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柱ぐるぐる
- 2014年11月10日 11:37 PM
- CACICOウォール
軒の出が大きい家。
と言うのは、個人的に良い事だと思ってます。
日射取得の観点では、出過ぎは困りものですが、
暑い時期の長いうどん県では、日射遮蔽の方が優先です。
当然ながら雨風をしのぐという意味でも、非常に有利側に働きます。
大きくしたい場合は柱が必要です。
この柱、構造的には重要な役割ですが、木部+塗装という仕上げも多いですね。
(建築業界では「化粧仕上げ」と言います)
でも今回は、すべて外断熱という選択です。
もちろん、CACICOの工事ですから、塗り防水+断熱材の接着固定です。
断熱したって、快適には関係ない?
もちろんその通りですが、構造体の耐久性には大きく寄与します。
一般的には、外部環境にさらされる事の多い軒の柱ですが。
室内に近い環境下になります。
これで、柱(つまり木材)の耐久性は、飛躍的にあがります。
塗装仕上げの場合は、定期的なメンテナンスが不可欠ですが、それからも大きく開放されます。
柱の快適は、建物の長寿命に繋がるのです。
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ビフォアフターでコンクリートの蓄熱性が
- 2014年8月2日 8:27 AM
- CACICOウォール
私、あまり・・・と言うか、ほぼテレビを見ません。
ですが、時々見る番組に「劇的 ビフォーアフター」があります。
7/27に放送した作品ですが、
連れ合いが「CACICOの仕事に近いよ」と言うものですから、見てみました。
出てきたのは築50年の鉄筋コンクリート2階建て。
確かに最近のブログネタと同じ対象です。
改修を断熱の事だけに絞ると
屋根は屋上で外断熱
壁は内側で現場発泡の内断熱
でした。
鉄筋コンクリート(正確にはコンクリートブロック)の内側で現場発泡は、
正直言って薦められたものではありません。
特に木造住宅に多用される100倍発泡をコンクリートに使うのはNGですが、
屋上の外断熱は大正解です。
さて、壁の現場発泡が何故NGかを説明します。
現場発泡ウレタンには、大きく分けて100倍発泡と30倍発泡があり、
発泡倍率の差以上に、性質が大きく違います。
100倍発泡は連続気泡で、
30倍発泡は独立気泡です。
(因みに断熱性能は100倍より30倍が優れています)
住宅で使われるのは、コストの関係で100倍発泡。
で、上記でNGと言ったのは、
性能差ではなく100倍発泡の「連続発泡」という性質です。
気泡が独立している場合は湿気が表面で止まるのですが、
連続発泡の場合は、スポンジのように吸い込んでしまいます。
テレビでは倍率に言及していませんが、見ためは100倍発泡でした。
また外壁は(番組的には触れられていなかったので)単に塗り直しただけと思われます。
と言うことは、
外壁の構成は、仕上げ材+モルタル+コンクリートブロックです。
つまり湿気は入り放題で、断熱材は湿気に弱い。
何より、屋根においては、
「コンクリートの蓄熱性を考えて外断熱」
と言っておきながら、同じ事を壁に適応しないのは何故?
と思ってしまいました。
もっとも、コンクリートの蓄熱性が普通に説明されたことには感動しましたが。
「前回(7/13)の放送分も、外断熱だったよ」
と合いの手が入ったので、引き続き録画したのを見ました。
こちらは
壁が外断熱で、大きな掃き出し窓がトリプルガラス
という仕様でした。
断熱仕様には先程と同様「?」ポイントもありましたが、
二回連続、ちょっと変わった断熱(外断熱やトリプルガラス)が出てくるのは発見でした。
(相変わらず、「おいおい」と言いたくなるようなギミックは置いといて・・・)
「熱のコントロール」がTVネタとして有用になってきたんだなぁと感慨深いです。
どんな形であれ、取り上げられるのは良いことです。
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打ちっ放しが悪いのか?
- 2014年8月1日 6:18 PM
- CACICOウォール
3回連続同じ話題です。
タイトルの回答は、私としては「ハイ」です。
ですが、打ちっ放しだけが、悪い訳ではありません。
ほとんどの鉄筋コンクリートの建物が、打ちっ放しと似た状況下にいます。
外側にタイルを貼ろうが、吹き付けしていようが、打ちっ放しより少しマシなだけなのです。
何故そんな事が言えるかというと、
コンクリート外側仕上げ材の防水能力がたいしたことが無いからです。
まぁ、「剥き出しよりはマシ」という場合がほとんど。
マンションは20年後の大規模修繕を前提にマンション立てているわけですから。
定期的に大規模修繕工事を獲得する目的で、ワザと性能が低いのでは?
