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2015年2月7日のアーカイブ

クロス切れの原因を探る

室内の仕上げと言えば、日本では圧倒的にクロスです。

で、たまたま工事現場でクロス屋さんと話をしていると、

「最近の住宅は、補修依頼が多い」

という話題が出てきました。

クロスの補修とは、クロスが切れた箇所の補修の事です。

塗り壁ならば割れ(クラック)と言いますが、クロスは「切れる」と表現します。

さて、このクロスの「切れる」場所ですが、塗り壁のクラックと同様、下地の継ぎ手です。

建物が風圧等で揺れた場合(戸建て住宅では普通です)、そのひずみはどうしても弱いところに集中します。

なのでクロスが切れるとしたら、ボードの継ぎ手なのです。

クロスや塗り壁の下地処理ですが、一般的に「パテ」と呼ばれる材料で、継ぎ目を固めます。

その時、強度を増やすために寒冷紗というファイバー強化テープを入れる事が多いのですが、

それでも切れる時は切れます。

 

ですが、「最近増えてきた」というのであれば、何か新たな要因があるはず。

その原因として考えられるのが、「建物の高断熱化」です。

家を快適にするための「高断熱」が、クロスの切れる原因。

そう言われても、ピンと来ないと思いますので、順序立ててお話しします。

快適な住宅とは、寒くない住宅だと言って良いと思います。

夏暑いのは仕方ないけど、冬の底冷えはちょっと。

その目的を達成するため、まず行われたのが「断熱」の強化。

結果として、以前よりは「暖かい室内温度」が実現できるようになりました。

ですが既築の住宅においては、樹脂サッシが普及していないこともあり。

玄関扉や窓では結露が発生します。

つまり室温は確保できても、湿度は確保できていない。

同時に暖房器具の選択にも変化がありました。

開放型呼ばれる、ガスや灯油を燃料にするタイプから、電気式に切り替わっています。

これは先日書いたように、「水蒸気を発生する器具」から「水蒸気を発生しない器具」への変更です。

窓の結露は大きく減少しましたが、

結果として以前より「高温・過乾燥」な住宅が増えている。

というのが、私の推測です。

さて、もう少しお付き合いください。

一戸建てのほとんどは木造住宅です。

クロスの下地であるボードを固定する相手も、当然柱や間柱という木材なのですが、

これが室内環境の「高温・過乾燥」の影響を受けて、

今まで以上に痩せたり、捻じれたりする。

これが、クロスの切れが多発する理由・・・

結構自信があるのですが、どう思われますか?

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