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CACICOウォールのアーカイブ

パラダイムシフトが始まる

前回のブレイクスルーに続いて、今回はパラダイムシフト。

これも対応する日本語が無いので、カタカナ言葉でごめんなさい。

パラダイムは常識、シフトは変わる。と捉えて頂ければと思います。

世界史的に有名なパラダイムシフトは、何と言っても天動説→地動説。

ブレイクスルーとパラダイムシフトは、似ているようで全く違います。

ブレイクスルーは、正常進化。

つまり、皆がやりたかったけど出来なかった事を「克服」したため

関係者全員が問題なく受け入れるのですね。

一方パラダイムシフトは、方向転換。

つまり、今までの考え方は「間違っていたよ」と言われるわけですから、

関係者はたまりません。当然批判が巻き起こります。

地動説が受け入れられるのに、何百年もかかったのはそのためです。

さて、そんな大昔の話を出されても困るでしょうから、身近な例を

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こちらはどちらも絆創膏・・・でメーカーも同じ。ですが、考え方は右と左ぐらい違います。

一般的な絆創膏は、通気を重んじます。

傷は、洗って→乾かして→消毒する

と言う治療スタイルに合致しています。

一方の高級絆創膏は

傷は、洗って→そのまま湿潤状態を保つ

ですので、全く正反対。

もう少し論点を絞り込むと

傷は消毒すべし、と言うのが普通の絆創膏で、天動説担当。

一方、傷は消毒しない、と言うのが高級絆創膏で、地動説担当。

なんですね。

さて、たまたまですが、

一般的な絆創膏は乾燥させるために通気を重んじます。

一方、高級絆創膏は乾燥させないために密閉します。

これが建築の外壁とよく似ているのですよね。

で、またまた続きます。

外壁のブレイクスルー

日本語で書きたかったのですが、あまり該当する言葉が無かったのです。

ブレイクスルーとは、障害を突破するイメージで、革新的発明と言っても良いかも知れません。

携帯電話を例にとると、昔の携帯電話は、ショルダーバッグみたいな大きさで、その上に受話器が載っている感じ。

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これで出来る事は、当然ながら音声通話だけだったんですね。

それが今ではスマートフォンのサイズで、音声も映像も手に入ります。

これなんか、いくつもの革新的な発明が、様々な障害を克服、つまりブレイクスルーしてきた結果なのです。

さて外壁のブレイクスルーと言えば、防水層に透湿を加味した事だと思います。

いわゆるタイベックの登場ですね。

日本の初タイベックは、1983年に北海道で施工されました。

透湿防水シートを使った通気工法の走りです。

その後数年掛けて、

防水シートに直接サイディングを止める

から

透湿防水シートに通気層を設けてサイディングを止める。

という工法に徐々に変わって行ったのです。

現在主流の通気工法は、生誕25年。という所ですかね。

流れを整理すると

外壁の構造が、単層から複層に変化し、防水層が誕生。

その結果として

防水層とサイディングが密着している事から、毛細管現象で漏水が多発

防水層は液体の水のみでは無く、

気体としての水、つまり水蒸気も堰き止めるので、壁体内結露も誘発しました。

対応策として考え出されたのが、

防水層を透湿防水層に変える事と、防水層とサイディングの間に空間を設ける事。

この2つだったんですね。

タイベックのホームページにも同様の事が書かれています。

さて、この話は次回に続きます。

サイディングの誕生

外壁の話です。

昔の建物は、防水層がありませんでした。

なぜなら、単層構造だったから。

土壁、ブロック、石積み、どれを取っても同じなのです。

では、防水層という概念はどこから来たのでしょうか?

