- 2016年10月31日 3:29 PM
- 「かしこい家」の性能
前回の続きです。
快適が悪いのではない、快適すぎるのが良くない。
何か禅問答みたいですけど、これを反証してみます。
具体的には、
あるレベル以上の快適は贅沢
とか
あまりに自然環境と離れると、外に出られなくなる。
ぐらいの意味でしょうか?
始めに、あるレベル以上の快適は贅沢という場合ですが、
これはお金の問題ですね。
なので
「快適すぎる」のが悪いのではなく、「快適すぎる」にかけるコストが悪い。
だと考えます。
これは、「ひ弱な子供になってしまう」という初めの趣旨からずれるので違います。
もう一つの方。
あまりに自然環境と離れすぎると、外に出られなくなる。
こちらの方を、検証してみます。
自然環境と離れるとは、具体的に何を指すでしょうか?
これは素直に考えると温度です。
ちょっと、話が逸れますがお付き合い下さい。
環境省の考えるエアコンの推奨設定温度というものがあります。
オフィスの温度設定なんですが、夏28℃、冬20℃が推奨。
これ、なかなか厳しいです。
室温が正しくこの状態ならばともかく、
これがエアコンの温度設定であって、室温では無い事が大問題。
この点を百歩譲ったとしても、上記温度で快適でいるためには
室内の温度ムラが少ない。
湿度が適性にコントロールされている。
という条件が必須なんですね。
どちらも高断熱な建物でないと実現できないのですが、
今回は湿度について考えます。
同じ28℃と言っても
28℃で、60% →絶対湿度 14.2g
28℃で、50% →絶対湿度 1.1.8g
28℃で、40% →絶対湿度 9.4g
湿度によって快適は変わります。
CACICOとしては、絶対湿度が10gを割らないようだと不快、
と言うか、単に汗をかいてしまいます。
つまり
湿度がコントロールされて、初めて28℃でも快適なんですね。
冬は逆が言えます。
空気が乾燥しすぎていると、身体から水分が奪われやすい。
汗をかく、と言う行為は、身体から気化熱という熱を奪うのですから、
寒く感じるのです。
夏は、上手く汗がかけないから、暑い
→体内の熱を放出できない。
冬は、汗をかきすぎるから、寒い
→体内の熱を放出しすぎる
と言う理屈
ただし、冬の汗は、汗をかくことを自覚できません。
なので、「汗をかく」と言う表現よりは、
乾燥によって「身体の水分を奪われる」の方が分かりやすいかも。
ここで言いたかったことは、
湿度がコントロールされていれば、
夏場は少し高い温度でも、冬場は少し低い温度でも快適
と言うことです。
環境省は、間違ったことは言ってませんが、
とても高度な要求である事を自覚して欲しいですね。
長くなったので、次回に続きます。
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