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日射遮蔽のアイテム

先日行ったAPWフォーラムで、アウターシェードの現物展示がありました。

遮熱、つまり太陽光線のカットは家の中より外が良い。という定説があります。

ですが外部環境に耐えられるように頑丈な構造にすると結構コスト高。

アウターシェードは、その辺りを狙った日射遮蔽アイテムです。

こんな感じです。

ロールスクリーンの外付け。って考えたら良いですかね。

性能は・・・

日射遮蔽係数が一番濃い色で0.23となってます。

この日射遮蔽係数。実は建築にはあまり使わない単位。

よく使うのは日射熱取得率。

 

日射遮蔽係数  SC値と呼ばれ、3mmの透明ガラスを1.00とした時の流入熱量

日射熱取得率  μ(ミュー)値と呼ばれ、3mmの透明ガラスを0.88とした時の流入熱量

 

建築全般ではμ値が使われるので、比較検討のためにμ値に代える事にしました。

またガラスのみの日射遮熱係数が空白のため、一般ペアガラスのデータです。

 

アウターシェードの一部をμ値表示

なし      0.79     

生地グレイ    0.40

生地ベージュ  0.28

生地ブラウン   0.20

数値に0.88をかけただけなんですけどね。・・・ホント紛らわしいです。

さてこれでようやく他の遮熱方法と比べる準備が出来ました。

約64%カット等と大きく書かれていますが、比較できないので忘れてください。

基準値はシングルガラスの場合で0.88です。

この数値が小さくなればなるほど性能が良いとされます。

シングルをペアにしても0.79なので、遮熱効果は少ないです。

ガラスは透明ですから仕方ない、と言う事です。

 

では性能を分析していきましょう。

注) データは「自立循環型住宅への設計ガイドライン」から引用しました。

 

生地グレイから

0.40という数値に近いのは、

内付けブラインド 0.44   紙障子 0.37  辺りです。

ブラインドより紙障子が高性能になるのは隙間の有無でしょう。

色や生地の性質は考慮されません。

遮熱型Low-Eガラス(空気層12mm)にすると0.42。

これも同等性能だと言えますね。

 

次に最高性能であるブラウン。

0.20に対応するのは、内付け商品にはありませんでした。

ガラスの性能(遮熱型Low-E)を上げて、紙障子をいれても0.26です。

なのでアウターシェードの勝ち。

・・・と言いたいところですが、実はちょっとした前提があります。

 

今までの話は「庇が無い」場合なのです。


次に庇ありの数値をご紹介します。

一般ペアガラス+庇の数値は、0.39。

庇を付けるだけで0.79が0.39に上がるのです。

この段階で生地グレイと性能が同じ。

これに紙障子をプラスしたら、0.19。

この値は、最高性能のブラウンと同じです。

つまり

庇はアウターシェードと同等性能を持つ日射遮蔽アイテムなのです。


ただし庇も決して万能ではありません。

真南からずれると性能が下がります。

計算上は真南から±30°以上ずれると南の庇とは見なされません。

東や西の窓は太陽高度が低く、庇で日光を遮りづらいのです。

 

その場合の数値は、

ペアガラス+庇の場合は0.55。

紙障子を追加しても0.26。

となります。

一方アウターシェードは形状から考えても性能劣化は少ないでしょう。

 

プラン的にどうしても東や西に大きな窓が必要。

と言う時にはアウターシェードを検討しても良いかも知れませんね。

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