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2014年8月のアーカイブ

冷蔵庫の厚み

冷蔵庫の奥行き。

これ、台所計画の結構大きな問題です。

何故ならば、一般のキッチンは奥行きが65㎝なので、キッチンと並べると何とかOKですが

バックセットと並べるとその奥行きがネックになります。食器棚なんかは45㎝なので、

どうしても冷蔵庫の奥行き70㎝が大きく目立ちます。

電子レンジが大型化して、カウンターは55㎝程度あるものが増えてはいますが、

それでも冷蔵庫の奥行きよりはだいぶ短い。

それが、解決・・・いえ緩和するかもという話です。

 

日本の白物家電は、年に1回のモデルチェンジが恒例です。

そのモデルチェンジも、型番だけ(マイナーチェンジ)という年もありますが、

気合いが入っているなぁという年もあります。

で、今年の冷蔵庫業界で、一つの競争が始まっています。

それが庫内の広さ競争です。

2013年モデルにおいては、三菱の圧勝でした。

「おけるスマート大容量」と銘打った三菱の性能を少し紹介します。

詳しくはリンクを見て欲しいのですが、本体幅68.5㎝で605Lだそうです。

(685mm×1,798mm×699mm)

我が家の2002年製・三菱製冷蔵庫は、同じ幅で401L。

(685mm×1,755mm×639mm)

奥行きの違いはあっても、200Lの差はすごいです。

これは一重に断熱材を薄く出来たからです。

実際電気屋さんで見てみると、庫内の広さが圧倒的。

さて、日本のメーカーは、一社がやると他社も追随します。

今年「庫内広い」合戦に参加したのは、東芝です。

「マジック大容量」と謳った2014年10月発売の新商品が、それです。

同じ68.5㎝で、555L。

(685mm×1833mm×699mm)

まぁ、これでも50Lの差がありますので、三菱の優位は変わりません。

ですが、同サイズの前モデル510Lと比較したら、なかなか頑張ったと言えます。

えっ、冷蔵庫の奥行きと関係ないって?

そうです現段階では関係がないです。

ですが、冷蔵庫の壁が薄く出来る事は、

必ず冷蔵庫自体の薄型化に繋がります。

実は、以前にも薄型の冷蔵庫が発売された事があります。

ですが、全く流行りませんでした。

何故かと言うと、扉内側の収納を削って薄くしたからです。

ドアポケットにペットボトルどころか牛乳パックも入らなかったと記憶しています。

そりゃ、売れませんよね。

ですが、断熱材の薄型化が可能なのであれば、話は別です。

現段階では、

同じ専有面積でも大容量。

つまり、

今の冷蔵庫を、サイズそのままで大容量

なので買い換えませんか?

というアピールが主なのですが、

同容量なのに奥行きが薄い。

というメーカーも出てくると思っています。

冷蔵庫の奥行きは70㎝を少し切るサイズが主流。

これを60㎝に出来たら、結構ヒットすると思います。

キッチンのバックセットから、冷蔵庫だけ飛び出している。

というのは、あまり綺麗ではないですからね。

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消費税を上げる愚行

以前、5~8%に上げるかどうか?の決定に際して、

私は「上げない」方に賭けました。

思いっきり外れてしまいましたが・・・

消費税を上げないと日本が借金漬けに。

という意見には、

いやいや、景気回復したら、税収は増えますよ。

という立場でしたし、

逆に、消費税を上げたら景気回復が阻害され、

消費税は増えるでしょうが、トータルの税収は下がる

という考えだからです。

下記の図を見て欲しいです。

税収は1990年に60.1兆円あったものが

2008年には、38.7兆円まで落ち込んでいます。

一方、消費税は

3%の頃は、5兆円

5%の頃は、10兆円

まぁ、パーセント通りという訳です。

で、そんな消費税ですが、全体のどれくらいを占めているかも表から分かります。

最近は、どーんと割合が増えて25%を占めています。

でもまぁ逆に言えば、その程度なわけです。

かつ

消費税の額が増えたから比率が上がった。

と言うよりは

税収の総額が下がったから比率が上がった

の方が正しい解釈だと思うのです。

増税の目的は何でしょうか?

