- 2015年3月8日 2:44 PM
- デシカ日記
質問その① デシカは快適ですか?
いろんな条件を加味した上ですが、YESだと思います。
(言い切らないのは、夏が未体験のため)
質問その② デシカは省エネですか?
現在の基準では、NOですね。
なぜか?
日本で温熱環境の検討をする時、「湿度」が対象外だから。
勿論、夏場の除湿負荷を数値化する真面目なソフトもありますが、
1年間、室内湿度は50%前後などと
美術館じゃあるまいし、そんなことを省エネの前提条件にできるか!!
注 美術保管庫の湿度管理は、ずっとシビアなので、デシカでは対応不可。
と言うのが、現実です。
例えば省エネ関係の補助金申請には、断熱性能(Q値)の計算が必要ですが、
その時デシカは非熱交換の三種換気相当で計算するため、
熱交換タイプより、だいぶQ値が低くなります。
当然ながら冷暖房負荷は増えます。
具体的な話として、実際の電気料金を出してみます。
今年に入ってからのデシカ電気代ですが、月平均2000円でした。
これが一般的な熱交換換気扇であれば、500円以下だと思います。
なぜなら
熱交換素子に動力は不要、給排のモーターだけだから。
一方デシカは、
給排のモーター+システム切り替えダンパー+ヒートポンプがあります。
湿度を移動させる時にヒートポンプが動くのですが、
これは簡単に言うと、小さなエアコンが動いているようなモノ。
どう考えても電気を消費します。
デシカのカタログで消費電力を確認したところ、加湿時より除湿時の方が大きいため、
夏場はもっとかかりそうです。(春と秋は下がると思いますが)
DAIKINさんのHPから引っ張ってきたグラフですが
因みにこちらのグラフは、普通換気とデシカの比較です。
熱交換タイプと比較できないところが、DAIKINさんの苦しいところですね。
デシカには、熱交換タイプと比べて、「熱」のロスもあります。
カタログには「熱回収」という文言がありますが、おまけのようなもの。
調湿運転の仕組みは、
デシカント素子を暖める→湿気を放出
デシカント素子を冷やす→湿気を吸着
という原理。
つまりその過程で
加湿運転→素子を加熱→空気が暖まる
除湿運転→素子を冷却→空気が冷やされる
という現象がおこります。
「熱回収」とは、それを意味しているのだと思うのですが、
あくまで調湿運転時だけの現象であり、湿度が満たされると動きません。
実際の運転は、
調湿換気と普通換気を室内の湿度量に応じて切り替えます。
CACICOのデシカで、時間帯別の電気使用量を確認すると
単位が取り込めませんでしたが、縦軸は0.02kWピッチ 横軸は0時からの1時間ピッチ。
太線と破線は日が違います。(2月後半の連続した2日間)
時間帯によって電気使用量が、0.08~0.20kWの範囲でばらついていることが解るでしょうか?
これは、ヒートポンプ稼働時間の違いによるものです。
(1時間の中でもON,OFFがあります)
ヒートポンプがOFFの時は、単なる一種換気なので、
メーカー言うところの「熱回収」は行われません。
ですので熱交換タイプと比べて、暖房コストはかかります。
先ほどの1500円+追加暖房費になるため、
ランニングコストの差はさらに広がります。
実はここまでが前振り。・・・今までで最長かも
何故CACICOは、省エネではないデシカを導入したのか?
それは湿度を調節しないと、本当の快適が手に入らないから。
先述した「年間通して湿度50%前後」ルールでの省エネ争いだったら、デシカは負けません。
競争相手がいないから、不戦勝なんですけどね。
さて次回は、「本当の快適」を考えてみます。
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