CACICOブログ HOME > CACICOの毎日 > 国民投票、二日前

国民投票、二日前

難民問題をきっかけに、EUがグラグラしていますね。

で、直近の話題はBREXIT(ブレクジット)。

BRITAN(イギリス)とEXIT(離脱)からなる造語で、

イギリスがEUからの脱退をするかどうかを、6月23日に国民投票して決めるそうです。

って、明後日ですね。

イギリスはEUの一部ではあるのですが、通貨統合はしていません。

なのに「EUと手を切りたい」と考えるのは、「移民・難民」問題なのです。

さて、そんな観点からイギリスを見てみます。

英国は、「日の沈まない国」とブイブイ言わしていた過去があるので、

元植民地が大量にありますし、現在でも英領は世界各地に存在します。

で初期の移民は、元植民地が中心なんですね。

アジアには東インド会社がありましたから、インド、パキスタン、バングラデシュが多いです。

一方、第二次世界大戦に絡まなかったアフリカは、1960年代まで植民地政策が続いていました。

ナイジェリア、ウガンダ、ケニア、南アフリカ・・・

香港返還絡みで、中華系もいますし・・・

イギリスも結構、人種のるつぼなんですね。

ちょっと話が逸れますが、

西洋の植民統治の手法は分割統治とか分断統治と言います。

非支配地に複数民族があれば、片側に権力を渡して、民族同士を争わせるのです。

被支配者側が一枚岩になって抵抗するのを防ぐ・・・

その上、搾取に繋がらないインフラ整備はやりませんし、知恵付けたくないので、教育も行いません。

なので植民地支配を放棄した後に残るのは、荒れ果てた国土と根深い民族紛争。

そんな国に、経済的な自立ができるわけありません。

一方、イギリスは第二次世界大戦の戦勝国ですが、本土も戦場でしたから、戦後の復興に人手が欲しい。

この相乗効果で、早い段階から多くの移民が労働力としてイギリスに来ました。

その後も好景気→人手不足という流れの中で、労働力としての移民が続きます。

1993年にEUが出来ると、東欧などからも移民がやって来るようになります。

好景気であればウェルカムな移民ですが、不景気となれば邪魔者。

現状は、その不景気タイミングで難民問題が表面化した訳です。

で、CACICOが思うに、

現在の難民問題は、植民統治時代に刷り込まれた民族紛争が遠因です。

身から出た錆ってやつですかね。

 

さて最近だけですが、イギリスの人口推移を。

20160120

   世界経済のネタ帳より     

すごいですね。

1980年から2015年の35年間で、人口が5600万人から6500万人に増えています。

一方、合計特殊出生率(一人の女性が一生の内に生む子供の数)は、こんな感じ。

 

20160620-1

ずっと2を割っています。

女性1人に付き、子供が2人を割っていると言うことは、人口は増えません。

人口の半分が男ですから当然です。

でも実際の人口は右肩上がりな訳ですから、移民で人口が増えたのでしょう。

2000年になってから出生率が回復しているのは、移民の出生率が原因だと思います。

さて、イギリスの国勢調査は、10年に一度、「1」の付く年。

直近だと、2001年と2011年。

英ガーディアン紙の「2011年国勢調査の要点」という記事によると、

①白人は、前回より5ポイント落として86%

②ロンドン在住の白人は、59.8%

③上記、英白人だけに絞ると、45%

④アジア系(インド、パキスタン、バングラデシュ等)が6.8%、黒人が3.4%、中国人0.7%、アラブ人0.4%、その他0.6%

移民は仕事のあるところ(大都市)に集中するでしょうから当然ですが、

ロンドンの英白人割合が45%と言うのはすごいです。

今回の国民投票は、

英白人(昔から住んでいた人)が、国内で少数派になってしまう。という不安が原動力なのです。

グローバリゼーションの結末を見た気がします。

コメント:0

コメントフォーム
入力した情報を記憶する

トラックバック:0

この記事のトラックバック URL
http://www.cacico.co.jp/blog/wp-trackback.php?p=12863
トラックバックの送信元リスト
国民投票、二日前 - CACICOブログ より

ホーム > CACICOの毎日 > 国民投票、二日前

検索
Feeds
Meta

ページの上部に戻る