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2018年8月6日のアーカイブ

ガス衣類乾燥機には専用の給気が必要 その1

まず、結論から。

キッチンに同時給排式レンジフードが必要な住宅において

(いわゆる高気密住宅ですね)

ガス衣類乾燥機を導入するなら、専用給気が必須です。

何故ならば

ガス衣類乾燥機とガスコンロに必要な排気性能は、ほぼ同等だから。

 

湿度をコントロールする事が出来ない。つまりデシカを使わない場合、

「室内干し」に大きな期待をする事は危険です。

そこで出てくるのが、ガス衣類乾燥機。

電気式に比べて、早いと言うのが圧倒的な利点ですが、良い事ばかりではありません。

室内でガスを燃焼させるのですから、給排気の設備が必要です。

 

東京ガスのHPには、ガス種13A(大部分の都市ガスはこれ)の発熱量として

45MJ/m3(10,750kcal/m3)

という表記がありました。

一方、代表的なガス乾燥機・リンナイの乾太くん(RDT-52S)のカタログには、

2980000043390M

ガス消費量として(13Aの場合)、最大で5.20kW(4,470kcal/h)という表記があります。

1時間で4.470kcalの熱量を発生するガスの体積を計算すると

4,470÷10,750=0.41  1時間で0.41㎥のガスを消費します。

0.41㎥とは、1辺が約74㎝のサイコロサイズ。(0.74×0.74×0.74=0.4)

一方、そのガスを完全燃焼させるためには、どれだけの空気が要るでしょう。

これも東京ガスのHPから。

都市ガスが完全に燃焼するためには、都市ガス1に対しておよそ14倍の空気が必要です。

都市ガスを使う時には充分換気をお願いいたします。

つまり、ガス衣類乾燥機を1時間稼働させるためには、

0.41㎥×14=5.74㎥の空気が必要。

5.74㎥と言ってもピンときませんよね。

この5.74㎥が、多いか少ないか?

建築基準法で考えてみましょう。

24時間換気の基準として、換気回数0.5回/時をご存じの方は多いと思います。

これは、2時間に1回、家の中の空気を取り替える必要がある。

と言う事で、この数値は、

一人当りの必要新鮮空気量を30㎥/時と仮定して、4人家族が30坪(240㎥)の住宅に住んでいる。

と言う標準家庭を元に算定されています。

人間一人で30㎥ならば、5.74㎥は誤差の範囲のように見えますね。

ですが人間の必要新鮮空気と、都市ガスの必要空気は意味が違います。

人間の必要新鮮空気は、

室内の二酸化炭素濃度を、ある一定以下に抑える。

という縛りがあるのです。

一方、ガスの燃焼における空気が14倍必要というのは、

あくまで、ガスが完全燃焼するのに必要な。という意味。

住宅内部においてガスを燃焼しているわけですから、

健康を考えれば、室内の二酸化炭素濃度を保つための必要換気量として捉える必要があります。

空気調和・衛生工学会規格という小難しい名称の部会であるのですが、

その数値を見ると、都市ガス1.000kcal当り、169㎥/hと決められています。

先程、ガス衣類乾燥機は、1時間で最大4.470kcal発生するとの事なので、

1時間につき、755㎥の新鮮空気が必要となります。

続きます。

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