- 2017年10月4日 3:35 PM
- CACICOBASE
久しぶりにブログを再会します。
基礎の断熱は、内断熱より外断熱の方が有利。
と言うのは、建築業界の(勝手な)常識です。
これは鉄筋コンクリートの断熱方法は、内が良いか外が良いか?という問答と同じ。
そうは言っても、一般的な鉄筋コンクリートの建物は、ほとんどが内断熱。
何故か?
大きくはコストの問題なのでしょうが、
仕上げはタイルでなければいけない。という決めつけも大きい気がします。
マンション → 高級感が必要 → タイル仕上げ
という流れですね。
地震多発国で、このタイル信仰は困りもの。
タイルって個々がバラバラで接着しているのですから、剥落のリスクが高いのです。
脱線してしまいました。木造住宅の話ですね。
木造住宅と言っても基礎は鉄筋コンクリート造。
ですが有り難いことに、基礎仕上げにこだわる人は少ないですし、
基礎の立ち上がりは面積自体が少なく、コストアップの要因にもなりません。
では、なぜ基礎の外断熱が増えないかと言えば、
木造住宅ならではの問題があるからです。それが「白蟻」。
白蟻対策への不安が、基礎の外断熱化を阻害しているのです。
まず白蟻の問題点を整理します。
基礎に関係する白蟻は、ヤマトシロアリ、イエシロアリという土壌性白蟻です。
アメリカカンザイシロアリという名前をお聞きになった方もいるかと思いますが、
「カンザイ」を漢字で書くと意味が分かります。
乾材、つまり乾燥した材料の略なんですね。
白蟻は大きく2つに分類されます。
土壌性白蟻 水分が必須、乾燥下では生きられないため、巣は土中
乾材性白蟻 乾燥した木のわずかな水分で生息可能。巣は木の中
日本(本土)には本来、土壌性白蟻しかいなかったのですが、
乾燥した木の中で生息できる乾材白蟻が、木材に紛れて入った来たという経緯があります。
で、乾材性白蟻の話はここで終了です。
先述した様に、土壌性白蟻は土中に巣を作ります。
なので必然的に巣と餌場、つまり基礎の表面を行き来します。
なのですが、土壌性白蟻は乾燥や光に弱いため、
外部環境から身を守るトンネルを作って、その中を通ります。
そのトンネルを蟻道と言います。
写真で雨だれの様に見えているのが蟻道。(PrakenのHPより)
この蟻道を早期発見する事により、白蟻の被害を最小限に抑える。
これが従来の白蟻対策であったのですが、
初期の基礎外断熱では、この理屈が通用しませんでした。
白蟻が断熱材の中をくり貫いて、つまり断熱材を蟻道にして、餌場を行き来したのです。
具体的には、
① 断熱材自体
③ 断熱材同士の継ぎ目
外から発見されずに白蟻が建物内に侵入できるルートがたくさん出来てしまったのです。
なので、項目毎に対応策が出てきました。
① → 断熱材を防蟻断熱材にする
② → 断熱材とコンクリートを完全に密着させる工法の導入
③ → 断熱材の継ぎ目は、防蟻コーキングで埋める
という感じです。
次回はもう少し突っ込んだ話をします。
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