- 2015年2月18日 11:55 PM
- デシカ日記
以前勤め人の時は、キッチン・ショールームの方と話す機会がよくありました。
その時私が言う台詞の一番は、
「レンジフードは、同時給排タイプにしてね」
でした。
キッチンの換気扇のことをレンジフードと呼びます。
炒め物や煮炊きをする時は、湯気や油煙が大量に発生します。
これらを効率よく排出するのが、レンジフードの役割。
ですが、キッチンで「換気扇」と呼ばれている機械を、
能力に基づいて正確に表記すると「排気扇」でしかありません。
出すだけなのです。
さて、ちょっと脱線しますが、現在の住宅には計画換気が義務づけられています。
1時間に0.5回(2時間に1回)の換気が必要。と言われるやつ。
その根拠を知っていますか?
換気のルールでは、人は1時間あたり、30立米の新鮮空気が必要とされています。
30 m3/h (立米/時間)と表記しますね。
4人家族が30坪程度の家に住むとします。
人間が4人なので、120 m3/hの新鮮空気が必要。
240 m3/hの室内空気の内、120 m3/h,つまり半分を入れ替える必要があるという事になります。
計画換気における必要風量の計算でした。
なかなかに大雑把ですよね。
その可否は別の機会に書くとして、
ここでは、家一棟を換気するには120 m3/hぐらいの能力がいる。
という事だけ覚えておいてください。
さてレンジフードの話に戻ります。
メーカーによりますが、弱で300 m3/h 中で500 m3/h 強で700 m3/h ぐらいの設定です。
つまり弱運転でも、
1時間あれば、家の中の空気を全て入れ換えて、まだおつりがくる。
そんな勢いで排気運転するのです。
今、わざと排気運転と書いたのですが、
その能力をいかんなく発揮するためには、本来なら、同量の給気が必要となります。
最近の立て付けの良い住宅だと、大量の隙間風が入ってくる隙間がないので、どこかの窓を少し開ける事になります。
そうしないと、モーター音はしても排気はしない。という羽目に陥ります。
以前はマンション等、気密性能が高い空間でのみ見られた現象ですが、、最近では個人住宅でも増えています。
建築精度は改善されても、設備が追いついていない訳ですね。
私が始めに述べた同時給排タイプとは、
排気運転している時に、外気の給気ができる仕掛けを持ったレンジフードを指します。
文字通り、給気と排気を同時に行います。
排気をするためには、同量の給気が必要。
ただそれだけなのですが、それができるレンジフードは、まだまだ少数派です。
CACICOとしては、同時給排の能力があって、初めて換気扇と呼んで良いと思うのです。
それ以外は、紛らわしいので排気扇という名前に変えて欲しいです。
だって、排気しかしないんですよ。
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