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2015年3月8日のアーカイブ

快適と省エネ

質問その① デシカは快適ですか?

いろんな条件を加味した上ですが、YESだと思います。

(言い切らないのは、夏が未体験のため)

質問その② デシカは省エネですか?

現在の基準では、NOですね。

 

なぜか?

日本で温熱環境の検討をする時、「湿度」が対象外だから。

勿論、夏場の除湿負荷を数値化する真面目なソフトもありますが、

1年間、室内湿度は50%前後などと

美術館じゃあるまいし、そんなことを省エネの前提条件にできるか!!

 注 美術保管庫の湿度管理は、ずっとシビアなので、デシカでは対応不可。

と言うのが、現実です。

例えば省エネ関係の補助金申請には、断熱性能(Q値)の計算が必要ですが、

その時デシカは非熱交換の三種換気相当で計算するため、

熱交換タイプより、だいぶQ値が低くなります。

当然ながら冷暖房負荷は増えます。

 

具体的な話として、実際の電気料金を出してみます。

今年に入ってからのデシカ電気代ですが、月平均2000円でした。

これが一般的な熱交換換気扇であれば、500円以下だと思います。

なぜなら

熱交換素子に動力は不要、給排のモーターだけだから。

一方デシカは、

給排のモーター+システム切り替えダンパー+ヒートポンプがあります。

湿度を移動させる時にヒートポンプが動くのですが、

これは簡単に言うと、小さなエアコンが動いているようなモノ。

どう考えても電気を消費します。

デシカのカタログで消費電力を確認したところ、加湿時より除湿時の方が大きいため、

夏場はもっとかかりそうです。(春と秋は下がると思いますが)

DAIKINさんのHPから引っ張ってきたグラフですが

こちらも年間トータルで3万円ぐらいですので、まぁそんなところですかね。

因みにこちらのグラフは、普通換気とデシカの比較です。

熱交換タイプと比較できないところが、DAIKINさんの苦しいところですね。

 

デシカには、熱交換タイプと比べて、「熱」のロスもあります。

カタログには「熱回収」という文言がありますが、おまけのようなもの。

調湿運転の仕組みは、

デシカント素子を暖める→湿気を放出

デシカント素子を冷やす→湿気を吸着

という原理。

つまりその過程で

加湿運転→素子を加熱→空気が暖まる

除湿運転→素子を冷却→空気が冷やされる

という現象がおこります。

「熱回収」とは、それを意味しているのだと思うのですが、

あくまで調湿運転時だけの現象であり、湿度が満たされると動きません。

実際の運転は、

調湿換気と普通換気を室内の湿度量に応じて切り替えます。

CACICOのデシカで、時間帯別の電気使用量を確認すると

単位が取り込めませんでしたが、縦軸は0.02kWピッチ 横軸は0時からの1時間ピッチ。

太線と破線は日が違います。(2月後半の連続した2日間)

時間帯によって電気使用量が、0.08~0.20kWの範囲でばらついていることが解るでしょうか?

これは、ヒートポンプ稼働時間の違いによるものです。

(1時間の中でもON,OFFがあります)

ヒートポンプがOFFの時は、単なる一種換気なので、

メーカー言うところの「熱回収」は行われません。

ですので熱交換タイプと比べて、暖房コストはかかります。

先ほどの1500円+追加暖房費になるため、

ランニングコストの差はさらに広がります。

 

実はここまでが前振り。・・・今までで最長かも

何故CACICOは、省エネではないデシカを導入したのか?

 

それは湿度を調節しないと、本当の快適が手に入らないから。

 

先述した「年間通して湿度50%前後」ルールでの省エネ争いだったら、デシカは負けません。

競争相手がいないから、不戦勝なんですけどね。

さて次回は、「本当の快適」を考えてみます。

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