想像するに、日本では戦後だと思うのですね。

サイディング、正確には窯業系サイディングと呼ばれるものの始まりは、結構新しいです。

この分野でメジャーなアイカ工業のモエンサイディングは、1974年に誕生しています。

この商品と相前後して、防水層も使われ出したと想像します。

ここの変化は大きく、外壁は

「現場で、単層構造」から「工場生産品を複層構造で仕上げる」ものに切り替わっていくのですね。

ここで出てくる「防水層」なるものがくせ者なのです。

よく断熱材を入れだしてから壁体内で結露が始まった。

という話がありますが、

正確には「断熱材」によって結露が酷くなっただけで、

防水層の登場と同時に壁体内結露は始まっていたのです。

室内と室外の間に、それまで無かった水も湿気も通さない膜が出来たのです。

当然と言えば当然ですね。

なお、この時代には、通気工法等と言うものは、影も形もありません。

公庫の仕様書に「通気工法」が掲載されるようになったのは、結構最近(25年ぐらい前かな)なのです。

この時代の外壁とは、柱の外側に防水シートを巻いて、サイディングを正面からビスで留める。

というもの凄く原始的なものでした。

こんな感じで、現在の主流を占めるサイディングは生まれたのです。

この話は、次回に続きます。

鉄筋コンクリート造の断熱リフォーム

CACICOは主に木造新築の外壁工事を手がけています。

ですが接着式外断熱と言えば、鉄筋コンクリート(RC)造が始まり。

今回久々に、RCの外断熱改修を手がけています。

うどん県はRCには深いご縁があります。

県庁がその良い例で、建物としての評価(丹下健三氏)が高いため、

建て替えできずに残っています。

そのせいか、和風デザインなんだけど、RCという個人住宅が県内には散見されます。

さて外断熱をしないRC建築物は、「夏に暑く、冬に寒い」環境しか手に入りません。

マンションは集合住宅なので、その限りではありませんが、

戸建ては、とても厳しい環境がまっています。

鉄筋コンクリートは構造体でも書きましたが、RCには防水性能がありません。

これはビルの屋上を考えただけでも分かること。

必ず別途防水工事をしています。

もちろん壁と屋根とは意味合いが違いますが、

ビルの漏水でやっかいなのは壁からの漏水、というのが現実です。

なのでCACICOは、まず防水を行います。

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工事途中の写真ですが、緑色が防水塗料。

庇もRCだったので、まるっと断熱材で覆います。

建物は、始め「RC+リシン吹き付け」でした。

その後、「サイディング」でリフォームされていましたが、

今回そのサイディングを撤去して、「断熱材+塗り壁」に変わります。

うどん県の断熱リフォームは、始まったばかりです。

90mm断熱材の貼り終わり

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湿式外断熱を、接着式にするメリットの一つに厚みの自由度があります。

EPS(発泡スチロール)という材料は、なにせ軽いです。

なので、厚みを増やしたからと言っても、重量はあまり変わりません。

嵩張って仕事が面倒ではありますが、固定に対する不安は一切ありません。

ただし(一般的に多い)ビスで固定する、となったら話は違います。

断熱材より長いビスが必要になりますからね。

さて、今までCACICOが貼った事のある断熱材の厚みですが、

標準は5センチ、ですがバリエーションとして

3センチ、8センチ、10センチ、15センチの経験があります。

断熱材メーカーは、「何センチ」と指示をすればその厚みで届けてくれるのです。

大きな塊から切り出すので、寸法は自由自在。

今回は初の90mm、つまり9センチを貼りました。

厚みの選択理由は様々。

断熱材の性能のこともありますし、コストもあります。今回はデザイン的な欲求でした。

造り手としては、「ロス」を考えるので、厚みは統一して欲しいのが本音ですけどね。

丸窓周りの防水

たまには仕事の話も。

CACICOの仕事を簡単に言うと

外断熱+塗り壁の工事です。

現在は外断熱とは言わず、付加断熱と言っています。

家の断熱性能を上げるのが断熱材の目的ですよね。

木造の場合、壁の中はすかすかですので、そこに断熱材を充填するのは当然のこと。

昔なら以上、終了だったのですが、

現在は「ちょっと断熱材が足りなくね?」

という人が増えてきました。

壁の中だけで足りなければ、内側か外側に足すしかないですよね。

でも内側に足したら部屋が狭くなるので、選択肢は外側。

それが昔で言うところの外張り断熱(RCなら外断熱と言います)です。

さて、外張り断熱のポイントは防水の方法です。。

今回のお家で丸窓があったので、CACICOの防水をご説明します。

透湿防水シートという紙を貼るのが一般的ですが、

CACICOは塗り防水です。

その施工を定点観測でご説明します。

塗り防水なので、まずは窓が汚れないように養生します。

その後はパテ処理です。

合板の継ぎ目やサッシの取り付け部分は、動きやすいので、まずはパテで固めます。

この工事がけっこう時間がかかるのです。

その後、一回目の塗り防水をします。

先ほどのパテ跡が少し透けていますよね。

2回目の塗りをしてシームレスな塗り防水の完成。

とても綺麗な仕上がり(自画自賛)。

是非一般的な透湿防水シートと比べてほしいですね。

 

