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2012年5月7日のアーカイブ
隙間は名刺サイズ
- 2012年5月7日 10:05 PM
- 「かしこい家」の性能
ゴールデンウィークが明けました。
「長い事休んだから、ぼちぼちやるよ」
という事で、大工さんの仕事は気密処理からスタートです。
壁の気密は終わったのですが、天井(屋根)は終わっていないのです。
上部からの処理でほぼ完璧だと思うのですが、「念には念を」を入れます。
大きな隙間は断熱材を吹き込み、そうでないところはコーキング。
もちろん指示だけではなく、理由を説明して、納得してもらってからお願いしています。
昨月、来日されていたクーラーさんが講演会の後の質疑応答でこんな話をしていました。
質問者 「高性能な家を造る時に、大切な事は何ですか?」
クーラーさん 「一番大切なのは気密です」
その言葉は、現場に携わる者として非常に納得できます。
一般的に高性能な家に必要な要素は、断熱、気密、換気と言われていますが、
その重要度のトップが気密という訳です。
理由は2つ
①後で行うのがとても大変
断熱と換気は後から追加・変更できますが、気密を後から確保するのは至難の業。
一般住宅の隙間は、全部集めたらA4サイズぐらいのサイズになります。
その隙間が外周にバラバラと散らばっていると思って下さい。
気密工事とは、その隙間を名刺サイズまで小さくする事です。
そんな工事、家が完成してからできる訳ありません。
②断熱や換気を生かすも殺すも気密しだい
これだけじゃ解らないですよね。個々に解説します。
☆気密を取らない断熱
隙間がある訳なので、最大限の性能が発揮できません。
でも、それはあまり大きな問題ではなく、
どちらかと言えば、気密を取らない断熱が壁の中で結露を起こす。
これが大問題です。
窓の結露とは違い見えない結露なので、防ぎようがありません。
カビ発生原因の有力候補かつ、構造体腐朽の温床です。
☆気密を取らない換気
空気の流れがコントロールしづらくなり、換気がうまくできません。
例えば、部屋の中の空気を入れ換えるためには、対角線上(一番離れた位置)に給気口と排気口をセットします。
その時、排気口の近くに穴があったらどうなるでしょうか。
「給気口→排気口」という流れにならず、
「近くの穴→排気口」(ショートカットと言います)となってしまい、
せっかくの換気性能が発揮できません。
水やりのホースの途中に、穴がいっぱい空いていたら・・・うまく水が出ない。そんな感じです。
ついでに逆も考えてみましょう。
☆断熱をしない気密
まぁ寒いでしょうが、少なくとも隙間風は減るでしょうから、マイナスはありません。
☆換気をしない気密
換気を止めると結露がおこりやすくなりますが、それは換気の問題。
それでも気密をしておけば、壁体内の結露を起こす事が防げます。
という風に、気密性能を上げる事でプラスはあっても、マイナスはありません。
少し話は変わりますが、気密住宅は「息苦しくなるのでは」と不安を抱く人もいます。
こちらのフォローを少し。
最近の住宅は、昔と違って立て付けがしっかりしています。
上でも書きましたが、隙間は家一棟でA4用紙一枚程度。
アルミサッシ以前の住宅で、隙間風を肌で感じられるレベル(大きな隙間)だと別でしょうが、
現在の新築住宅において、「隙間による自然換気」というメリットは期待できません。
逆に「中途半端に小さな隙間」にはマイナスがいっぱいなのです。
「高気密」なんて堅い言い回しが、良くないのでしょうね。
隙間は名刺サイズにしましょう。
このキャッチコピーならどうでしょうか。
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