- 2013年9月3日 7:00 AM
- 「かしこい家」の性能
気密の確保が大切な話しを続けています。
今回は、先日保留していた項目について。
説明が、絶対的に長くなるからです、敢えて回を分けました。
さて、お待ちかね(?)の
気密の確保が、湿度コントロールに不可欠である理由をまとめます。
度々話してきましたが、快適な空気環境を造る場合に必要なのは、温度と湿度のコントロールです。
温度は比較的、力業でコントロールできますが、湿度はそれが難しい。
何故ならば湿度の拡散能力が高すぎて、「力業」が通じないのです。
まず、湿度コントロールに不可欠な項目を挙げてみます。
気密の確保
結露しないサッシ
全熱交換仕様の換気システム
この3つは欲しいですね。
さて、気密の確保に戻ります。
夏の湿度コントロールと言えば除湿です。
エアコンは、除湿をする事によって空気温度を下げる機器。
室外機にはドレイン管が設置されており、そこから水が流れているのを見た事がありますよね。
あれは室内の湿気なのです。
ですので、エアコンがあれば除湿できそうですが、実はそうではありません。
なぜなら、実の所エアコンは「除湿」が苦手です。
正確に言うと「除湿」だけ行う事ができません。。
こんな経験ありませんか?
温度を下げすぎないように29℃に設定すると、途中からモアッとした感じになる。
これは、下記のような流れで起こります。
①稼働直後
設定温度まで室温を下げる必要があるので、除湿も同時に行われている。
②室温が目標値になる
室温を下げる必要がなくなるので、除湿もしなくなる。
③室温が上昇しない
室温が外気温の影響を受けて上昇するより先に、湿度の方が外部湿度の影響を受けます。
つまり、29℃のまま高湿度になってしまい、モアッとした感じになる。
この状況を定温・高湿度と勝手に呼ぶことにします。(©CACICO)
解決するには、設定温度を下げて「除湿」させるしかありません。
でも冷えすぎるので、「リモコンの取り合い」が発生します。
と、まぁこんな所。
この現象、実は「高断熱で低気密」な建物でもっとも顕著に表れます。
なぜなら外気温からの影響を抑制しているのに、外部湿度の影響がそのままだから。
低断熱・低気密であれば、エアコンは動き続けて、結果として高湿度にならないのです。
ちょっと脱線しますね。
日本の電化製品はすごいです。
最近は、「再熱除湿」という特殊機能を持つエアコンが増えてきました。
これは言葉通り、除湿して冷えた空気を「加熱」して設定温度に戻す方法。
温度と湿度をどちらもコントロールしてやろうという試み。
体感した事がないので何とも言えませんが、理にはかなっています。
当然ながら、電気代は結構かかるらしい。
さてまとめです。
夏場の暑さを、精神で我慢しない場合の選択肢です。
A.低断熱・低気密
エアコンの稼働時間は長いが、定温・高湿度にはなりづらい。
B.高断熱・低気密
エアコンの稼働時間が短く、定温・高湿度状態が多くなる。
再熱除湿エアコンを入れる事により理論的には防げるが、
エアコンの稼働時間は長くなり、Aより電気代がかかるかも?
C.高断熱・高気密
エアコンが止まっても、外部からの湿度移動が少ないため、
定温・高湿度になりづらく、一番エアコンの稼働時間が短い。
D.低断熱・高気密
エアコンの稼働時間が長く、かつ湿度補給がないため
低湿度状態に置かれる。(高湿度状態よりは快適)
という訳で、夏場エアコンの稼働時間を短くし、かつ低湿度を保つためには、「気密の確保」が必須なのです。
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