- 2012年12月5日 1:00 PM
- CACICOの毎日
朝日新聞は読まないのですが、12/4の天声人語がネットで評判だったので、読んでみました。
全文掲載
アルプス最高峰、モンブランのトンネルを車で走ったことがある。約4千円の通行料より、時速50~70キロ、車間150メートルという厳格な規制にたまげたものだ。1999年の火災事故(死者39人)の教訓と聞いた▼フランスとイタリアを結ぶ細穴は、12キロ弱の対面通行である。高速道から入るとノロノロ運転の感覚で、遠くのテールランプをにらんでの10分が長い。閉所に弱い当方、名峰の胎内に限らず、トンネル内ではあらぬ悪夢が胸をよぎるのが常だが、頭上を案じたことはついぞなかった▼中央自動車道笹子(ささご)トンネルの天井崩落は、3台を巻き込み、9人が亡くなる惨事となった。130メートルにわたり300枚ものコンクリート板が落ちる、前例のない事故である▼崩れたのは全長の3%。7秒で抜けられる距離で、ひと息の差が生と死を分けた。前触れもなく、前途を絶たれた人の絶望に胸が詰まる。渋滞していたらと思うと、なお恐ろしい▼開通以来35年、外は地圧と水、内は排ガスや振動にさらされてきた。老朽化という時限爆弾が、天井裏に埋め込まれていなかったか。秋に点検済みとはいえ、最上部のボルト周辺は目視のみ。打音検査なら劣化が分かったかもしれない▼「中高年」に入るインフラは、入念な手入れが欠かせない。悲劇を口実に、道路予算が野放図に復活しては困るが、命を守る策はむしろ「コンクリから人へ」だ。今の日本には、蓄えたものを細く長く使う、倹約の哲学がほしい。それを劣化とは呼ばない。
辻褄があっていません。私が編集長であれば、間違いなく記者(?)に突っ返しますね。
初めに出てくるヨーロッパの自動車専用道路トンネル。中央自動車道笹子トンネルと「トンネル」繋がりしかない。
火災事故でスピード制限ですから、玉突き衝突か何かなのでしょう。インフラ起因の事故とは全く違う。
「俺って、モンブランでドライブしたことあるんだぜぇ」って自慢したいのでしょうか。
でもまぁ、それは可愛いもの。
読解不能なのは、最後の2行。ちょっとばらしてみます。
▼「中高年」に入るインフラは、入念な手入れが欠かせない。
>そうですね。手入れ=コストですよね。
▼悲劇を口実に、道路予算が野放図に復活しては困るが、
>道路予算に「野放図」なんてレッテルを貼るところは流石アサヒですが、意味は通じます。
▼命を守る策はむしろ「コンクリートから人へ」だ。
>えぇっと、前段と繋がりません。いったいどうしろと。人柱?
▼今の日本には、蓄えたものを細く長く使う、倹約の哲学がほしい。
>記者の脳内で、笹子トンネルを封鎖してトンネルを新設しろ。と誰かが言ってるのでしようか?
▼それを劣化とは呼ばない。
>精神論も結構ですが、倹約の哲学をもってしても、コンクリートは中性化という名の劣化をします。
多分
「コンクリートから人へ」というフレーズを、笹子トンネル事故に引っかけて、良い意味にする。
というお題目があったのでしょうね。
天声人語と言えば、大学入試にも良く出てくると聞いているのですが、
こんな破綻した文章を、国語のテストに出される学生さんが、かわいそうでなりません。
もしかしたら、「意味が通る文章に変えなさい」という設問なのでしょうかね。
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コメント:2
- よんたろ 2012年12月5日
ほんま、意味のわからん気持ち悪いこじつけやなぁ…ってがっかり…
- admin 2012年12月6日
コメントありがとうございます。
今月は1日1ブログを目指します。
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