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湿気による害のない家造り

京都での研修、その1は、上記のタイトルでした。

湿気による害、で思い浮かべるのは結露ですが、その根本の話。

ドイツは断熱先進国です。

で、他国より先に行う。ということは、実は失敗も数多く経験していると言うことです。

日本と較べて、地震や台風等の自然災害が圧倒的に少ないドイツでも「建物の損傷」は起こります。

統計的には、年間40億ユーロ(約5千億円)に及び、その多くが「湿気による害」に起因しているそうです。

快適な建物を作ろうとして、家の寿命を縮めてしまった。という訳。

ものすごく大雑把には、

住宅の省エネ性を求めた

→断熱材が厚くなり、気密が良くなった。

そのため、室内の湿気が室外に出づらくなり、構造体に湿気が滞留する。

という流れですが、面白いのは、そこに「熱」が関係してくることです。

高断熱の家は、構造の外側(外壁)の温度が上がらないため、室内の湿気がより一層出づらくなる。

というのは、初めて知りました。

熱と湿気には相互作用があるため、一緒に考えないといけない訳です。

でも、考えれば考える程、建物と人間はよく似ています。

例えば、冬の防寒着に何を求めるか?

寒いから、暖かくしたいですよね。(断熱)

なので、「綿入れ」の服がうれしい。

暖かくするには、防風性も大切ですし、雨のことを考えれば防水も必要。(気密)

だったら、ビニール的な仕上げが一番です。

例えば、「綿入れのウインドゥブレーカー」です。

でも、どんな寒い時でも、動いたら汗をかきます。

ビニール生地だと、その汗が蒸散できなくて、服の下で汗が結露をおこします。

雨の日に活動すると、雨では濡れなくても汗で濡れてしまう。という経験が皆さんあると思いますが、どうですか?

特に「登山家」は生死に直結する危険すらあります。
 
なので、「雨は弾くけど、湿気は逃がす」生地が必要となります。(透湿)
 
メジャーな所では、GORE-TEXですね。
 
これは、そのまま建物にも当てはまります。
 
人はGORE-TEXで、建物は「透湿防水シート」という違いがあるだけで、目的は同じです。
 
人も建物も、「暖かくして、雨を防いで、湿気を逃がす」必要があるのです。

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