- 2014年8月4日 7:00 AM
- CACICOの毎日
窓は南に大きな開口、北に小さな窓。
東と西には、窓は無い方が良い。
これが、ものすごく簡単な窓配置の基本です。
何故か?
真冬は日射取得で、自然の熱を得、
真夏は日射遮蔽で、オーバーヒートを防ぐ。
という目的に、最も合致しているからです。
東や西の窓は、低い高度から日が射し込んでくるため、原則御法度と言う訳。
もちろん外付けブラインドのような必殺技がある場合は、その限りではありません。
さて上記は、今までも書いたことがある一般論です。
現実には、できれば南に向けたい、配置上ちょっとずれている。
という事は多くあります。
今回のテーマその①は、
「どの範囲までが南なのか」と言うこと。
真南から何度ずれまでが、南と言えるのか?
です。
結論を先に言いますね。
日射侵入率の計算上では、±30度を境にしています。
真南から時計回りに、45度ずれたら南西。90度ずれたら真西。
なので、1/3の30度というのは、まぁ妥当な所でしょう。
もちろん29度が真南と一緒。
ではないですし、
31度だからダメなんだ。
ということでもありません。
あくまでも30度を境に、温熱環境の計算式が変わるという事です。
現実においては、ずれた角度だけ遮熱対策が必要と判断してください。
テーマその②は、
庇の遮熱における価値です。
まず、どんな庇が必要なのか?
遮熱に有効な庇の長さは、
窓の下端~庇までの距離×0.3以上
とされています。
なので2mの掃き出しサッシのすぐ上に付ける場合は、60㎝の出幅が必要です。
この庇の能力は、日射遮蔽係数という数値で表します。
庇なし 1
庇有り ±30度以外 0.7
庇有り ±30度以内 0.5
南向き庇の大切さがよく分かります。
また、角度が30度以上ずれたら、遮熱性能が0.5→0.7と悪くなっている所も注目点です。
この流れで行くと、西や東に関しては、1にもっと近づくため、
日射遮蔽としての庇の価値が激減します。
一方、外付けブラインドは、この数値が0.2。
なので庇よりずっと高性能。
ですが庇は、
視覚的な障害にならず、動かす必要もなく、ほぼノーメンテナンスでローコスト。
それで遮熱ができるのですから、
南面の庇は、正に「付けなくちゃ損」のレベルです。
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