- 2014年11月13日 11:55 PM
- 「かしこい家」の性能
以前、「掃き出しサッシが人気な訳」というエントリーをした事があります。
我ながらオチのない話しでした。
掃き出しというサッシが日本で人気なのは、文化的な要因が大きいと思っています。
例えば
柱と梁で建物を構成する工法。
→石や煉瓦で壁を積み上げていくやり方より、開口部が大きくなりがち。
(ヨーロッパと)比較として、温暖な地域が多い
→湿度対策で、風通しが優先しているかも。寒い地域でやると命に関わります。
外敵から侵略された経験がほぼ無い。
→京都御所には、お堀も石垣も無い(無防備な)状態で、日本で一番偉い人が暮らしていた。
みたいなトコロでしょうか。
だから日本の住宅は、無条件で掃き出しサッシが付いてきます。
除く豪雪地帯。 1階の掃き出しは雪で埋まってしまうらしいです。
でもCACICOとしては、温暖地域の掃き出しサッシも
その導入には、慎重を期すべきだと思うのです。
なぜか?
①日射取得のコントロールがしにくい。
②外から覗かれやすい。もしくは見たくないものが見える。
③室内の壁が少なくなる。
④熱環境的には不利になる。
⑤大物の搬入経路は不要
⑥リビングとウッドデッキを繋げた大きな空間って必要?
①は庇との関係でもあります。
掃き出しサッシの高さは約2m。腰窓だと1m程度なので、日差しをカットしようとした場合、
長い庇が必要となります。
7月や8月ならともかく、10月頭でも「暑い」日が続くうどん県では、
1m近く出幅があっても、掃き出しだと日射が遮れません。
②開放的と言う事は、外が良く見える&外からもよく見えます。
せっかくの掃き出しなのにカーテン閉めっぱなしだといまいち意味がありません。
③壁が少なくなる。
これは結構重要です。オープンな間取りが増えている昨今、室内の壁が減っています。
構造的な「耐力」という話ではなく、家具を置く壁が無かったりするのです。
以前、とても開放的な間取りの家があったのですが、
「テレビをどこに置くんだろう?」と悩んだ家を見た事があります。
生活を始めると、いろんな家具が発生しますし、その為には壁が必要なのです。
④当たり前の事ですが、外壁に面している部材で、一番性能が低い部分が窓です。
家の中を快適に保つために断熱をしても、窓が多いようではトータルの性能は下がります。
なので、性能が下がっても必要な理由があってしかるべきなのです。
項目には上げていませんが、
「室内は明るければ明るいほど良い」
と考える方も非常に多いです。
この要望は、なかなか論破出来ないのですが、
建築基準法で、「明るさは」確保されているので、プラスαの「明るさ」を求めるのであれば、
それなりのマイナスが発生するのも知って欲しいですね。
⑤ソファやベットなどの「大もの」搬入。というのも
大概のものは「マンションの玄関から入る」がデフォルトなので、心配要りません。
⑥は趣味なので否定できませんが、
南向きのウッドデッキという奴は、実はあまり活用されません。
何故ならば、使いたい時期に暑すぎるからです。
夏に使うのであれば、北側にデッキを取るのがお勧めです。
という風に箇条書きにすると、掃き出しでなければダメな理由ってなかったりします。
CACICO的には「2階ベランダに出る」ぐらいしか思いつきません。
それもテラスドアがあれば充分なので、引き違いの掃き出しである理由にはならないのですが・・・
ホント、掃き出しって必要ですかね。
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