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②気密の確保 一番大切な事

気密の確保が大切な話しを続けています。

今回は、先日保留していた項目について。

説明が、絶対的に長くなるからです、敢えて回を分けました。

さて、お待ちかね(?)の

気密の確保が、湿度コントロールに不可欠である理由をまとめます。

 

度々話してきましたが、快適な空気環境を造る場合に必要なのは、温度と湿度のコントロールです。

温度は比較的、力業でコントロールできますが、湿度はそれが難しい。

何故ならば湿度の拡散能力が高すぎて、「力業」が通じないのです。

 

まず、湿度コントロールに不可欠な項目を挙げてみます。

気密の確保

結露しないサッシ

全熱交換仕様の換気システム

この3つは欲しいですね。

 

さて、気密の確保に戻ります。

夏の湿度コントロールと言えば除湿です。

エアコンは、除湿をする事によって空気温度を下げる機器。

室外機にはドレイン管が設置されており、そこから水が流れているのを見た事がありますよね。

あれは室内の湿気なのです。

ですので、エアコンがあれば除湿できそうですが、実はそうではありません。

なぜなら、実の所エアコンは「除湿」が苦手です。

正確に言うと「除湿」だけ行う事ができません。。

こんな経験ありませんか?

温度を下げすぎないように29℃に設定すると、途中からモアッとした感じになる。

これは、下記のような流れで起こります。

①稼働直後

設定温度まで室温を下げる必要があるので、除湿も同時に行われている。

②室温が目標値になる

室温を下げる必要がなくなるので、除湿もしなくなる。

③室温が上昇しない

室温が外気温の影響を受けて上昇するより先に、湿度の方が外部湿度の影響を受けます。

つまり、29℃のまま高湿度になってしまい、モアッとした感じになる。

この状況を定温・高湿度と勝手に呼ぶことにします。(©CACICO)

解決するには、設定温度を下げて「除湿」させるしかありません。

でも冷えすぎるので、「リモコンの取り合い」が発生します。

と、まぁこんな所。

 

この現象、実は「高断熱で低気密」な建物でもっとも顕著に表れます。

なぜなら外気温からの影響を抑制しているのに、外部湿度の影響がそのままだから。

低断熱・低気密であれば、エアコンは動き続けて、結果として高湿度にならないのです。

 

ちょっと脱線しますね。

日本の電化製品はすごいです。

最近は、「再熱除湿」という特殊機能を持つエアコンが増えてきました。

これは言葉通り、除湿して冷えた空気を「加熱」して設定温度に戻す方法。

温度と湿度をどちらもコントロールしてやろうという試み。

体感した事がないので何とも言えませんが、理にはかなっています。

当然ながら、電気代は結構かかるらしい。

 

さてまとめです。

夏場の暑さを、精神で我慢しない場合の選択肢です。

A.低断熱・低気密

   エアコンの稼働時間は長いが、定温・高湿度にはなりづらい。

B.高断熱・低気密

  エアコンの稼働時間が短く、定温・高湿度状態が多くなる。

  再熱除湿エアコンを入れる事により理論的には防げるが、

  エアコンの稼働時間は長くなり、Aより電気代がかかるかも?

C.高断熱・高気密

  エアコンが止まっても、外部からの湿度移動が少ないため、

  定温・高湿度になりづらく、一番エアコンの稼働時間が短い。

D.低断熱・高気密

  エアコンの稼働時間が長く、かつ湿度補給がないため

  低湿度状態に置かれる。(高湿度状態よりは快適)

 

という訳で、夏場エアコンの稼働時間を短くし、かつ低湿度を保つためには、「気密の確保」が必須なのです。

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