮る事をお薦めしています。
②は①の反対です。
夜間に20℃を切る外気の影響を受けて、室温も低下します。
なので、日射取得が有効な場合も出てくるでしょう。
なにより熱が逃げやすい構造体の場合は、取得熱量のシビアなコントロールの意味がありません。
良い季節の外気温を、ダイレクトに取り入れると考えた方が良いかと思います。
以前話をした「通風」も、②の場合は重要性が高くなります。
「暑い時期」は日射遮蔽できて、「寒い時期」は日射取得できるのがベストな窓の配置。
問題なのは
暑い時期と寒い時期が、住宅の性能によって変わる事。
庇の長さが、住宅性能のバロメーターになる日が来て欲しいですね。
最新型は大丈夫
- 2015年9月27日 4:00 AM
- CACICOの毎日
VWディーゼル不正の続きです。
CACICOはMAZDAのクリーンディーゼルに乗っていますので、
VWのなんちゃってクリーンディーゼルの風評被害に遭いそうです。
さてディーゼルエンジンの歴史は黒煙モクモクから始まったのですが、
その流れを大きく変えたのが、
コモンレール式燃料噴射システム。
何か難しそうですが、
黒煙の原因である不完全燃焼を、
完全燃焼に近づける画期的な方法との事。
この燃料噴射システムが開発されて、
初めてディーゼルがクリーンディーゼルになる道筋が見えたのです。
そのコモンレール式、世界初は日本のデンソーなんですね。(1995年)
日本にはディーゼルの自家用車がほぼ無かったため。
トラック(商用車)での実用化でした。
一方、乗用車での実用化はドイツのボッシュ。
2年遅れの1997年に搭載を始め、
今やEUの多くのメーカーが採用しています。
さて、ここでVWの詐欺事件に戻ります。
アメリカで暴露された内容は、
試験の時だけ排ガス浄化装置を動かすソフトが搭載されている。
と言う事でした。正確には
燃料噴射システムをコントロールするソフト
なんですね。
このソフトを何処が開発しているかというと、
VWではなくボッシュ
燃料噴射装置とそれを制御するソフトは、別々に開発できませんので。
「VWの仕様書に従って作成した」
という事なんですが、
専門家なのだから仕様書を見たら、意味が分かるはず。
刑事罰には問われないかも知れませんが、道義的には
今回の違法エンジンは、VWとボッシュが共同で作り出したと言えるでしょう。
ボッシュは数多くのメーカーに納品しているので、
VWだけではなく、他メーカーにも広がる可能性があります。
さてVWは自社ホームページで、
違法なのは古いエンジンだけで、最新ディーゼルは大丈夫。
とコメントしています。
VWジャパンのリリースはこちら
日本マクドナルドの社長が行った、私は悪くないけど謝罪しますレベルでしたね。お暇な人は全文お読みください。
関係部分を抜粋します。
現在、EU域内で販売されているEU6ディーゼルエンジンを搭載したフォルクスワーゲングループの新型車両は、法的要件と環境基準に適合しています。問題のソフトウェアは、車両のハンドリングや燃料消費、排出ガスには影響いたしません。
ここに書いている事は
新型車両は、搭載している不正ソフトウェアに頼らず、EU6(ユーロの最新基準)をクリアしている。
私の読解力では、そうとしか読めません。
エンジンが新型に変わった。と言う事は、制御ソフトもバージョンアップしているはず。
なのに未だ不正ソフト搭載という事は、新たに開発した不正ソフトなんですよね。
目的は一つしかありません。
EU6基準 Nox0.08以下 アメリカ基準 Nox0.44以下
ユーロの最新基準を持ってしても、アメリカの倍近くユルいのが現実。
つまり不正ソフトを新規開発したのは、アメリカ基準対策(CACICOの想像です)
アメリカでは通らないから不正ソフトは載せとくけど、ヨーロッパでは使わないから問題無。
との声明だと理解しました。
VWは不正ソフトが基本仕様なんですね。
気密検査の見学会 by西建住宅
- 2015年9月26日 10:28 AM
- 「かしこい家」の性能
先日、西建住宅さんが気密検査の見学会を行ったのですが、
その応援に行ってきました。
構造見学会は良くありますが、気密検査の見学会と言うのは寡聞にして知りません。
これって2重の意味ですごいです。
一つは、西建さんが気密確保に自信がある事。
何せ一発勝負の検査ですからね。
さて気密検査のおさらいです。
外周部の隙間を全部合わせたらどれくらいの面積になるかを実証する検査。
検査が初めてという建築会社さんの場合
検査→隙間探し→補修→検査
というループを繰り返し、「良い結果」が出るまで何時間もかかる場合があります。
検査が隙間探しを兼ねてしまうのですね。
ですが、西建さんが求めているレベルになると、小さすぎて隙間が探せないのです。
もう一つの驚きは、気密に関心があるユーザーが多数いる事。
現在の住宅性能表示システムでは、記載すらされなくなった気密性能ですが、
気密は各家で実証できる唯一の「性能」なんですね。
(例えば断熱性能は、現場で実証できません)
気密性能が、性能に直結する事をご存じの方が増えているのは嬉しい限りです。
検査の結果は、C値=0.16。
素晴らしいです。
これは、家中の隙間を全部合わせたら6㎝×6㎝
(C値が同じでも、家の面積によって変わります)
程度ですよ。という結果。
施工的に言うと、窓や玄関扉の隙間がほとんど
なので、これ以上はどうしようもありません。
ここから上を求めるとしたら、窓種を変えるしかありません。
(一般論ですが、窓の精度はメーカーによって違います)
例えば、日本で一番数の多い引き違い窓は、
気密的にはもっとも不利な形状なのです。
もっともこの気密レベルが出せるのであれば、
窓は使い勝手優先で決めて良いと思います。
気密が有利でも使い勝手が良くないのでは、本末転倒ですからね。
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