と勘ぐりたくなるレベルです。
さて、以前3つのポイントを上げました。
①水に弱い
②結果として、寿命が極端に短くなる
③温熱環境が守れない
ですね。
①と②の話を、なんとなくしていたのですが、ここでデーターなるものを。
理屈は分かったけど、確証は?
ということで、このデーターを。
こちらは、北海道建築技術協会が発行している「外断熱工法ハンドブック2003」からの引用です。
鉄筋コンクリートの寿命の実験です。
内断熱の場合は、65年で、
外断熱の場合は、180年で、
鉄筋の腐食が始まるというデーターが発表されています。
だ・か・ら・外断熱が良い。
という話なのですが、その理由を推察します。
外断熱をしている場合、コンクリートの外側に「断熱材」という層が追加されます。
少なくても3㎝以上の厚みを持つ断熱材。
この存在が外部からの雨水等の侵入を防ぎ、
結果として、コンクリートを長寿命化させているのです。
なので、
コンクリート打ちっ放し
コンクリート+仕上げ材
コンクリート+断熱材+仕上げ材
の順で寿命が延びていくのです。
とてもシンプルですが、だからこそ納得できるのです。
コンクリートの爆裂
- 2014年7月18日 6:00 AM
- CACICOウォール
鉄筋コンクリートは構造体の続きです。
水の侵入を許した鉄筋コンクリートに何が待っているか?
爆裂です。
バクレツ なかなかアタック感のある言葉です。
爆裂なんて言葉、映画かマンガの中ぐらいにしか出てこないですよね。
初めてお聞きの方もいると思いますので、少しご説明を。
コンクリートは基本、強アルカリです。
文科系なので理由は省きますが、このアルカリ状態が鉄筋をサビから守るのです。
ですが、水や二酸化炭素の侵入を許すと、「アルカリ→酸性」に変わっていきます。
これを中性化と言います。
コンクリートの中性化が進むと、鉄筋を守れなくなって錆が発生します。
この「錆」がやっかいなのです。
金属としての強度が無くなると共に、体積が2倍ほどに膨れあがります。
爆裂とは、その膨れあがった錆が、コンクリートを内部から破壊した状態を指すのです。
書いているだけで、怖くなってきますね。
これ、実はどんなビルでも「普通」に発生します。
例えば「大規模修繕」という言葉があります。
(今回はいろんな言葉が出てきます)
分譲マンションにお住まいの方はご存じかと思いますが、
月々、結構な額を修繕積立金として支払います。
それは20年間隔で施工される(予定の)大規模修繕に備えるものなのです。
大規模修繕とは、建物全体の大がかりな補修工事。
その中に上記の爆裂の補修もしくはその予防が含まれるのです。
もちろん、爆裂してから補修するより、問題になりそうな所を事前に処理する事が望まれます。
爆裂補修は言ってみれば、虫歯治療のようなものだからです。
どちらの場合においても、治療の最善は「現状維持」です。
決して、元の状態には戻りません。
暗いオチのまま、続きは次回です。
鉄筋コンクリートは構造体
- 2014年7月17日 5:00 AM
- CACICOウォール
鉄筋コンクリートは構造体です。
これ、うどんは食べ物です。
と言っているぐらい当たり前ですよね。
なので、もう一つ追加します。
鉄筋コンクリートは仕上げ材に不向きです。
こちらは異論のある人が多いと思います。
香川県内には、「コンクリート打ちっ放し」という建物が至る所にあります。
特に直島に集中している感がありますね。
でも大切な事ですから、もう一回言います。
鉄筋コンクリートは仕上げ材に不向きです。
ここで話しているのは、美醜とか好き嫌いというレベルではありません。
単純に、「特性」として向いていないと言う事です。
外壁仕上げ材に鉄筋コンクリートを使った場合のポイントを簡単にまとめます。
①水に弱い。
②結果として、寿命が極端に短くなる
③温熱環境が守れない
まず①から
構造体の中に隙間がないため、
施工不良でもない限り「いきなり漏水」なんてことはありません。
なので水に強そうですが、そうではありません。
コンクリートに水をかけるとどうなるか?
