- 2016年1月4日 9:00 AM
- 「かしこい家」の性能 | デシカ日記
前回の続きです。
冬、省エネ一辺倒では快適に手が届かない。と言う話でした。
皆さんも自宅に加湿器とか有りますよね。
さて、今回は夏の話です。
こちらは前回前振りしたとおり、冬より厳しい話となります。
冷房においても、あるレベルまでは省エネと快適はWINWINなのですが、
とても早い段階で問題が発生します。
それは冷房、除湿共にエアコンに頼っていることが原因。
低断熱の家では、エアコンの稼働時間が長いのですが、
高断熱化した場合、外部からの熱の侵入が抑制でき、
少ない稼働時間で適温がキープ出来ます。
冬と同様夏においても、それ自体はとても良い事ですが、問題は湿度。
ちょっと長くなりますが、冬と夏の違いを検証します。
まず冬の場合は、
室温を上げる→相対湿度が下がる→加湿
というプロセスを辿ります。
暖房器機と加湿器機が別なんですね。
具体的には
室温16℃ 相対湿度50%
の空間を20℃まで暖房します。
すると
室温20℃ 相対湿度38.9%
になります。
絶対湿度はどちらも5.6gと同じですが、
室温が変わったことによって相対湿度が下がり、
人にとって乾燥した空間になるのです。
なので加湿器で湿度を上げたくなる訳です。
一方夏は違います。
室温を下げる時に、湿度も同時に下がるのです。
こちらの方が一見合理的なのですが、
住宅の省エネ化が進み、エアコンの稼働時間が短くなれば話が変わってきます。
室温はキープ出来ても、湿度はキープ出来ないのです。
なぜなら省エネ住宅で有ろうとも湿度の発生を抑制できないから。
湿度は、
①人間自身と生活の中から
②24時間換気で外部から
つまり省エネである事で温度環境は良くなるのですが、
湿度環境は(あまり)変わらないんですね。
除湿器として、もっとも能力が高いのはエアコン冷房による除湿なのですが、
エアコン除湿とは、冷房のついで除湿なので、
冷房せずに除湿だけする事が出来ないのです。
すごく遠回りしてしまいましたが、省エネ住宅では
「温度は適温だけど、湿度だけが高い」
この状況下が長く続くのではないかと想像します。
夏の快適は、
断熱付加による冷房エネルギーの削減と、
何らかの除湿器による除湿エネルギー使用
が必要なのですが、
その除湿器が無い、もしくは力不足というのが現状です。
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