- 2015年4月16日 2:48 PM
- デシカ日記
「微気象」は、あまり聞き慣れない言葉だと思います。
この言葉を説明する前に、まずは気候と気象の違いから。
気候とは、
広い領域において、一定期間生じる特徴的な気象状態。
気象とは、
ある場所とある時間の、気温、湿度、風などの状態。
なんですね。
ちょっと面倒ですが、気候という大きなくくりの中で、気象現象が起きると。
梅雨という気候だけど、晴れという気象ですよ。
当たり前と言えば当たり前ですけども・・・
そこで、じゃあその「気象」に「微」をつけるとどうなるか。
簡単に言うと、ものすごく範囲が狭くなります。
一般的には、数メートル~数十キロメートルまで含むそうで、はっきりとした定義はないようですね。
小さくは、道に打ち水をしたから、涼しくなったから、
大きくは、海風によって、市街地の温度が下がったまで。
どちらも、「気象」と言うくくりの中では、「微」なのですね。
前置きが長くてすいません。
今回の話は、そんな微気象が実は家の中でも発生しているよ。というネタです。
まぁ窓の結露なんかがわかりやすい例なのですが、今回は「床上」の話をしたいと思います。
下記の図は、「ハウスダストの生物学」というお堅い書籍から転載です。
床の上の湿度を比べているのですが、
上段は乾燥している床、下段はしめっている床で、そこにハウスダストが1mm積もっていると。
床が乾燥している時は、空気中の湿度は一定ですが、
床が湿気ていると、ハウスダスト内部の湿度がとても高くなってしまうのです。
室内が40%だとしても、ハウスダスト内は、100~80%もあると。
CACICOは、空気中の湿度は、すぐに拡散して均一になるモノだ。
という理解をしていました。
ですがデシカと暮らしだしてから、「湿気の偏り」があるのでは?
という考えに変わってきています。
正確に言うと、
発生源が無くなれば均一化するが、
発生源があり続ければ湿度も偏在します。
この実験のように、「床面が湿気ている」家はあるでしょうか?
断熱という概念が無い時代の家であれば、ほとんどです。
床下はコンクリートでは無く、土壌が剥き出し。かつそこが湿気ていれば、
その上にある床材は、実験に出てくる「湿っている物質」のような状況になります。
なので定期的に畳干しとか虫干しをしていたのです。
気になるのは、最近の家ですね。
昔と違って、床下が土。という事はありませんが、足もと断熱の主流は床断熱です。
床断熱の断面構造は、上から
床材→床下地合板→床下地材(間に断熱材を充填)→構造材、床下は外部空間
という関係です。
CACICOが問題だと思うポイントは、
断熱境界に木材(床、下地、構造材)しか無い箇所がある事。
断熱材は床下地材の間に充填されますので、床面全体の1~2割は、
断熱材を介在せずに、屋内環境と屋外環境が接しているのです。
人が歩く時、その踏みしめる足の1~2割は、外気に接している木材と言う訳。
そりゃ冬、寒いですよね。
今回は高湿度の話をしたいので、夏を考えてみます。
当然ですが床上と床下には、温度差と湿度差ができます。
一般論として温度も湿度も、高い方から低い方へ動こうとします。
なので、
床面で気密が取れている。
と仮定しても、
木材は調湿する材料ですから、木材の内部を湿度は移動するのです。
簡単に言うと、
床材には、床下から湿度が補給され続けることになります。
(気密シート等で覆われていれば別です)
結果、昔の家と同じとは言いませんが、やはり床材は湿気るのです。
さて、今度はハウスダストの話です。
ハウスダストは文字通り家の中のゴミですが、
この中には人間が出した老廃物が、結構な割合で含まれているそうです。
まとめると、床に溜まったハウスダスト内部は、例えエアコンをかけていたとしても、
25℃を超える温度、湿度100%、えさとなる有機物がある、
という微気象になりがちなんですね。
これって、ダニ等の快適空間です。
もちろん場所による差はあります。
オープンな空間、例えば廊下とかダイニングとかは掃除も簡単ですので、ハウスダストも少ない。
ですが、カーペットを敷いたリビングや畳となってくると、途端に条件が悪くなります。
押し入れや、給排水の設備配管が貫通しているキッチン内部なども同様です。
最後に、この「微気象」を起こさせない方法を考えてみます。
①ハウスダストをためない
②床材を乾燥した状態に保つ
大きく分けて、この二つですね。
①は住む人の心がけですが、②は住宅の性能で解決できます。
両方あるのが「正解」ですけど、めんどくさがりの私としては、
まず②をお薦めしたいですね。
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