当たり前ですが、全体的な増収です。

だったら、税収の10%程度しか占めていなかった消費税の増税に血眼を上げるより、

残りの90%を増やす努力をした方が良いと思うのです。

で、そのための「景気回復」という政治目的だったはず。

先程の表では1990年の税収が最高値なのですが、いわゆる「バブル景気」の時期。

つまり景気が良ければ、税収は多いのです。

だけど、10%程度しか占めない部分に注力して、景気が悪化したら・・・

そのダメージは、ものすごくでかいです。

それを絶賛体験中なのが、この瞬間です。

今までも2回ほど経験しているのですが、今回は1年おきの連続技。

 

なんでそんなに景気を減速させたいのか理解できません。

だって

今年の4月に昇給、もしくはベースアップで、所得が3%ほど上がった人。

例えば、手取り20万円が20万6千円になった。

という人ではじめて、

可処分所得(使えるお金)が現状維持。

(額面では、所得税等がありますので、あくまで手取りベース)

総トータルの税収を増やす。

という目的には、消費税の増税はマイナスであった。

という現実を、今回の8%増税で認めて欲しいのですが

「てへ、間違っちゃった」

とは、言えないのでしょうね。

次に2%上げたら、

先程の手取り20万円(今年の3月において)の人は、

来年の4月に21万円もらって初めてトントン。

そりゃ景気が悪くなりますよね。

で、そうなるとどうなるか?

消費税以外の税収が減ってしまい、税収の総額が下がります。

だけど

景気が回復しなかった原因は、消費税増税にある。

と認められない人達は、

消費税の上げ方が少なかったのだ

という理屈を振りかざすでしょう。

日本が破綻しないためには、

引き続き消費税の増税だ。

という悪循環モードが待ってます。

なんかギャグみたいですが、そんな流れを感じますね。

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掃き出しサッシが人気な訳

リビングに付きもののサッシと言えば、掃き出しサッシ。

掃き出しサッシとは、室内の床面と段差がなく、

そのまま外に出られる引き違いサッシの事。

サッシメーカーでは、扉的(人が出入りする)な窓なので

引き違い「窓」と区別するために、テラス窓(テラスサッシ)という名前で棲み分けをしています。

箒(ほうき)でゴミが掃き出せるからその名が付いたのだと思いますが、

複数付いているのが当たり前で、無い家を探すのが難しいぐらいの人気です。

・・・と言うか、みんなあるのが当たり前だと思ってますよね。

今回は、掃き出しサッシの人気について考えてみます。

まずは、掃き出しサッシの特徴です。

①出入りが出来る

②明るい

③開放感がある

④大開口が可能

⑤開け放しに出来る

いろいろと書き出してみましたが、

掃き出しサッシだけとなると、①+③+⑤だと思います。

つまり、

人が出入りできて、かつ(大きく)開け放しに出来る

という事ですね。

開き戸であれば「通風」目的で開け放しにすると扉が邪魔になります。

ドレーキップという、「内倒し+内開き」が出来る窓もありますが、まだまだ少数派。

しかも内倒しという特性から、カーテンやロールスクリーンとの相性は良くありません。

結果、多くの家で掃き出しが取り入れられています。

この状況、「家は夏を旨とすべし」的な刷り込みと共に、非常に根深いモノを感じます。

オチが無くてすいません。次回に続きます。

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南向きの定義と庇の価値

窓は南に大きな開口、北に小さな窓。

東と西には、窓は無い方が良い。

これが、ものすごく簡単な窓配置の基本です。

何故か?

真冬は日射取得で、自然の熱を得、

真夏は日射遮蔽で、オーバーヒートを防ぐ。

という目的に、最も合致しているからです。

東や西の窓は、低い高度から日が射し込んでくるため、原則御法度と言う訳。

もちろん外付けブラインドのような必殺技がある場合は、その限りではありません。

 

さて上記は、今までも書いたことがある一般論です。

現実には、できれば南に向けたい、配置上ちょっとずれている。

という事は多くあります。

今回のテーマその①は、

「どの範囲までが南なのか」と言うこと。

真南から何度ずれまでが、南と言えるのか?

