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柱ぐるぐる

軒の出が大きい家。

と言うのは、個人的に良い事だと思ってます。

日射取得の観点では、出過ぎは困りものですが、

暑い時期の長いうどん県では、日射遮蔽の方が優先です。

当然ながら雨風をしのぐという意味でも、非常に有利側に働きます。

で、木造の場合庇で持ち出すのは限界があるため、

大きくしたい場合は柱が必要です。

この柱、構造的には重要な役割ですが、木部+塗装という仕上げも多いですね。

(建築業界では「化粧仕上げ」と言います)

 

でも今回は、すべて外断熱という選択です。

もちろん、CACICOの工事ですから、塗り防水+断熱材の接着固定です。

断熱したって、快適には関係ない?

もちろんその通りですが、構造体の耐久性には大きく寄与します。

一般的には、外部環境にさらされる事の多い軒の柱ですが。

室内に近い環境下になります。

これで、柱(つまり木材)の耐久性は、飛躍的にあがります。

塗装仕上げの場合は、定期的なメンテナンスが不可欠ですが、それからも大きく開放されます。

柱の快適は、建物の長寿命に繋がるのです。

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ビフォアフターでコンクリートの蓄熱性が

私、あまり・・・と言うか、ほぼテレビを見ません。

ですが、時々見る番組に「劇的 ビフォーアフター」があります。

7/27に放送した作品ですが、

連れ合いが「CACICOの仕事に近いよ」と言うものですから、見てみました。

出てきたのは築50年の鉄筋コンクリート2階建て。

確かに最近のブログネタと同じ対象です。

 

改修を断熱の事だけに絞ると

屋根は屋上で外断熱

壁は内側で現場発泡の内断熱

でした。

鉄筋コンクリート(正確にはコンクリートブロック)の内側で現場発泡は、

正直言って薦められたものではありません。

特に木造住宅に多用される100倍発泡をコンクリートに使うのはNGですが、

屋上の外断熱は大正解です。

 

さて、壁の現場発泡が何故NGかを説明します。

現場発泡ウレタンには、大きく分けて100倍発泡と30倍発泡があり、

発泡倍率の差以上に、性質が大きく違います。

100倍発泡は連続気泡で、

30倍発泡は独立気泡です。

(因みに断熱性能は100倍より30倍が優れています)

住宅で使われるのは、コストの関係で100倍発泡。

で、上記でNGと言ったのは、

性能差ではなく100倍発泡の「連続発泡」という性質です。

気泡が独立している場合は湿気が表面で止まるのですが、

連続発泡の場合は、スポンジのように吸い込んでしまいます。

テレビでは倍率に言及していませんが、見ためは100倍発泡でした。

また外壁は(番組的には触れられていなかったので)単に塗り直しただけと思われます。

と言うことは、

外壁の構成は、仕上げ材+モルタル+コンクリートブロックです。

つまり湿気は入り放題で、断熱材は湿気に弱い。

何より、屋根においては、

「コンクリートの蓄熱性を考えて外断熱」

と言っておきながら、同じ事を壁に適応しないのは何故?

と思ってしまいました。

もっとも、コンクリートの蓄熱性が普通に説明されたことには感動しましたが。

 

「前回(7/13)の放送分も、外断熱だったよ」

と合いの手が入ったので、引き続き録画したのを見ました。

こちらは

壁が外断熱で、大きな掃き出し窓がトリプルガラス

という仕様でした。

断熱仕様には先程と同様「?」ポイントもありましたが、

二回連続、ちょっと変わった断熱(外断熱やトリプルガラス)が出てくるのは発見でした。

(相変わらず、「おいおい」と言いたくなるようなギミックは置いといて・・・)

「熱のコントロール」がTVネタとして有用になってきたんだなぁと感慨深いです。

どんな形であれ、取り上げられるのは良いことです。

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打ちっ放しが悪いのか?

3回連続同じ話題です。

タイトルの回答は、私としては「ハイ」です。

ですが、打ちっ放しだけが、悪い訳ではありません。

ほとんどの鉄筋コンクリートの建物が、打ちっ放しと似た状況下にいます。

外側にタイルを貼ろうが、吹き付けしていようが、打ちっ放しより少しマシなだけなのです。

何故そんな事が言えるかというと、

コンクリート外側仕上げ材の防水能力がたいしたことが無いからです。

まぁ、「剥き出しよりはマシ」という場合がほとんど。

マンションは20年後の大規模修繕を前提にマンション立てているわけですから。

定期的に大規模修繕工事を獲得する目的で、ワザと性能が低いのでは?