さて、この後は断熱材を貼っていく作業があるのですが、それはまた日を改めてお届けします。

逆転結露と通気層 その2

前回のまとめです。

壁体内において

冬 外壁側での結露が一般的な結露

夏 室内側での結露を、逆転結露

と分ける事が出来ます。

その上で、

冬の結露原因は、室内側から入ってくる湿気

夏の結露原因は、屋外(通気層)から入ってくる湿気

と言う話をしました。

 

一般的な結露に関しては、鉄板の対策があります。

それが「室内側の気密シート」です。

だけど逆転結露においては、その気密シートが仇に・・・

だからザバーンに変えましょう。

まとめ終了。

 

CACICO的な所感から

まず、冬の結露対策は正しいです。

室内の湿気が壁体内に移動するのを止める気密シート。

室内の快適(加湿したい)、壁体内の快適(温度が低いので湿度が不要)の

両方にとって◎。

問題は夏の結露対策です。

壁体内の湿気を可変透湿気密シートで、結露する前に室内側に移動させる。

となると、

室内は不快(ホントは除湿したい)、壁体内は快適(湿気が無くなる)と、

メーカーの見解通りだとしても、片方だけしか良くない。

 

建物が長持ちするのは有り難いが、室内に湿気が入ってくるのを「良し」とする人は

少なくとも夏が高温多湿のうどん県には居ないでしょう。

でも仕方ないんですよ、「壁体内に湿気があるんですから」どうにかしないと家が腐りますよ。

 

・・・さて、ここで出てくるのが他メーカーです。

「お宅の透湿シート、湿気を入れすぎじゃね」と言って透湿性能を絞ったモノを発売する会社が。

それがダウ・ケミカル社のウエザーメイトプラス(ブログで取り上げた事があります)

以前は「一方向だけの透湿性能を有す」と理解していましたが、正しくは、透湿性能を低く押さえた商品。

解説文章が変わった気が・・・

メーカー(並行輸入なので、正しくは輸入代理店)の主張は、

"水蒸気の透湿性は、結露による壁体内の腐敗、劣化を招く可能性のある、壁体内の水分の発生を減少させます。ウエザーメイトプラスは冬場は壁体内の水分を外に逃がし、夏場は外からの水蒸気侵入を調湿し抑えます。一般的なハウスラップの高い水蒸気透湿性数値は、夏場の外からの過度の水蒸気透過により壁体内の環境を悪化させる可能性があります。水蒸気の透湿性は季節を問わず躯体内の健全性を維持する、調湿のバランスが重要と言えます。"

と言う事です。必要なところだけ引っ張ります。

冬場は壁体内の水分を外に逃がし、         ←これはOK

夏場の外からの水蒸気侵入を調整し抑えます。   ←これは「?」

輸入代理店が発表しているデーターを見ても、透湿性能が低いだけ。

 

透湿性能が低いから、夏場の水蒸気侵入は(他社と比較すると)少なくなりますが、

だからと言って調湿している訳ではありません。

逆に透湿性能が低いのですから、冬期における性能は(他社比較で)落ちます。

つまり

「冬を犠牲にして、夏の性能を上げた」

と言う事なんですが、営業的には、書けなかったのでしょう。

調湿のバランスが重要

という不思議な言い回しにご苦労を感じます。

 

で、ここからが問題提議なんですが、

通気工法って、もうメリットないのでは?

:現在、日本の木造住宅の大部分が通気層工法ですが、

その歴史は結構短いです。長くて30年ぐらい。

で、なぜ通気工法が出来たかというと、雨漏りなんですね。

この辺りは、タイベックのHPにも出てきます。

関係カ所を引っ張ってみると

住宅事故で最も多い壁の漏水。しかし、タイベック® ハウスラップを採用した通気層構法が広まったため、その数は減少したと言われております。通気層構法は、万一の外装仕上げ材等からの雨水浸入に対しても、適切に排水することにより、壁の防水性を高めた構法のひとつです。

通気層工法が始まる前は、直貼り工法だったのですね。

外壁と下地の間に水を通す空間を作ったのが、通気層工法。

さて、通気層工法のメリットを上げます。(タイベックのHPから)

①外装材からの熱を直接躯体に伝えない

②湿気を排出し結露を防ぐ

③浸入した雨水を排出する

 

