- 2016年6月21日 7:46 PM
- CACICOの毎日
難民問題をきっかけに、EUがグラグラしていますね。
で、直近の話題はBREXIT(ブレクジット)。
BRITAN(イギリス)とEXIT(離脱)からなる造語で、
イギリスがEUからの脱退をするかどうかを、6月23日に国民投票して決めるそうです。
って、明後日ですね。
イギリスはEUの一部ではあるのですが、通貨統合はしていません。
なのに「EUと手を切りたい」と考えるのは、「移民・難民」問題なのです。
さて、そんな観点からイギリスを見てみます。
英国は、「日の沈まない国」とブイブイ言わしていた過去があるので、
元植民地が大量にありますし、現在でも英領は世界各地に存在します。
で初期の移民は、元植民地が中心なんですね。
アジアには東インド会社がありましたから、インド、パキスタン、バングラデシュが多いです。
一方、第二次世界大戦に絡まなかったアフリカは、1960年代まで植民地政策が続いていました。
ナイジェリア、ウガンダ、ケニア、南アフリカ・・・
香港返還絡みで、中華系もいますし・・・
イギリスも結構、人種のるつぼなんですね。
ちょっと話が逸れますが、
西洋の植民統治の手法は分割統治とか分断統治と言います。
非支配地に複数民族があれば、片側に権力を渡して、民族同士を争わせるのです。
被支配者側が一枚岩になって抵抗するのを防ぐ・・・
その上、搾取に繋がらないインフラ整備はやりませんし、知恵付けたくないので、教育も行いません。
なので植民地支配を放棄した後に残るのは、荒れ果てた国土と根深い民族紛争。
そんな国に、経済的な自立ができるわけありません。
一方、イギリスは第二次世界大戦の戦勝国ですが、本土も戦場でしたから、戦後の復興に人手が欲しい。
この相乗効果で、早い段階から多くの移民が労働力としてイギリスに来ました。
その後も好景気→人手不足という流れの中で、労働力としての移民が続きます。
1993年にEUが出来ると、東欧などからも移民がやって来るようになります。
好景気であればウェルカムな移民ですが、不景気となれば邪魔者。
現状は、その不景気タイミングで難民問題が表面化した訳です。
で、CACICOが思うに、
現在の難民問題は、植民統治時代に刷り込まれた民族紛争が遠因です。
身から出た錆ってやつですかね。
さて最近だけですが、イギリスの人口推移を。
世界経済のネタ帳より
すごいですね。
1980年から2015年の35年間で、人口が5600万人から6500万人に増えています。
一方、合計特殊出生率(一人の女性が一生の内に生む子供の数)は、こんな感じ。
ずっと2を割っています。
女性1人に付き、子供が2人を割っていると言うことは、人口は増えません。
人口の半分が男ですから当然です。
でも実際の人口は右肩上がりな訳ですから、移民で人口が増えたのでしょう。
2000年になってから出生率が回復しているのは、移民の出生率が原因だと思います。
さて、イギリスの国勢調査は、10年に一度、「1」の付く年。
直近だと、2001年と2011年。
英ガーディアン紙の「2011年国勢調査の要点」という記事によると、
①白人は、前回より5ポイント落として86%
②ロンドン在住の白人は、59.8%
③上記、英白人だけに絞ると、45%
④アジア系(インド、パキスタン、バングラデシュ等)が6.8%、黒人が3.4%、中国人0.7%、アラブ人0.4%、その他0.6%
移民は仕事のあるところ(大都市)に集中するでしょうから当然ですが、
ロンドンの英白人割合が45%と言うのはすごいです。
今回の国民投票は、
英白人(昔から住んでいた人)が、国内で少数派になってしまう。という不安が原動力なのです。
グローバリゼーションの結末を見た気がします。
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