- 2015年11月12日 11:55 PM
- 「かしこい家」の性能 | デシカ日記
24時間換気、と言うのは別名「計画換気」とも言います。
なぜ「計画」なのかは簡単。
それは給気する場所と排気する場所を決めているから。
これは、三種換気においても同じです。
以前主流であったセントラル三種換気は、
機械排気+自然給気というスタイルでした。
具体的には、
機械排気→ダーティーゾーン
自然給気→居室
という風に設計していました。
因みに三種換気とは、
排気を機械(ファン)で行う、
すると室内が負圧になるので、
給気口から外気が自然に入ってくる。
という仕組みです。
では、昨今増えつつある一種換気+三種換気について考えてみます。
これは全熱換気において基本推奨される組み合わせです。
(デシカも同様)
居室を中心に一種換気を、
ダーティーゾーンに局所の三種換気
という組み合わせ。
その意図は、
一種換気に臭いのある空気を吸わせない。
事にあります。
全熱交換式換気の宿命として、
湿度交換の際に臭いも回収してしまう恐れがあるから。
(メーカーにより縛りは違います)
この方式の問題点が今日の主題です。
一種換気とは、機械で給気と排気の両方を行う仕掛け。
一定時間における給気量と排気量は同量なので、
家の中と外に圧力差が発生しません。
バランスが取れている状態なのですね。
そこで局所換気を動かすとします。
例としてトイレ。
人感センサーが働いて、換気扇が回りました。
換気扇という名称ですが、実質は排気しかしません。
なので理屈上
どこからか給気されない限り排気されません。
現実としてどうなるかを想像します。
確かに少しは排気されるでしょう。
ですが、すぐに排気ファンと負圧が均衡点に達して、
ファンは回るけど排気しない状態になります。
トイレの排気量は「少量」だから問題ない。
という声を聞いた事もありますが、
その「少量」が、「必要な換気量」かどうかは別の話です。
話を少し戻します。
排気が行われたと仮定しましょう。
排気できたと言う事は、少なからず室内が負圧になると言う事。
で、この負圧状態が漏気をもたらします。
漏気、つまり予期していない場所からの空気流入です。
それは
引き違いサッシの合わせ目?
玄関扉のパッキン?
外壁や屋根のどこかにある、ちょっとした隙間?
そのような換気設計者が、
いえいえ誰もが予想しない場所から確実に給気されるのです。
さて、局所換気の併用をするのは、トイレだけとは限りません。
浴室や脱衣室も同じですね。
キッチンも同時給排式でない限り含まれます。
その全ての局所換気を回す度に、漏気が発生することに・・・
それってとてもじゃないですが「計画換気」とは呼べません。
しかも先ほどさらっと書きましたが、
「外壁や屋根のどこかにある、ちょっとした隙間」から漏気した場合、
条件によっては壁体内結露を起こし、建物が腐朽する危険性すらあります。
・・・書いてたら、何か恐くなってきました。
一種と三種の併用は、CACICOにすれば「無計画」換気にしか見えません。
- 新しい: 姫ちゃりが良いですね
- 古い: シロミLOVE
コメント:0
トラックバック:0
- この記事のトラックバック URL
- http://www.cacico.co.jp/blog/wp-trackback.php?p=11206
- トラックバックの送信元リスト
- 計画換気の「計画」って何? - CACICOブログ より