- 2015年3月19日 11:55 PM
- CACICOの毎日
私の従兄弟の話をちょっと。
なかなか楽しい経歴の持ち主で、
フランスや中国での生活経験(仕事)がある、マルチリンガルな人です。
彼は日本語をしゃべる時と、フランス語をしゃべる時、また中国語をしゃべる時では
性格が変わると言います。
日本語では、非常に真面目でおとなしい感じなのですが、フランス語では社交的になり、
中国語では、人に命令調でしゃべる「性格」になるらしいです。(ちょっとうろ覚え)
因みにネイティブと会話をする時は、「頭の中で日本語翻訳」する事は無いとの事。
つまり中国語を話す時は、中国語で思考するそうです。
そうでないと、会話のテンポについて行けないと。
と言う事は、
使う言語によって、思考や行動が変わる・・・
もう10年以上前の気がしますが、「MOTTAINAI」という言葉が話題になった事を覚えていますか?
ノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータィさんがこの言葉に感銘を受けて、世界に広げようという運動をしているそうです。
下記は「モッタイナイは世界中の合い言葉」というホームページからの転載します。
環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイさん。
マータイさんが、2005年の来日の際に感銘を受けたのが「もったいない」という日本語でした。
環境 3R + Respect = もったいない
Reduce(ゴミ削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)という
環境活動の3Rをたった一言で表せるだけでなく、
かけがえのない地球資源に対する
Respect(尊敬の念)が込められている言葉、「もったいない」。
マータイさんはこの美しい日本語を
環境を守る世界共通語「MOTTAINAI」として広めることを提唱しました。
最近だと「おもてなし」もそうかも知れません。
つまり、
「言語」は思考そのもので、それが行動に表れるのではないかと思うのです。
日本を除く世界中の人は、「勿体ない」という概念を持たない。
なので、
「勿体なくない」行動が、自然に出来ない。
という事になります。
「そんなの、勿体ない」
「そうだね」
と言う会話が存在しない訳です。
注) 類似した言葉はあります。
「勿体なくない」行動をしてもらおうとすると、
上記のような長い説明からスタートなのです。
想像するに「勿体ない」は、「一粒のお米にも7人の神様がいる」的な、
八百万の神思考がベースになって生まれてきたのだと思います。
一神教の国では、生まれて来づらい言葉(概念)ですね。
そういえば、フランス語に「tatamiser」(タタミゼ)という単語があるそうです。
畳のある生活→日本びいき、という意味だそうですが、それを超えて
「タタミゼ効果」という現象も起きると言う論があります。
母国語では断定的な物言いが当たり前だった「人」たちが、
日本で、日本語を使っていると、
「すいません」や「検討します」などを多用してしまうと。
そして、母国語をしゃべっている時より、
自分が「穏やかになっていた」と認識するそうです。
これ間違ってはいけないのは、
「母国では断定的な物言いが当たり前だった人」
というのは、決して特殊な人ではないのです。
個人が意見を主張するのは当然の「環境」で、それは「言語」にも現れていると。
日本では、逆に断定的にではなく伝える「言語」表現が主流。
「言語」の影響力はすごいですね。
世界の人々が日本語を話したら、穏やかな世界になるような気が・・・
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