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冷暖房の未来

最近の高性能住宅の売り文句は、「エアコン一台で家の中が涼しい」です。

暑い時期、2階のエアコン一台を稼働させれば家中が涼しい。

確かに、高断熱+ダクト式熱交換換気扇が前提であれば十分可能。

 

これと対局なのが「全館空調システム」。

エアコン一台でOKなご時世に、オオゴトな感じがしますし、実際導入コストもかかります。

 

ですがこの2つのシステム、実はよく似ています。

全館空調システムは、ダクト式エアコンに24時間換気を組み込んだもの。

エアコン1台で夏涼しいシステムは、ダクト式24時間換気とは別にエアコンを付けるもの。

 

どちらもエアコンだし、どちらもダクト式配管。

ただし、

全館空調は全てがダクト式。

エアコン1台システムは、換気だけがダクト式。

 

どちらもダクト式なら、コストも変わらない気がしますよね。

ですが、「換気の必要風量」より「冷房の必要風量」が圧倒的に多い。

と言う理由で、エアコンのダクト式は大がかりになってしまうのです。

 
 
原因は住宅側の断熱性能。
 
今でこそ、「高断熱」という言葉は当たり前になりましたが、それは比較的最近の話。
 
全館空調をうたう以上、
 
「家の断熱性能が低いから、エアコン効きません」
 
とは言えないため、どうしてもエアコンを高馬力にする必要があります。
 
つまり現行のダクト式エアコンシステムは、低性能な住宅を対象にした大袈裟システムなのです。
 
 
 
換気装置の風量を「冷暖房」するだけで快適住宅を構成することは可能。
 
ですが現状建築されている家の大部分は、性能がそこまで達していません。
 
 
繰り返しとなりますが現在の全館空調は、
 
ダクト式エアコンのシステムに、24時間換気をくっつけています。
 
ですが、これからの全館空調は、
 
24時間換気のシステムに、エアコン機能をくっつけるべき。

なのです。
 
エアコンと換気の風量差は、最低でも4倍あるそうです。
 
つまり通常のダクト式エアコンでは室内に強い風が発生します。
 
(風速を落とすには、配管ダクト径を大きくするしかないのですが、それがまた高コストとなります)
 
室内の「風」は温度ムラの原因ですし、直接人体にあたれば不快です。
 
 
住宅の性能が高ければ、冷暖房において少ない熱量で済みます。
 
少ない熱量と言うことは少ない風量、つまり風速がゆっくりで良い。
 
という関係なんですね。
 
 
エアコン1台システムは、過渡期の手法としては悪くないです。
 
(と言うか、他に選択肢がないとも言えます)
 
ですがオーディオルームのように独立した部屋の温度はコントロールできません。
 
それほど極端ではなくても、子供部屋が複数あって各自のプライベートを守りたい。
 
という間取りであれば、うまく冷暖房が効かないでしょう。
 
 
風量1/4で快適な高性能住宅の普及が先か、換気システムにエアコンを取り付けるのが先か、
 
鶏が先か卵が先かみたいな話ですが、見合ったまま、時間だけが過ぎていくのは勘弁して欲しいですね。

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