まず前提条件を知って下さい。

この利点は全て

比較の相手が、直貼り工法なんですね。

先述したとおり、戦後の住宅は直貼り

つまり、透湿しない防水シートを貼ってからの正面釘打ち。

通気層工法の利点とは、直貼り工法と比べた利点なのです。

 

さて非通気工法のCACICOとしては、通気工法の問題点を挙げざるをえません。

 

通気層の中は「外部空間」なので、普通に屋外の環境。

つまり外壁が2重にあるのと同じ。

外側の外壁は、それなりに費用がかかっていますが、

内側の外壁(透湿シート)は紙一枚。

しかも「シート&外壁」を固定する為の穴がたくさん開いている状態。

 

言葉は悪いですが、見えない所だからこんなモノで良いって感じですね。

 

唯一(?)の利点が高い透湿性だったのですが、

それが逆転結露の温床となってしまうのであれば、

現代において通気層工法のメリットって残っていない気がします。

逆転結露と通気層  その1

逆転結露ってご存じですか?

夏型結露とも言われて、主に蒸暑地域で起こるようです。

夏が終わったばかりなのに、なに季節外れの事を

と怒らずにお付き合い下さい。

一般的な結露は冬場に起こります。

室内の暖かく湿った空気が、窓で結露。

よく見る光景ですよね。

壁体内は見えませんが、一番外壁に近い合板の裏側(一番冷たい)が結露ポイントです。

なので充填断熱には室内側に気密シートが必要なのですね。

 

壁のおさらいします。

室内側から室外側へは

壁紙→石膏ボード→気密シート→断熱材→構造用合板→防水シート→通気層(外部環境)

という断面構造です。(合板は省略可です)

ポイントは気密シートと防水シートの2枚が必要で、かつ全くの別物である事。

 

さて今までは「逆転」でない結露の話でした。

引き続き逆転結露の説明を。

それは冬ではなく夏。

屋外から壁体内に入る湿気によって起きるのです。

イラストをデュポンのHPからもらってきました。

湿気を含んだ空気があるのは壁体内(黄色は断熱材かな?)

その水蒸気が気密シートの壁体内側で結露する。

冬は(この図にはありませんが)合板側で結露し、夏は室内側で結露。

だから逆転結露なんですね。

これを防ぐ事が出来るのが、デュポンの秘密兵器「ザバーン」。

ではメーカーのうたい文句をみてみましょう。

この現象を否定する訳では無いのですが、

夏場室内に湿度が入るのは嬉しくないですよね。

でも結露するよりマシ?

いえいえ、それ以前に前提条件が気になります。

壁体内に湿気を含んだ空気があるのです。

どこから来たのでしょうか?

メーカーの説明文には

"『夏場の高温多湿な空気が、空調された内壁に触れて、壁の中で結露する』という問題です。" 

と書かれています。

「部屋の内部は気密シート+空調」されているので、

「夏場の高温多湿な空気」は外壁側、

つまり通気層からの侵入ですね。

では、通気層側には何があるか?と言うと透湿防水シート

同じメーカーに有名な透湿防水シート「タイベック」があります。

まずはイラストを見て下さい。

イラストに書かれている「ポリエチレンフィルム」とは気密シートなので条件は同じ。

説明文を読んでみましょう。

"壁体内からの湿気はタイベック® ハウスラップを通り抜けた後、効果的に排出されるため、有効な壁体内結露対策とされています。"

初めに言っておきますが、ウソではありません。

条件に合致すれば、壁体内の水蒸気は通気層内に排出されるでしょう。

壁体内より通気層内の湿度が低いという条件ならば。

 

湿度は高いところから低いところへ動くのが大前提。

 

透湿性能があるシートを挟んで、高湿度と低湿度があったら、

湿度は高湿度側から低湿度側へ移動します。

なので高温多湿の季節には、

通気層から壁体内に、「透湿」防水シートを通して湿度が移動するのです。

だから「ザバーンが有効」という理屈なのですが・・・

CACICOとしては、いろいろと疑問が残るので、続きは次回に。

 

蛇足ですが、デュポンには2つのザバーンがあります。

住宅用気密シートとしてのザバーン

防草シートとしてのザバーン

どちらもデュポンの商品で、綴りも同じXavan

これが一番の不思議かも。

CACICOウォールのひと手間

最近CACICOウォールのネタをアップしていませんね。

ですが、仕事はしています(笑)

と言うことで、CACICOウォールならではの特殊な工事をご紹介します。

それは外壁に設備を固定するための下地造り。

材料はステンレス製のエキスパンドメタル。

施工場所によってサイズはまちまちですが、これを外壁の中に仕込みます。

 

