- 2016年3月12日 7:36 AM
- CACICOウォール
前回は、絆創膏の話でした。
この絆創膏ネタ、実はもの凄く大きな問題が背後にあります。
医療行為における「消毒」の必要性が激減するレベル。
ですが、まぁその話は置いといて
前回のまとめです。
一般的な絆創膏は、
皮膚表面を外部環境にする事を目的としています。
ホントは覆いたくないのです。だけど実生活上無理なので消極的に貼ります。
高級絆創膏は、
皮膚表面を外部環境から切り離す事を目的としています。
特に乾燥を防ぐために、通気させない事が目的ですから、積極的に貼ります。
で、改めて
これって、実は外壁の構造とよく似ているのですね。
絆創膏が外壁で言うところのサイディングと考えて下さい。
絆創膏の使命をサイディング風に書き直します。
一般的な絆創膏
外界から傷口を守るシェルターでありつつ、傷口を乾燥させるための通気は必要。
まんま通気工法だと思いませんか?
高級絆創膏
外界から傷口を守るシェルターであるし、傷口も外部の自然環境から切り離したいため、通気は不要。
こちらは非通気工法、つまりCACICOの行っている接着式外断熱です。
現在主流の通気工法は、名前の通り、サイディングと防水層の間を積極的に通気させます。
その進化は、以前サイディングの誕生でまとめた通り。
複層構造の外壁ゆえに、防水層が必要とされ、
漏水防止の観点から空間を空けるようになり、
結露対策で防水シートに透湿性を開発し、
空気を積極的に動かす。
そして最新トピックスは
夏場の逆転結露を防ぐために、室内のベーパーバリア(防湿層)に調湿機能を設ける。
一つ一つはごもっともで、目的に対して誠実なのですが、
何かボタンを掛け違えている気がするのです。
さて、ここから勝手問答をしてみます。
Q 何故、通気をしないといけないのか
A 構造体内の湿気を放出しないと、結露が起こるから。
と言うのが模範解答。
Q 何故、結露が起きるのか
A 耐力壁は(透湿防水シート越しに)外気に接しているため、温度が低いから
これも正しい解答です。では引き続いて
Q 結露が起きないように出来ないのか?
A 室内側の防湿層は完璧では無いため、構造体内へ水蒸気が入る事をゼロにはできない。
なので、不可能。
ですよね。では質問を変えましょう。
Q 耐力壁の温度が露点を下回らないとしたらどうか。
A 通気工法では、不可能な前提である。
と言う訳で話は平行線を辿るのですが、あえて続けます。
何らかの手段で、耐力壁の温度を確保(露点まで下げない)出来るとしたら、
構造体内に水蒸気が入って来ても結露は発生しません。
傷口(防水層)を過酷な自然環境にさらす行為を、通気と呼んで「良い事」とする意味が無くなります。
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