そうです、吸い込まれます。
もうそれだけで十分です。
表面を撥水処理とかするのでしょうが、基本、水が染み込む材料なのです。
それを何故、仕上げに使うのか?
数年で薄汚れた打ちっ放しが多く存在しますが、
「汚れている」という事は、構造体内に「水」の侵入を許しているのと同義です。
長期スパンで考えれば、費用対効果が低いと言わざるを得ません。
②以降は、次回に書きますね。
東へ西へ
- 2014年4月3日 5:21 PM
- CACICOウォール
今、観音寺と三本松の現場がスタートしています。
言ってしまえば、香川の西の端と東の端です。
いくら香川県が日本一小さい県と言っても、ちょっとたいへん。
高速をダラ~っと走るのは嫌ではないのですが、両方行くとそれだけで半日が終わってしまいます。
先行しているのは、観音寺の現場です。
防水工事が終了し、引き続き、断熱材貼りに移っています。
塗り防水は、透湿防水シートと違って手間がかかります。
今回も施工終了まで4日間必要でした。
さて、今回ご紹介する新兵器が、こちらの熱線カッター。
一時期、自作も想定して画策していたのですが、何とか製造メーカーに巡り会えました。
メーカーさんから見本品をお借りしたのが、昨年の12月です。ブログにも書いてますね。
触ってみた結果、数点ほど改良して欲しいことがでてきました。
そのやりとりのために発注・製作が延びてしまったのですが、3月末にようやく届いたのです。
つまり、CACICOオリジナルの熱線カッターです。
現在は、松山と高松で稼働中ですが、いやぁ、やっぱ良いです。
何せ切断が、簡単で正確。で・・・無音。
特にリフォームの現場において、「音」で迷惑をかけないのは、大きなポイントだと思います。
ちょっとお高いのが、玉に瑕なんですけどね。
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ビルの雨漏り
- 2014年1月28日 7:56 PM
- CACICOウォール
ビル(鉄筋コンクリート造)の漏水は外壁からが多いそうです。
屋上は平らで雨を受けやすい気がするのに、、なぜ壁なのか?
今回は、その理由を考えてみます。
屋上の防水工事ですが、実は結構簡単な事に気づきました。
ビルの屋上は、屋根がかかっているのではなく、四方が立ち上がった(パラペット)平面である事がほとんど。
つまり、作業をする時に足場が不要。
その上、窓のような障害物が、ほぼありません。
また、防水工事は、上に層を重ねていけば良いので、厚みや重さも気にする必要がありません。
で、トドメとしては、美観があまり問われない。
で、逆のことが壁の問題点として表れるのです。
作業に足場が不可欠
窓を始めとして、形状や取り合いが複雑
垂直面に固定する必要があるため、厚みや重さは大切で、施工方法も限られる。
外部から見えるので、美観は必要
とまぁ条件的としては、壁が圧倒的に面倒。
その上、高層になるほど、屋上より外壁の面積の方が広くなりますから、
外壁からの漏水が多いのも頷けます。
次回は、その対応策を「素人目線」で考えます。
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断熱材の切断について
- 2014年1月27日 4:39 PM
- CACICOウォール
先日、断熱材の加工&加工機械の製作をしている会社にお邪魔しました。
現在、断熱材の切断は、丸ノコで行っています。
ですが、この方法。ベストと言う訳ではありません。
理由は、いくつかあります。
①切りくずがでる
②音がする
③狭い所で作業できない
この辺りが主な所でしょうか。
①の切りくずは、「刃」を、断熱材専用の物に変えると、少し押さえられますが、完璧ではありません。
また、②の音は、どうしても出てしまいます。
もちろん、建築現場には「音」が付きものですが、無いに越したことはありません。
特にリフォームでは、大切なポイントかも知れません。
「ご近所への気遣い」と言うのもありますが、生活をしながらの工事となれば、音は結構なストレスになりますから。
で、ちょっと説明が要るのは③です。
まずは、現在の作業状況をご説明します。
断熱材を貼る作業は、一人でもできますが、それでは効率が悪いので分業で進めます。
その場合は、
一人が採寸と貼り付け。
もう一人が切断と接着用のモルタルを塗布。
という関係になるのですが、これがくせ者。
距離が近ければ良いのですが、距離が離れると、材料を運ぶ手間や、サイズを伝える伝令役も必要になってきます。
原因は何かというと、断熱材の切断する場所が限られてしまうから。
丸ノコでの切断には、広いスペースが必要なので、地面の上でしか作業ができません。
1階を貼っている間は良いのですが、工事が進むと、どんどん距離が離れていきます。
屋根に近い、建物の裏側。なんて言ったら、移動時間も馬鹿になりません。
個人住宅であれば、そうでもありませんが、これがマンションとか、となったら大変です。
では、大型物件の外断熱工事はどうしているかと言うと、足場の上で切断作業をします。
つまり③の狭いスペースと言うのは、足場の上で切断することを想定しているのです。
どのように?