です。

結論を先に言いますね。

日射侵入率の計算上では、±30度を境にしています。

真南から時計回りに、45度ずれたら南西。90度ずれたら真西。

なので、1/3の30度というのは、まぁ妥当な所でしょう。

もちろん29度が真南と一緒。

ではないですし、

31度だからダメなんだ。

ということでもありません。

あくまでも30度を境に、温熱環境の計算式が変わるという事です。

現実においては、ずれた角度だけ遮熱対策が必要と判断してください。

テーマその②は、

庇の遮熱における価値です。

まず、どんな庇が必要なのか?

遮熱に有効な庇の長さは、

窓の下端~庇までの距離×0.3以上

とされています。

なので2mの掃き出しサッシのすぐ上に付ける場合は、60㎝の出幅が必要です。

この庇の能力は、日射遮蔽係数という数値で表します。

庇なし            1

庇有り  ±30度以外   0.7

庇有り  ±30度以内   0.5

南向き庇の大切さがよく分かります。

また、角度が30度以上ずれたら、遮熱性能が0.5→0.7と悪くなっている所も注目点です。

この流れで行くと、西や東に関しては、1にもっと近づくため、

日射遮蔽としての庇の価値が激減します。

一方、外付けブラインドは、この数値が0.2。

なので庇よりずっと高性能。

ですが庇は、

視覚的な障害にならず、動かす必要もなく、ほぼノーメンテナンスでローコスト。

それで遮熱ができるのですから、

南面の庇は、正に「付けなくちゃ損」のレベルです。

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透湿と調湿

透湿と調湿

住宅において、良く出てくる単語です。

どちらも、良い意味で使われることが多いと思います。

特に「調湿」は。

まぁ、調湿して悪いことはないですよね。

ホントかどうか知りませんが、「湿度を調節する」と言っているのですから。

「調湿するのが良いのか。しない方が良いのか」

と質問されたら、まぁ「する」方を選びますよね。

する事によるマイナスがあるとは思いませんから。

もちろん、どの程度の調湿能力があるのか? それが人にとって有効か?

という疑問は残ります。

それも「調湿」という言葉が、「良いことをやりますよ」的なオーラが強いからだと思うのですね。

例えば、

〇〇という内装材には、室内の湿度をコントロールする調湿機能があります。

という言い回しです。

何か、それだけでとっても快適になりそうですけど、快適になるとは書いてないのですよ。

CACICOとしては、眉唾な事も多いですが、

まぁ邪魔にはならんでしょ。

と思っています。

なぜならば、閉ざされた空間内の話だからです。

 

ではもう一つの「透湿」はどうでしょうか。

生活の中で「透湿性能」が求められるものと言えば、

紙おむつやレインコートです。

これらの商品に透湿性能が無かったら、

赤ちゃんのおしりにあせもが出来ますし、

レインコートの中は、雨では無く、汗でべちゃべちゃです。

で、実は家も同じストーリーで語られることが多いです。

建物が呼吸しているから、それを妨げない方が良いとかです。

一番有名なタイベックのHPから転載すると

タイベックハウスラップは、無数に存在する繊維の隙間から湿気が抜けていくため、

結露を防ぎ、木材や断熱材を乾燥状態に保ちます。

と書かれています。

一見、紙おむつやレインコートと同じように納得できそうです。

ですが現実においては、そんな「場合」ばかりではないのです。

例えば真夏。(今です。うどん県で36度とか・・・どうしろって言うんですかね)

外気は当然、高温多湿です。

でもって家の中はエアコンをかけるので、(外気に較べると)低温低湿です。

この状態で先程の透湿性能が発揮されるとどうなるか?

透湿と言うのは、湿度の移動を妨げないという意味です。

当然ながら湿度は、高い方から低い方へ移動しようとします。

つまり、自然界の湿度が室内に入ってくる訳です。

それって良くない話ですよね。

なので、「透湿するのが良い」と無条件には信じられません。

ですから、透湿防水シートを前提にした「通気工法」も同様です。

「調湿」と違って、室内と室外を繋ぐ「透湿」という現象には、絶対的な正解はない。

と言うのが、CACICOの立場です。

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ビフォアフターでコンクリートの蓄熱性が

私、あまり・・・と言うか、ほぼテレビを見ません。

ですが、時々見る番組に「劇的 ビフォーアフター」があります。

7/27に放送した作品ですが、

連れ合いが「CACICOの仕事に近いよ」と言うものですから、見てみました。

出てきたのは築50年の鉄筋コンクリート2階建て。

確かに最近のブログネタと同じ対象です。

 