CACICOウォールは構造体の外側に断熱材を貼って、そのまま仕上げをする構造。

なので、外壁に「何か」を固定するのが苦手なのです。

重量の重いものや負荷がかかるもの、

例えば後付け庇、テレビアンテナ、洗濯金物などは、

加重によって断熱材自体が陥没してしまうので断熱材と同じ厚みの下地を埋め込みます。

緑色の箇所がそうです。下地である木材を取り付けた後、もう一度防水しています。

これは、木材自体の保護にも繋がります。

因みにこの大きな下地は、オーニングテントを取り付けるため。

 

逆に軽量なものの下地はとても特殊です。

ようやく先述のエキスパンドメタルの登場。

まず軽量なものとは何かというと、

照明器具、エアコンの配管、樋の取り付け、防水コンセント・・・

結構いろんな種類があります。

これらを外壁に固定したいのですが、

CACICOウォールにはビスの保持力がありません。

いわゆる「ビスが効かない」というやつです。

住宅街壁で圧倒的なシェアがある、窯業系サイディングはそれなりにビスが効きますが、

CACICOウォールは全くダメ。

なので何も考えずに施工をすると下地に固定するしかなくなります。

ですが、それが怖いのです。

 

一般の外壁は「通気工法」と呼ばれる15~18mmの空間が、外壁と防水層の間に存在します。

これは外壁の裏側に雨水が廻った場合の排水経路でもあります。

一方、CACICOウォールはその隙間が1~2mm程度と、ほとんどありません。

隙間を開けすぎると、断熱効果がなくなりますから当然なのですが、

結果として「イザ」と言う時の備えが弱くなります。

15~18mmと1~2mmの隙間。どちらの排水能力が高いかと言えば、

当然15~18mm。

 

なのでCACICOウォールは、防水層に傷を付けない工法を選択しています。

当然ながら、設備機器を取り付けて防水層を痛めるのも避けたいと。

ようやくひと手間の理由に辿り着きましたね。

 

さてエキスパンドメタルを埋め込む方法です。

まずは関係の業者さんに下地の場所を指定してもらいます。

黒いマジックがエアコンの配管下地。赤いマジックが縦樋の固定位置。

で、このラインを狙って、

断熱材の表面を熱線で削って溝をつきます。

その後、先ほどのエキスパンドメタルを埋め込みます。

いやぁ、我ながら手間かけていますね。

こんな事しているの、全国的にも珍しい自信があります。

複雑な形状

久しぶりに現場ブログです。

最近は書いていませんが、仕事はしています(笑

CACICOの仕事は、「付加断熱工事」。

10年ほど前でしょうか?

木造住宅において、

断熱は内(充填)断熱か、外(外張り)断熱か、という論争がありました。

現代における回答は、

断熱部位に良いも悪いもない。

固有の断熱性能×厚みから導き出される数値だけが大切。

(木造の話です。鉄筋コンクリート造は違います)

つまり中でも外でも、どちらでも良いと・・・

ただし、

本当の快適が必要なら、どちらかだけでは足りませんよ。

なので、

充填断熱と、付加断熱

と呼んで、両方しましょうと。

さて、その付加断熱にもいろんな方法があります。

前置きが長くなりましたが、この写真を見てください。

まだ下地の状態ですが、

CACICOの付加断熱では、こんな事が簡単にできます。

ここでのポイントは一体化されているところ。

外壁に飾り(モールディング)をくっつけているのではありません。

その場合は継ぎ目が発生します。

結婚式場の建物で、頭に飾りがあるのを見たことがありますよね。

あれ実はCACICOと同じく、発泡スチロール製が多いです。

ですが、違うのは固定方法。

一般的には、ビスや金物による固定。

 →壁と飾りが別素材。なので継ぎ目がある。

CACICOは接着による固定。

 →壁と飾りが同素材。なので一体化する。

見た目だけではありません。

①構造体への負荷が増えない

②防水性能が変わらない

③耐久性が高い

と良いことだらけです。

ちょっと褒めすぎな感がありますが、

木造でこの形状をするのは難しいと思います。

・・・やっぱ自慢でしたね。

 

因みに、この形状は、cadソフトのデーターを基に、工場で成型しました。

部材としては4分割だったのですが、この段階で継ぎ目は分からなくなります。

完成したら、またブログにアップしますね。

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