前回の結論は、
温度変化の幅が、快適ラインを含んで変化する時期。
そんな季節における室内コントロールがとても難しい。
でした。
理由をこれから説明します。
最近の住宅は、個体差はあるものの、基本「高断熱」化が進んでいます。
省エネの観点からも、冷房暖房の消費エネルギーを減らすのは良い事。
で、少しの熱量で快適にしようと思ったら、断熱をするのが一番です。
私事ですが、断熱と言えば、
以前シャトルシェフという保温鍋を使っていた時期があります。
構造的には、こんな感じで、お鍋が入る魔法瓶です。
一度沸騰させれば、煮崩れせずに余熱で煮込みが出来る。
という優れものでした。
キャンプとかに持っていった記憶があります。
さて同じ断熱でも、保温鍋と家には大きな違いがあります。
それは
保温鍋は、暖かいほど良いが、家には、快適な温度帯がある。
と言う事。
高断熱した室内は、温度変化が遅くなります。
これはシャトルシェフ同様、望ましい事なのですが、マイナス面もあるのです。
例えば
①朝夕が寒い季節、日中温度が高くなっても、室温は上がってくれない。
②日中暑くて、夜間に温度が低くなっても、室温は下がってくれない。
みたいな時ですね。
一日の内で、「外気」が快適な時間があるのですが、それが家の中に伝わらないのです。
で、この現象に拍車をかけてしまうのが、
熱交換タイプの24時間換気。
「熱交換」は、「室内側の温度を守る」と言い換える事が出来ます。
ここでのポイントは、
室内が人にとって快適かどうかは、機械は判断しない事。
先程の例で説明すると
①の場合
外気温が上昇しても、寒い室温を守ろうと、熱交換する。
②の場合
外気温が低下しても、暑い室温を守ろうと、熱交換する。
別に、熱交換換気装置を悪く言いたいのではありません。
ひたすら寒いとか、ひたすら暑い時期に較べて、
快適な時間帯がある分だけ、
春や秋の温度コンロールは別の難しさがあるのです。
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