- 2016年3月9日 6:31 PM
- CACICOウォール
外壁の話です。
昔の建物は、防水層がありませんでした。
なぜなら、単層構造だったから。
土壁、ブロック、石積み、どれを取っても同じなのです。
では、防水層という概念はどこから来たのでしょうか?
想像するに、日本では戦後だと思うのですね。
サイディング、正確には窯業系サイディングと呼ばれるものの始まりは、結構新しいです。
この分野でメジャーなアイカ工業のモエンサイディングは、1974年に誕生しています。
この商品と相前後して、防水層も使われ出したと想像します。
ここの変化は大きく、外壁は
「現場で、単層構造」から「工場生産品を複層構造で仕上げる」ものに切り替わっていくのですね。
ここで出てくる「防水層」なるものがくせ者なのです。
よく断熱材を入れだしてから壁体内で結露が始まった。
という話がありますが、
正確には「断熱材」によって結露が酷くなっただけで、
防水層の登場と同時に壁体内結露は始まっていたのです。
室内と室外の間に、それまで無かった水も湿気も通さない膜が出来たのです。
当然と言えば当然ですね。
なお、この時代には、通気工法等と言うものは、影も形もありません。
公庫の仕様書に「通気工法」が掲載されるようになったのは、結構最近(25年ぐらい前かな)なのです。
この時代の外壁とは、柱の外側に防水シートを巻いて、サイディングを正面からビスで留める。
というもの凄く原始的なものでした。
こんな感じで、現在の主流を占めるサイディングは生まれたのです。
この話は、次回に続きます。
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