CACICOブログ HOME > アーカイブ > 2012年5月のアーカイブ

2012年5月のアーカイブ

ユニットバスの施工

今日のM邸は、お風呂の取付でした。

お風呂に求めるものは多々あると思いますが、

個人的には、「洗濯用ふろ水利用システム」は欲しいです。

これは、浴槽に残ったお湯を、翌日の洗濯に使うシステム。

洗濯機のオプションで簡単にできるのですが、汲み取り用のホースが邪魔になるのが欠点。

でも、このシステムを使えば、配管自体を隠す事ができます。

これがリクシル版の模式図です。

で、TOTOのシステムはもっとシンプル。リクシルとは違い、追い焚き配管とセットになっています。

模式図無いですけど、現物の写真がこれ。

下部の黒い配管が固まっているヶ所。

追い焚き用の水・湯とふろ水利用システムの3つの配管があります。

浴槽の貫通部を1ヶ所にまとめている所はポイントが高いですね。

このふろ水利用システムには、業界の大きな不思議があります。

それは家電メーカートップであるパナソニックが、自社のユニットバスに採用していない事です。

メーカーの営業さんには何回も話をした事があるんですけどね。

  • コメント(閉): 0
  • トラックバック(閉): 0

隙間は名刺サイズ

ゴールデンウィークが明けました。

「長い事休んだから、ぼちぼちやるよ」

という事で、大工さんの仕事は気密処理からスタートです。

壁の気密は終わったのですが、天井(屋根)は終わっていないのです。

上部からの処理でほぼ完璧だと思うのですが、「念には念を」を入れます。

大きな隙間は断熱材を吹き込み、そうでないところはコーキング。

もちろん指示だけではなく、理由を説明して、納得してもらってからお願いしています。

昨月、来日されていたクーラーさんが講演会の後の質疑応答でこんな話をしていました。

質問者     「高性能な家を造る時に、大切な事は何ですか?」

クーラーさん  「一番大切なのは気密です」

その言葉は、現場に携わる者として非常に納得できます。

一般的に高性能な家に必要な要素は、断熱、気密、換気と言われていますが、

その重要度のトップが気密という訳です。

理由は2つ

①後で行うのがとても大変

断熱と換気は後から追加・変更できますが、気密を後から確保するのは至難の業。

一般住宅の隙間は、全部集めたらA4サイズぐらいのサイズになります。

その隙間が外周にバラバラと散らばっていると思って下さい。

気密工事とは、その隙間を名刺サイズまで小さくする事です。

そんな工事、家が完成してからできる訳ありません。

 

②断熱や換気を生かすも殺すも気密しだい

これだけじゃ解らないですよね。個々に解説します。

☆気密を取らない断熱

隙間がある訳なので、最大限の性能が発揮できません。

でも、それはあまり大きな問題ではなく、

どちらかと言えば、気密を取らない断熱が壁の中で結露を起こす。

これが大問題です。

窓の結露とは違い見えない結露なので、防ぎようがありません。

カビ発生原因の有力候補かつ、構造体腐朽の温床です。

☆気密を取らない換気

空気の流れがコントロールしづらくなり、換気がうまくできません。

例えば、部屋の中の空気を入れ換えるためには、対角線上(一番離れた位置)に給気口と排気口をセットします。

その時、排気口の近くに穴があったらどうなるでしょうか。

「給気口→排気口」という流れにならず、

「近くの穴→排気口」(ショートカットと言います)となってしまい、

せっかくの換気性能が発揮できません。

水やりのホースの途中に、穴がいっぱい空いていたら・・・うまく水が出ない。そんな感じです。

 

ついでに逆も考えてみましょう。

☆断熱をしない気密

まぁ寒いでしょうが、少なくとも隙間風は減るでしょうから、マイナスはありません。

☆換気をしない気密

換気を止めると結露がおこりやすくなりますが、それは換気の問題。

それでも気密をしておけば、壁体内の結露を起こす事が防げます。

という風に、気密性能を上げる事でプラスはあっても、マイナスはありません。

 

少し話は変わりますが、気密住宅は「息苦しくなるのでは」と不安を抱く人もいます。

こちらのフォローを少し。

最近の住宅は、昔と違って立て付けがしっかりしています。

上でも書きましたが、隙間は家一棟でA4用紙一枚程度。

アルミサッシ以前の住宅で、隙間風を肌で感じられるレベル(大きな隙間)だと別でしょうが、

現在の新築住宅において、「隙間による自然換気」というメリットは期待できません。

逆に「中途半端に小さな隙間」にはマイナスがいっぱいなのです。

「高気密」なんて堅い言い回しが、良くないのでしょうね。

隙間は名刺サイズにしましょう。

このキャッチコピーならどうでしょうか。

  • コメント(閉): 0
  • トラックバック(閉): 0

もう戻れない

今日で外壁の防水工事が終わります。

で、もう戻れない事に気づきました。

なにに?

