- 2013年8月21日 11:55 PM
- 「かしこい家」の性能
政治ネタではありません、窓のお話です。
ヨーロッパと日本ではサッシの取付方が、全く違います。
日本のサッシは、窓の外周に「耳」と関係者が呼んでいる取付部材がついています。
ちょっと分かりづらいかも知れませんが、下部に黒い線(イラスト)で書かれているのが構造体です。
ここにフチがかかっていて、このフチ(耳)を外部から固定する訳です。
耳は、防水も兼ねていますので、サッシの外周を一周しています。
でも、ヨーロッパのサッシには、この「耳」がありません。
ですので、
「どうやって固定するの?」
「どうやって防水するの?」
と言う2つの疑問が浮かびました。
で、その回答がこちらです。
サッシの真ん中にステン色のビスが見えますでしょうか?
まずサッシの固定は、耳を外部から固定するのではなく、枠を内側から固定します。
で、防水は、サッシ下の「黒い部分」が見えるでしょうか?
これが防水です。
こちらの部材は、少し説明がいるかも知れません。
これは「乾式シーリングテープ」と言うものです。
いろいろなサイズがありますが、写真の商品は最大3㎝まで広がるモノを1㎝の隙間に入れています。
この、一見頼りない感じがする「黒いスポンジ」のようなものですが、耐久性はものすごいです。
まず600Pa(パスカル)の風雨に耐えます。
大きな台風でも900Paぐらいですから、相当なモノ。
しかも、その性能が劣化しない!!
メーカーの実暴露試験では、15年経過後でも初期性能が変わっていないとの・・・
という風に、サッシの固定と防水方法が、全く違うのです。
何故こんなに差があるかというと、建物自体が違うからです。
日本の建物は
木造が多く、 リフォームよりも、建て替え中心
ヨーロッパの建物は
石、ブロック造が多く、リフォームが中心。
という条件から発生しています。
地震や台風等の自然災害が少ないお国柄も大きく関係すると思います。
窓は、当然ながらリフォームの対象です。
そこで、
「後からでも交換しやすいように」
かつ、
「窓を取り付ける壁面が凸凹でも防水できるような仕掛け」
という条件下で発達してきたのがヨーロッパのサッシなのです。
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