- 2016年6月25日 7:06 PM
- CACICOの毎日
イギリス国民投票の結果が出ました。
EUからの脱退
何か、とってもアッサリ決まりましたね。
今回の結果は、
イギリス国民が、移民、つまりグローバリゼーションを拒否した。
と言えます。
日本では、グローバル化と言うと、「良い事」ってイメージがあります。
世界に通用するためにグローバル化が・・・
なんて言う人多いですが、グローバル化の意味が分かっているとは思えません。
先ほど、「移民、つまりグローバル化」と言ったのには理由があります。
グローバリゼーションは、
ヒト、モノ、カネの自由化を指すからです。
EUはその為に、てとも大がかりな仕掛けを作りました。
カネの自由化 → 通貨の統合
モノの自由化 → 関税の撤廃
ヒトの自由化 → 国境の撤廃
なんですね。
興味深いことにイギリスの通過は、ユーロでは無くポンド。
なので通貨統合は、していません。
一方、モノとヒトは自由化されています。
イギリスは、国境撤廃であるシェンゲン協定には参加していませんが、
入国審査があるだけで入国拒否は出来ないから、実質フリーパス。
さて、移民の問題はこんな感じ。2014年1月の産経ニュースから。
ルーマニアとブルガリア、EU域内就労OKに、富裕国から反発も
一部抜粋を。
欧州連合(EU)で、ルーマニアとブルガリアの労働者に対する就労制限が1日に撤廃された。域内の最貧国である両国からの移住者急増を恐れる加盟国に対し、両国は「差別扱いだ」と反発している。欧州統合の要である「移動の自由」にかかわるだけにEUも懸念を強めている。
域内の最貧国・・・ですか。産経はシビアですな。
EUの各国は、新規加盟国に対して、最大7年。自国内の就労を制限できるそうです。
ルーマニアとブルガリアは、2007年加盟なので、2014年に、その7年を迎えたわけ。
これら最貧国とイギリスの月給を比べる(2012年)と
ルーマニアとブルガリア 約50ドル → 5万円
イギリス 約2800ドル → 28万円
イギリスは医療、教育、福祉は無料ですから、そりゃイギリスを目指すヒトは多いでしょう。
で、ちょっと横道に逸れます。
医療が無料と書いたら、「それに比べて日本は・・・」と思われそうなので、少しだけ説明を。
(北欧にある、いわゆる高福祉国家も、似たり寄ったりです)
普段の税金が高いことは当然として、日本のような国民皆保険制度では無いので、
無料で医療を受けられる医療機関と方法は限定されます。
まずは除外項目から。歯科治療は全て有料(除く子供)です。
スタートは、自身の担当であるホームドクター(簡単な診療と処方箋のみ)の予約から。
この段階を飛ばして専門医に受診すると、もちろん有料。
朝から具合が悪いので、午前中に受診、なんて幸運はまず無い様で、何日後・・・って事も。
ここでは処方箋を書いてくれますが、薬には費用が発生(子供は無料)します。
(専門医の選択権は患者には無く、指定された病院)
で、この専門医、投薬以外は無料らしいですが、ベッド数も少なく、なかなか受診の順番が回ってこないらしい。
(時間がかかるのでは無く、日数がかかるという意味)
なので裕福な人は、保険のきかない(つまり高額な)私立病院に行くらしい。
これがイギリスの医療費無料の現実。
イギリスで民間療法が流行る理由でもあるのです。
話を戻します。
2000年に入ってからの新規EU加盟国をあげてみます。
キプロス、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マルタ、ポーランド、スロバキア、スロベニア(2004)
ブルガリア、ルーマニア(2007)
クロアチア(2013)
ブルガリア、ルーマニアに限らず、上記の国の特徴は、
(イギリスと比べて)低所得で、かつ母国語が英語では無い。
前回書いたように、昨年のイギリスには33万3千人の移民が来ました。
イギリスの人口は、日本の半分ぐらいなので、
この状況を日本に置き換えれば、年間66万人の移民がやって来るイメージが正解。
高松市の人口が41万人で、うどん県は全体で100万人です。
つまり
1年で高松市が、2年でうどん県が1つ、移民だけで新設出来てしまう。
この勢いで、しかも英語をしゃべれず、低所得なヒトが中心。
仕事、住む場所、医療、教育(学校)、福祉・・・
国内が混乱しない訳がありません。(報道が無いので想像です)
・・・こんな状況下で、今回の国民投票は行われたのですね。
さて、
イギリスが正式にユーロを脱退するためには、
ユーロメンバー27カ国の内、20カ国以上(人口比率で65%以上)の賛成が必要
らしいですが、これ可能な気がしません。
一気にEU解体!! なんて事態の方が、現実的だったりして。
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