と勘ぐりたくなるレベルです。

さて、以前3つのポイントを上げました。

①水に弱い

②結果として、寿命が極端に短くなる

③温熱環境が守れない

ですね。

①と②の話を、なんとなくしていたのですが、ここでデーターなるものを。

理屈は分かったけど、確証は?

ということで、このデーターを。

こちらは、北海道建築技術協会が発行している「外断熱工法ハンドブック2003」からの引用です。

鉄筋コンクリートの寿命の実験です。

内断熱の場合は、65年で、

外断熱の場合は、180年で、

鉄筋の腐食が始まるというデーターが発表されています。

だ・か・ら・外断熱が良い。

という話なのですが、その理由を推察します。

外断熱をしている場合、コンクリートの外側に「断熱材」という層が追加されます。

少なくても3㎝以上の厚みを持つ断熱材。

この存在が外部からの雨水等の侵入を防ぎ、

結果として、コンクリートを長寿命化させているのです。

なので、

コンクリート打ちっ放し

コンクリート+仕上げ材

コンクリート+断熱材+仕上げ材

の順で寿命が延びていくのです。

とてもシンプルですが、だからこそ納得できるのです。

コンクリートの爆裂

鉄筋コンクリートは構造体の続きです。

水の侵入を許した鉄筋コンクリートに何が待っているか?

爆裂です。

バクレツ なかなかアタック感のある言葉です。

爆裂なんて言葉、映画かマンガの中ぐらいにしか出てこないですよね。

初めてお聞きの方もいると思いますので、少しご説明を。

コンクリートは基本、強アルカリです。

文科系なので理由は省きますが、このアルカリ状態が鉄筋をサビから守るのです。

ですが、水や二酸化炭素の侵入を許すと、「アルカリ→酸性」に変わっていきます。

これを中性化と言います。

コンクリートの中性化が進むと、鉄筋を守れなくなって錆が発生します。

この「錆」がやっかいなのです。

金属としての強度が無くなると共に、体積が2倍ほどに膨れあがります。

爆裂とは、その膨れあがった錆が、コンクリートを内部から破壊した状態を指すのです。

書いているだけで、怖くなってきますね。

これ、実はどんなビルでも「普通」に発生します。

例えば「大規模修繕」という言葉があります。

(今回はいろんな言葉が出てきます)

分譲マンションにお住まいの方はご存じかと思いますが、

月々、結構な額を修繕積立金として支払います。

それは20年間隔で施工される(予定の)大規模修繕に備えるものなのです。

大規模修繕とは、建物全体の大がかりな補修工事。

その中に上記の爆裂の補修もしくはその予防が含まれるのです。

もちろん、爆裂してから補修するより、問題になりそうな所を事前に処理する事が望まれます。

爆裂補修は言ってみれば、虫歯治療のようなものだからです。

どちらの場合においても、治療の最善は「現状維持」です。

決して、元の状態には戻りません。

暗いオチのまま、続きは次回です。

鉄筋コンクリートは構造体

鉄筋コンクリートは構造体です。

これ、うどんは食べ物です。

と言っているぐらい当たり前ですよね。

なので、もう一つ追加します。

鉄筋コンクリートは仕上げ材に不向きです。

こちらは異論のある人が多いと思います。

香川県内には、「コンクリート打ちっ放し」という建物が至る所にあります。

特に直島に集中している感がありますね。

でも大切な事ですから、もう一回言います。

鉄筋コンクリートは仕上げ材に不向きです。

ここで話しているのは、美醜とか好き嫌いというレベルではありません。

単純に、「特性」として向いていないと言う事です。

外壁仕上げ材に鉄筋コンクリートを使った場合のポイントを簡単にまとめます。

①水に弱い。

②結果として、寿命が極端に短くなる

③温熱環境が守れない

まず①から

構造体の中に隙間がないため、

施工不良でもない限り「いきなり漏水」なんてことはありません。

なので水に強そうですが、そうではありません。

コンクリートに水をかけるとどうなるか?