改修を断熱の事だけに絞ると

屋根は屋上で外断熱

壁は内側で現場発泡の内断熱

でした。

鉄筋コンクリート(正確にはコンクリートブロック)の内側で現場発泡は、

正直言って薦められたものではありません。

特に木造住宅に多用される100倍発泡をコンクリートに使うのはNGですが、

屋上の外断熱は大正解です。

 

さて、壁の現場発泡が何故NGかを説明します。

現場発泡ウレタンには、大きく分けて100倍発泡と30倍発泡があり、

発泡倍率の差以上に、性質が大きく違います。

100倍発泡は連続気泡で、

30倍発泡は独立気泡です。

(因みに断熱性能は100倍より30倍が優れています)

住宅で使われるのは、コストの関係で100倍発泡。

で、上記でNGと言ったのは、

性能差ではなく100倍発泡の「連続発泡」という性質です。

気泡が独立している場合は湿気が表面で止まるのですが、

連続発泡の場合は、スポンジのように吸い込んでしまいます。

テレビでは倍率に言及していませんが、見ためは100倍発泡でした。

また外壁は(番組的には触れられていなかったので)単に塗り直しただけと思われます。

と言うことは、

外壁の構成は、仕上げ材+モルタル+コンクリートブロックです。

つまり湿気は入り放題で、断熱材は湿気に弱い。

何より、屋根においては、

「コンクリートの蓄熱性を考えて外断熱」

と言っておきながら、同じ事を壁に適応しないのは何故?

と思ってしまいました。

もっとも、コンクリートの蓄熱性が普通に説明されたことには感動しましたが。

 

「前回(7/13)の放送分も、外断熱だったよ」

と合いの手が入ったので、引き続き録画したのを見ました。

こちらは

壁が外断熱で、大きな掃き出し窓がトリプルガラス

という仕様でした。

断熱仕様には先程と同様「?」ポイントもありましたが、

二回連続、ちょっと変わった断熱(外断熱やトリプルガラス)が出てくるのは発見でした。

(相変わらず、「おいおい」と言いたくなるようなギミックは置いといて・・・)

「熱のコントロール」がTVネタとして有用になってきたんだなぁと感慨深いです。

どんな形であれ、取り上げられるのは良いことです。

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打ちっ放しが悪いのか?

3回連続同じ話題です。

タイトルの回答は、私としては「ハイ」です。

ですが、打ちっ放しだけが、悪い訳ではありません。

ほとんどの鉄筋コンクリートの建物が、打ちっ放しと似た状況下にいます。

外側にタイルを貼ろうが、吹き付けしていようが、打ちっ放しより少しマシなだけなのです。

何故そんな事が言えるかというと、

コンクリート外側仕上げ材の防水能力がたいしたことが無いからです。

まぁ、「剥き出しよりはマシ」という場合がほとんど。

マンションは20年後の大規模修繕を前提にマンション立てているわけですから。

定期的に大規模修繕工事を獲得する目的で、ワザと性能が低いのでは?

と勘ぐりたくなるレベルです。

さて、以前3つのポイントを上げました。

①水に弱い

②結果として、寿命が極端に短くなる

③温熱環境が守れない

ですね。

①と②の話を、なんとなくしていたのですが、ここでデーターなるものを。

理屈は分かったけど、確証は?

ということで、このデーターを。

こちらは、北海道建築技術協会が発行している「外断熱工法ハンドブック2003」からの引用です。

鉄筋コンクリートの寿命の実験です。

内断熱の場合は、65年で、

外断熱の場合は、180年で、

鉄筋の腐食が始まるというデーターが発表されています。

だ・か・ら・外断熱が良い。

という話なのですが、その理由を推察します。

外断熱をしている場合、コンクリートの外側に「断熱材」という層が追加されます。

少なくても3㎝以上の厚みを持つ断熱材。

この存在が外部からの雨水等の侵入を防ぎ、

結果として、コンクリートを長寿命化させているのです。

なので、

コンクリート打ちっ放し

コンクリート+仕上げ材

コンクリート+断熱材+仕上げ材

の順で寿命が延びていくのです。

とてもシンプルですが、だからこそ納得できるのです。

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