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南向きの定義と庇の価値

窓は南に大きな開口、北に小さな窓。

東と西には、窓は無い方が良い。

これが、ものすごく簡単な窓配置の基本です。

何故か?

真冬は日射取得で、自然の熱を得、

真夏は日射遮蔽で、オーバーヒートを防ぐ。

という目的に、最も合致しているからです。

東や西の窓は、低い高度から日が射し込んでくるため、原則御法度と言う訳。

もちろん外付けブラインドのような必殺技がある場合は、その限りではありません。

 

さて上記は、今までも書いたことがある一般論です。

現実には、できれば南に向けたい、配置上ちょっとずれている。

という事は多くあります。

今回のテーマその①は、

「どの範囲までが南なのか」と言うこと。

真南から何度ずれまでが、南と言えるのか?

です。

結論を先に言いますね。

日射侵入率の計算上では、±30度を境にしています。

真南から時計回りに、45度ずれたら南西。90度ずれたら真西。

なので、1/3の30度というのは、まぁ妥当な所でしょう。

もちろん29度が真南と一緒。

ではないですし、

31度だからダメなんだ。

ということでもありません。

あくまでも30度を境に、温熱環境の計算式が変わるという事です。

現実においては、ずれた角度だけ遮熱対策が必要と判断してください。

テーマその②は、

庇の遮熱における価値です。

まず、どんな庇が必要なのか?

遮熱に有効な庇の長さは、

窓の下端~庇までの距離×0.3以上

とされています。

なので2mの掃き出しサッシのすぐ上に付ける場合は、60㎝の出幅が必要です。

この庇の能力は、日射遮蔽係数という数値で表します。

庇なし            1

庇有り  ±30度以外   0.7

庇有り  ±30度以内   0.5

南向き庇の大切さがよく分かります。

また、角度が30度以上ずれたら、遮熱性能が0.5→0.7と悪くなっている所も注目点です。

この流れで行くと、西や東に関しては、1にもっと近づくため、

日射遮蔽としての庇の価値が激減します。

一方、外付けブラインドは、この数値が0.2。

なので庇よりずっと高性能。

ですが庇は、

視覚的な障害にならず、動かす必要もなく、ほぼノーメンテナンスでローコスト。

それで遮熱ができるのですから、

南面の庇は、正に「付けなくちゃ損」のレベルです。

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