そうです、吸い込まれます。

もうそれだけで十分です。

表面を撥水処理とかするのでしょうが、基本、水が染み込む材料なのです。

それを何故、仕上げに使うのか?

数年で薄汚れた打ちっ放しが多く存在しますが、

「汚れている」という事は、構造体内に「水」の侵入を許しているのと同義です。

長期スパンで考えれば、費用対効果が低いと言わざるを得ません。

②以降は、次回に書きますね。

東へ西へ

今、観音寺と三本松の現場がスタートしています。

言ってしまえば、香川の西の端と東の端です。

いくら香川県が日本一小さい県と言っても、ちょっとたいへん。

高速をダラ~っと走るのは嫌ではないのですが、両方行くとそれだけで半日が終わってしまいます。

先行しているのは、観音寺の現場です。

防水工事が終了し、引き続き、断熱材貼りに移っています。

塗り防水は、透湿防水シートと違って手間がかかります。

今回も施工終了まで4日間必要でした。

さて、今回ご紹介する新兵器が、こちらの熱線カッター。

一時期、自作も想定して画策していたのですが、何とか製造メーカーに巡り会えました。

メーカーさんから見本品をお借りしたのが、昨年の12月です。ブログにも書いてますね。

触ってみた結果、数点ほど改良して欲しいことがでてきました。

そのやりとりのために発注・製作が延びてしまったのですが、3月末にようやく届いたのです。

つまり、CACICOオリジナルの熱線カッターです。

現在は、松山と高松で稼働中ですが、いやぁ、やっぱ良いです。

何せ切断が、簡単で正確。で・・・無音。

特にリフォームの現場において、「音」で迷惑をかけないのは、大きなポイントだと思います。

ちょっとお高いのが、玉に瑕なんですけどね。

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ビルの雨漏り

ビル(鉄筋コンクリート造)の漏水は外壁からが多いそうです。

屋上は平らで雨を受けやすい気がするのに、、なぜ壁なのか?

今回は、その理由を考えてみます。

 

屋上の防水工事ですが、実は結構簡単な事に気づきました。

ビルの屋上は、屋根がかかっているのではなく、四方が立ち上がった(パラペット)平面である事がほとんど。

つまり、作業をする時に足場が不要。

その上、窓のような障害物が、ほぼありません。

また、防水工事は、上に層を重ねていけば良いので、厚みや重さも気にする必要がありません。

で、トドメとしては、美観があまり問われない。

 

で、逆のことが壁の問題点として表れるのです。

作業に足場が不可欠

窓を始めとして、形状や取り合いが複雑

垂直面に固定する必要があるため、厚みや重さは大切で、施工方法も限られる。

外部から見えるので、美観は必要

とまぁ条件的としては、壁が圧倒的に面倒。

その上、高層になるほど、屋上より外壁の面積の方が広くなりますから、

外壁からの漏水が多いのも頷けます。

次回は、その対応策を「素人目線」で考えます。

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断熱材の切断について

先日、断熱材の加工&加工機械の製作をしている会社にお邪魔しました。

現在、断熱材の切断は、丸ノコで行っています。

ですが、この方法。ベストと言う訳ではありません。

理由は、いくつかあります。

切りくずがでる

音がする

狭い所で作業できない

この辺りが主な所でしょうか。

の切りくずは、「刃」を、断熱材専用の物に変えると、少し押さえられますが、完璧ではありません。

また、の音は、どうしても出てしまいます。

もちろん、建築現場には「音」が付きものですが、無いに越したことはありません。

特にリフォームでは、大切なポイントかも知れません。

「ご近所への気遣い」と言うのもありますが、生活をしながらの工事となれば、音は結構なストレスになりますから。

 

で、ちょっと説明が要るのはです。

まずは、現在の作業状況をご説明します。

断熱材を貼る作業は、一人でもできますが、それでは効率が悪いので分業で進めます。

その場合は、

一人が採寸と貼り付け。

もう一人が切断と接着用のモルタルを塗布。

という関係になるのですが、これがくせ者。

距離が近ければ良いのですが、距離が離れると、材料を運ぶ手間や、サイズを伝える伝令役も必要になってきます。

原因は何かというと、断熱材の切断する場所が限られてしまうから。

丸ノコでの切断には、広いスペースが必要なので、地面の上でしか作業ができません。

1階を貼っている間は良いのですが、工事が進むと、どんどん距離が離れていきます。

屋根に近い、建物の裏側。なんて言ったら、移動時間も馬鹿になりません。

個人住宅であれば、そうでもありませんが、これがマンションとか、となったら大変です。

では、大型物件の外断熱工事はどうしているかと言うと、足場の上で切断作業をします。

つまりの狭いスペースと言うのは、足場の上で切断することを想定しているのです。

どのように?

