- 2015年7月6日 1:12 PM
- 「かしこい家」の性能 | デシカ日記
日本の住宅換気は、ちょっと道に迷っています。
それが端的に表れている現象が、
局所換気(3種)と集中換気(1種)の併用です。
詳しくは「ダクト+局所換気」の不思議に書きました。
ザックリと要約しますと
現在換気の主流は、室内の熱と湿気を保とうとする全熱交換。
この方式は、原理的に日本の気候に合っているが、
湿気と共に臭いも回収してしまう。
解決済みというメーカーもあるが、
多くの建物でトイレやUBなどには局所の3種換気、
それ以外はダクト式の熱交換換気(1種)という組み合わせが多い。
だが方式の違う換気の併用は、弊害が多くお薦めできない。
こんな内容です。
ここで、メーカー側に質問してみましょう。
「貴社のダクト式換気装置に、トイレや浴室をつなぎ込んでで良いですか?」
気が弱いので実際に質問はしていませんが、
多分日本の多くのメーカーが、「出来たら外して欲しい」と答えると思います。
この状況は、当然ながら元になる法律の問題でもあります。
建築基準法ってやつですね。
一番の問題は、
基準法は居室の換気を義務づけているだけで、非居室は対象外であること。
では、居室って何でしょうか?
居間、寝室、子ども部屋、書斎、台所・・・
理屈で言うと、居住・執務・作業等、継続的に使用する部屋。
・・・非居室が何か調べた方が解りやすいですね。
居室ではない空間とは?
廊下、階段、脱衣室、浴室、トイレ、納戸
ポイントは継続的な使用と言う箇所。短時間しかいない部屋は換気の対象外なんですね。
なので各居室に局所換気扇を付けるだけで、基準法はクリアできます。
浴室やトイレは、法的に換気をしなくて良い部屋なんです。
ですが基準法言うところの非居室には、義務付け前から換気扇がありました。
それは法律の目的とは違い、臭いや湿気を排出するためですけど。
そこで次の理屈が・・・
居室は連続換気が必要だが、非居室は不要だから忘れよう。(換気経路から外そう)
基準法が縛るのは居室の換気だけなので、それ以外のとこで、何が行われていても関知しない。
と立法者もメーカーも考えたのではないでしょうか。
住宅内部は、連続した一つの空間。
と考えるだけで、迷路からの出口が見つかると思うのですが、
混迷はなかなかに深そうです。
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