- 2017年5月23日 11:55 PM
- CACICOの毎日 | 「かしこい家」の性能
住宅の断熱は、大きく3つに分かれます。
壁・床・天井です。
その中で、今回取り上げるのは「床」の断熱。
ダウ加工のホームページに分かりやすいイラストがありました。
写真で見るとこんな感じです。
この上に、床下地材と床材を貼っていくのですね。
見えているのは根太という材料で、この隙間を断熱材で埋める。
これは、壁の充填断熱とよく似ています。
壁は柱・間柱間に充填するのですから。
ですが、壁と床は、とても大きな違いがあります。
それは、壁を触ることはほとんど無いが、床は直接触るのが基本であるという事。
写真に見えている根太の下は、イラストで分かるように床下。
温熱環境的には外部です。
根太は一般的に303mmピッチなので、
普通に歩くと、必ず断熱材が無い所を踏むことになります。
話変わりますが、断熱の計算と言うのは、平均値なんですね。
壁で言えば、
「窓の面積×性能」と「断熱材の面積×性能」と「構造材の面積×性能」
を合計して、全体の面積で割る。
この考えだけで断熱を考えると、大きな落とし穴があります。
よくやるのはコストダウン目的で、小窓の性能を下げる事。
建物全体としては、ほとんど性能ダウンせず、コストはカットできる。
という理屈ですね。
で、その現実は、冬になると必ず結露を起こす窓が出来てしまうのです。
結露する窓がある一番の問題点は、建物内の湿度コントロールが非常に難しくなる事。
加湿しても、片っ端から窓で結露、つまり除湿してしまうからです。
温度と違って湿度の移動はとても早いので、その部屋だけでなく建物全体の湿度に影響を与えてしまうのです。
床断熱の話に戻ります。
計算上、断熱性能は担保されたとしても、足の一部は断熱材の無い所に接する・・・
もし室温が保たれていたとしても、床面に温度ムラがあったら、快適とは言えないでしょうね。
足が冷たいのが一番不快ですから。
その解決策として出てきたのが、基礎断熱と言う手法です。
次回に続きます。