それは、透湿防水シートを使った防水方法にです。

透湿防水シートによる防水とは、1メートル幅のシートで、建物をぐるぐる巻きにする手法。

だから、アメリカでは「ハウスラップ」と言います。

一番下はテープで固定しますが、その後は10㎝程度の重ねしろを取りながら上へ上へと巻いていきます。

シート自体の固定は、ハンマータッカーという大きなホッチキスのようなものを使います。

サッシとの取り合い部分は、ブチルテープでの固定。

細かい事を言えば、この段階で、針ほどの穴は開いています。何せ、固定がホッチキスの針ですから。

また、下記のような入り隅部では、重箱の隅をつつくようですが、ピンホールと呼ばれる穴ができてしまいます。

で、そのヶ所は、コーキングを盛り上げて止水します。

透湿防水シートを使った防水は、現状の木造・鉄骨住宅の標準工法です。

きちんと施工さえすれば、漏水につながる事はありません。

ですが塗り防水を始めてから、現場の見方が変わってしまったのです。

一切の隙間が無いのが当然に・・・

 

こんな感じで、あらゆる所がシームレスに防水してしまえます。(木がやせてもついていきます)

工法が違うので比べるのが申し訳ないですが、タッカーの穴が許せなくなりました。

もう、昔には戻れません。

  • コメント(閉): 0
  • トラックバック(閉): 0

防水の仕上げ工事

防水を指して「仕上げ」、という言うのも変ですが、この防水工事はぜひ紹介したいのです。

下地工事が長引いたため、午後から仕上げスタートです。

この材料、アクリル100%のエラストマー性(弾性)液体塗料。

硬化するとゴム状になり、シームレス(継ぎ目無し)に住宅を包み込みます。

この商品、防水だけではなく、気密工事が終了するのも特徴の一つだと言えるでしょう。

何せシームレスなのですから、当然と言えば当然ですよね。

特徴としては、「施工がシンプル」な事があります。

下地工事は全ての隙間を埋めるので、手間がかかるのですが、

仕上げ工事はとても簡単

この場合の簡単は、褒め言葉です。

防水という住宅にとって、とても大切な工事が簡単。

ということは、それだけ理にかなっているという事なのです。 

  • コメント(閉): 0
  • トラックバック(閉): 0

防水下地の再開

GW中に仕上げてね。

とお願いしている訳ではないのですが、塗装屋さんは頑張っています。

五月晴れの下、下地工事が進んでいます。

前回初めての作業という説明をしましたが、今日は、なかなかスムーズな仕事ぶり。

本人曰く、刷毛やローラ、ヘラ等いろんな道具で試してみたとの事で、

一番ぴったりだったのが、「左官さんのコテ」だったそうです。

確かに手つきが、左官さんっぽい。

下地工事は、以前にも書きましたが包帯のようなファイバーメッシュとパテを使って、継ぎ目や段差を無くす作業です。

いくら優れた材料でも隙間があっては防水できませんので、まずは全体をフラットにする訳です。

こんな感じで、メッシュシートをパテでサンドイッチしていきます。

この調子だと、明日は防水の仕上げ工事に移れそうです。

  • コメント(閉): 0
  • トラックバック(閉): 0

日本における太陽光発電の意味

以前、「日本は地理的な状況から、風力より水力」が合っている。

という話をしたのですが、では、太陽光はどうでしょうか。

太陽光発電に向いている場所というのは、当然ながら、日照時間が長い地域という事になります。

「三菱重工技報」という技術解説書に、日照時間の一覧表がありました。

その表によると世界を年間日照時間で5つに分類しています。

①3600時間以上     北アフリカやアフリカ南部、アメリカ中西部等の砂漠地帯

②3000~3600時間   北アフリカ~中東、アフリカ南部アメリカ中央部、オーストラリア中央部

③2400~3000時間   中国の大半、中央アジア、インド、オーストリア外縁部、南欧、アフリカ中央部と南部、中米の高地

④1600~2400時間   日本、ヨーロッパ中央部、アメリカ北部、カナダ、南米の低地

⑤1600時間以下     ヨーロッパ北部

日本は5分類の下から2番目です。

スペインやイタリア、ギリシャ等の③に属している国から見れば、2/3ほどの日射量しかない。

ご存じだと思いますが、太陽光発電の開発をリードしてきたのは、日本です。

20世紀においては、ヨーロッパの全使用量より、日本単体の設置量が多かったのです。

それが21世紀になってドイツを中心にした行政的な(全量買取)支援のおかげで、

設置量はあっという間にひっくり返ってしまいました。

それを指して、「日本は出遅れた」という人がいます。

ですが、果たしてそうでしょうか。

日本はエネルギーのほとんどを海外から輸入しています。

であるからこそ世界が見向きもしない時代に太陽光発電に力を注ぎました。

でも、それは(手厚い行政支援が無い状況では)大きく普及しなかった。

それは素直に「太陽光発電が金銭的に、あまりにも割が合わなかったから」と考えるべきです。

(金銭的に合わない=電力を得るためのエネルギー使用量が大きい。という意味)

メガソーラーの等身大」で話をしたように、既存の発電所を太陽光発電で置き換えるのは、絵空事です。

太陽光は、太陽光なりの長所がありますが、基幹電源には向きません。

そんな日本がヨーロッパの真似をして、今年度から全量買取制度を始めます。

他山の石がゴロゴロ転がっているのですから、ぜひ参考にして欲しいですね。

  • コメント(閉): 0
  • トラックバック(閉): 0

防水の完成形

雨が続いた関係で、防水工事が進んでいません。

そこで、以前の防水工事の写真を引っ張ってきました。

塗り防水の完成形をご紹介します。

従来の防水シートやブチルテープでは決して達成できない、シームレス状態になっています。

例えばサッシの裏側を見てみても

こんな感じで、凸凹面にもしっかり密着しています。

CACICOの家は、「家丸ごと、防水層に継ぎ目無し」を標準にしているのです。

  • コメント(閉): 0
  • トラックバック(閉): 0

ホーム > アーカイブ > 2012年5月のアーカイブ

検索
Feeds
Meta
3 / 3123

ページの上部に戻る