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2015年10月1日のアーカイブ
逆転結露と通気層 その1
- 2015年10月1日 8:15 AM
- CACICOウォール
逆転結露ってご存じですか?
夏型結露とも言われて、主に蒸暑地域で起こるようです。
夏が終わったばかりなのに、なに季節外れの事を
と怒らずにお付き合い下さい。
一般的な結露は冬場に起こります。
室内の暖かく湿った空気が、窓で結露。
よく見る光景ですよね。
壁体内は見えませんが、一番外壁に近い合板の裏側(一番冷たい)が結露ポイントです。
なので充填断熱には室内側に気密シートが必要なのですね。
壁のおさらいします。
室内側から室外側へは
壁紙→石膏ボード→気密シート→断熱材→構造用合板→防水シート→通気層(外部環境)
という断面構造です。(合板は省略可です)
ポイントは気密シートと防水シートの2枚が必要で、かつ全くの別物である事。
さて今までは「逆転」でない結露の話でした。
引き続き逆転結露の説明を。
それは冬ではなく夏。
屋外から壁体内に入る湿気によって起きるのです。
イラストをデュポンのHPからもらってきました。
湿気を含んだ空気があるのは壁体内(黄色は断熱材かな?)
その水蒸気が気密シートの壁体内側で結露する。
冬は(この図にはありませんが)合板側で結露し、夏は室内側で結露。
だから逆転結露なんですね。
これを防ぐ事が出来るのが、デュポンの秘密兵器「ザバーン」。
ではメーカーのうたい文句をみてみましょう。
この現象を否定する訳では無いのですが、
夏場室内に湿度が入るのは嬉しくないですよね。
でも結露するよりマシ?
いえいえ、それ以前に前提条件が気になります。
壁体内に湿気を含んだ空気があるのです。
どこから来たのでしょうか?
メーカーの説明文には
"『夏場の高温多湿な空気が、空調された内壁に触れて、壁の中で結露する』という問題です。"
と書かれています。
「部屋の内部は気密シート+空調」されているので、
「夏場の高温多湿な空気」は外壁側、
つまり通気層からの侵入ですね。
では、通気層側には何があるか?と言うと透湿防水シート。
同じメーカーに有名な透湿防水シート「タイベック」があります。
まずはイラストを見て下さい。
イラストに書かれている「ポリエチレンフィルム」とは気密シートなので条件は同じ。
説明文を読んでみましょう。
"壁体内からの湿気はタイベック® ハウスラップを通り抜けた後、効果的に排出されるため、有効な壁体内結露対策とされています。"
初めに言っておきますが、ウソではありません。
条件に合致すれば、壁体内の水蒸気は通気層内に排出されるでしょう。
壁体内より通気層内の湿度が低いという条件ならば。
湿度は高いところから低いところへ動くのが大前提。
透湿性能があるシートを挟んで、高湿度と低湿度があったら、
湿度は高湿度側から低湿度側へ移動します。
なので高温多湿の季節には、
通気層から壁体内に、「透湿」防水シートを通して湿度が移動するのです。
だから「ザバーンが有効」という理屈なのですが・・・
CACICOとしては、いろいろと疑問が残るので、続きは次回に。
蛇足ですが、デュポンには2つのザバーンがあります。
住宅用気密シートとしてのザバーン
防草シートとしてのザバーン
どちらもデュポンの商品で、綴りも同じXavan
これが一番の不思議かも。
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