 

こんな感じで「立てかけて」、「熱線」でカットします。

この方法であれば、問題なく足場の上で作業ができます。

もちろん、①の切りくずや②の音の問題も解消できますので、

全てのポイントで、熱線カッターが有利なのです。

唯一の障害は、機械のコストですかね。

透湿防水シートは過酷な環境にいる

前々回のブログで、透湿防水シートには「強度が不要」のように書きました。

これは「透湿シート協会」の条件では・・・というだけで、「強度」自体は必要です。

ただし、CACICOが透湿防水シートに求めるのは、防水シート施工時の強度ではありません。

必要なのは、

①外壁固定時のビスに対する

②熱、空気に触れ続ける事に対する

強度と耐久性です。

本来的には、

数十年後、外壁を撤去した時にも透湿防水シートが再利用できることが望まれます。

ですが、ほとんどの透湿防水シートは、この目標を達成できる気がしません。

特に問題なのは、

シート同士は重なっているだけで、隙間が有り、

固定のために多くの穴が開いているため

外部の湿気から、有効に構造体を守る事ができないのです。

(防水はできます。念のために)

この「外部の湿気から構造体を守る」事ができるのが、

粘着式透湿防水シートの最大の利点と言えます。

全面で貼り付いており、かつ固定するための穴も存在しないため、

下地が外気に直接触れることがありません。

 

一方、透湿防水シートの表面、つまり通気層内部の環境を考えてみます。

「直射日光と物理的な衝撃が無い」という点では外壁表面より有利ですが、言ってみればそれだけ。

通気が正常に働いていても温熱環境は、外気より不利です。

夏場、通気層内が高温・高湿度になる事は容易に想像できますし、

冬場は、直射日光が当たる外壁面は、それなりに温度が上がりますから、自然と寒暖の差は激しくなります。

つまり透湿防水シートには、

外壁とは違う意味で、強度と耐久性が必要となります。

それほど通気層の環境は過酷なのです。

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通気層があると言う事

前回、通気層の有る無しで、防水のレベルが変わってしまう。

というエントリーをしました。

だからと言って、「通気層工法がベスト」という結論にはならないというのが今回のネタ。

少し昔の話をします。

通気層工法の歴史は、多分2~30年。その前は、直貼り工法が主でした。

防水シート越しに、サイディングをビス留めしていくのです。

つまり、サイディングと防水シートが接しているので、

「毛細管現象」が起こりやすく、漏水も多かった。

そこで隙間を空けたのが、通気工法。

という展開です。

外壁の施工にビスや釘を使う以上、防水層の穴を無くす訳にはいきません。

なので、毛細管現象が起こらないよう、空間を広げたと。

一方、隙間を空ける事が出来ない外壁もありました。

それが湿式外断熱です。

こちらは、空間を確保できないので、防水層の強化を行った。

それが、防水層の穴を無くしたCACICOの接着工法です。

(国も時期も違いますが、分かりやすくまとめました)

つまり防水の手法は2種類でした。

毛細管現象を無くすか、防水層の穴を無くすか、という差。

どちらが良いか?

と言うのは、仕上げが違うので、較べる事が出来ません。

 

ただ、通気工法が持つ課題だけを紹介しておきます。

通気工法は、文字通り、外壁や屋根の内側で空気の通り道を作ります。

「通り道」なのですから、上下に穴が必要です。

この穴がくせ者なのです。

なぜなら、穴が開いている=そこから水が浸入する可能性がある。

と言う事だから。

つまり、通気をさせる事によって、

毛細管現象は防げるが、外壁の裏側に水を浸入させる危険性が増える。

と言うジレンマが、通気工法には存在するのです。

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