こんな感じで「立てかけて」、「熱線」でカットします。
この方法であれば、問題なく足場の上で作業ができます。
もちろん、①の切りくずや②の音の問題も解消できますので、
全てのポイントで、熱線カッターが有利なのです。
唯一の障害は、機械のコストですかね。
透湿防水シートは過酷な環境にいる
- 2014年1月22日 7:46 PM
- CACICOウォール
前々回のブログで、透湿防水シートには「強度が不要」のように書きました。
これは「透湿シート協会」の条件では・・・というだけで、「強度」自体は必要です。
ただし、CACICOが透湿防水シートに求めるのは、防水シート施工時の強度ではありません。
必要なのは、
①外壁固定時のビスに対する
②熱、空気に触れ続ける事に対する
強度と耐久性です。
本来的には、
数十年後、外壁を撤去した時にも透湿防水シートが再利用できることが望まれます。
ですが、ほとんどの透湿防水シートは、この目標を達成できる気がしません。
特に問題なのは、
シート同士は重なっているだけで、隙間が有り、
固定のために多くの穴が開いているため
外部の湿気から、有効に構造体を守る事ができないのです。
(防水はできます。念のために)
この「外部の湿気から構造体を守る」事ができるのが、
粘着式透湿防水シートの最大の利点と言えます。
全面で貼り付いており、かつ固定するための穴も存在しないため、
下地が外気に直接触れることがありません。
一方、透湿防水シートの表面、つまり通気層内部の環境を考えてみます。
「直射日光と物理的な衝撃が無い」という点では外壁表面より有利ですが、言ってみればそれだけ。
通気が正常に働いていても温熱環境は、外気より不利です。
夏場、通気層内が高温・高湿度になる事は容易に想像できますし、
冬場は、直射日光が当たる外壁面は、それなりに温度が上がりますから、自然と寒暖の差は激しくなります。
つまり透湿防水シートには、
外壁とは違う意味で、強度と耐久性が必要となります。
それほど通気層の環境は過酷なのです。
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通気層があると言う事
- 2013年12月23日 11:07 PM
- CACICOウォール
前回、通気層の有る無しで、防水のレベルが変わってしまう。
というエントリーをしました。
だからと言って、「通気層工法がベスト」という結論にはならないというのが今回のネタ。
少し昔の話をします。
通気層工法の歴史は、多分2~30年。その前は、直貼り工法が主でした。
防水シート越しに、サイディングをビス留めしていくのです。
つまり、サイディングと防水シートが接しているので、
「毛細管現象」が起こりやすく、漏水も多かった。
そこで隙間を空けたのが、通気工法。
という展開です。
外壁の施工にビスや釘を使う以上、防水層の穴を無くす訳にはいきません。
なので、毛細管現象が起こらないよう、空間を広げたと。
一方、隙間を空ける事が出来ない外壁もありました。
それが湿式外断熱です。
こちらは、空間を確保できないので、防水層の強化を行った。
それが、防水層の穴を無くしたCACICOの接着工法です。
(国も時期も違いますが、分かりやすくまとめました)
毛細管現象を無くすか、防水層の穴を無くすか、という差。
どちらが良いか?
と言うのは、仕上げが違うので、較べる事が出来ません。
ただ、通気工法が持つ課題だけを紹介しておきます。
通気工法は、文字通り、外壁や屋根の内側で空気の通り道を作ります。
「通り道」なのですから、上下に穴が必要です。
この穴がくせ者なのです。
なぜなら、穴が開いている=そこから水が浸入する可能性がある。
と言う事だから。
つまり、通気をさせる事によって、
毛細管現象は防げるが、外壁の裏側に水を浸入させる危険性が増える。
と言うジレンマが、通気工法には存在するのです。
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