CACICOブログ HOME > デシカ日記

デシカ日記のアーカイブ

湿度が気になる季節

建設現場は、もう真夏ですね。

現在進行中の現場を回るだけで、ドッと疲れました。

職人さん、お疲れ様です。

うどん県は30℃を超えたみたいで、5月なのに気分はもう梅雨明けです。

さて、これは本日(5月21日)正午の温度計。

s-IMG_5980

たまたまですが、室内と室外の温度が一緒でした。

これを絶対湿度に換算すると、

室内 6.77g

室外 10.41g

となります。

ちょっと湿度低すぎ。という気もしますが、

まぁ、ラフな温湿度計なので絶対値は気にしないで下さい。

ただ言えることは、外部から室内に入ると、とても涼しく感じました。

気温が全く同じなのにです。

これは以前も書きましたが、不感蒸泄と言う、

人が知覚しない皮膚からの水分蒸発が、とてもスムーズに行われたからです。

気化熱で身体が冷やされているのですね。

ここから夏に向けて、室内の温度はジワジワと上昇していくのですが、

昨夏、除湿目的でエアコンのスイッチを入れたことはありませんでした。

さて、今年の夏はどうなるでしょうか。

レンジフードを考える その3

前回は、

気密が貧弱な建物は、強制同時給排の方が良い

という結論でした。

まずは高気密の定義から。

建築基準法には、気密の「気」も書かれていませんから、勝手解釈で行くと、

C値で0.6以下が目安かと思います。

 

さて、そんな高気密住宅で、同時給排タイプのレンジフードを使うとどうなるか?

当然ながら、室内は負圧になります。

どんな家でも気密の弱いところから漏気を始めるのですが、

高気密住宅と、そうでない住宅では

漏気箇所が違います。

高気密住宅の漏気箇所は、隠蔽部分ではなく、建具(窓や玄関扉)が主です。

何故かと言うと、隠蔽箇所からの漏気を感じるようでは、0.6という数値は達成出来ないのです。

一方、建具は可動しますので、どうしても気密的には不利。

調整によって、ある程度気密は確保出来ても限界があります。

なので

建具の隙間以外の隙間をゼロに近づけるのが、気密工事の目的なんですね。

高気密住宅の漏気は、トラブルに繋がらない漏気なのです。

・・・話が脱線しました。

さて、「その1」で、レンジフードの排気と給気の割合は、

10:5(メーカー談)と書きましましたが、

高気密住宅においては、これが

9:6や8:6という風に変化すると想像します。

過程としては、

①隙間が少なすぎるので、10の排気性能が担保出来なくなって効率が落ちる。

②室内の負圧が進むために、給気口の風量は増える。

と想像します。

「その1」で

「弱・中・強と風量を変えても、10:5の割合は変わらない」(メーカー談)

とも書きましたが、

これは漏気がしっかりある、つまり気密が貧弱な場合でしょう。

漏気が少ない、つまり高気密の場合は、

繰り返しとなりますが、

効率が落ちて、室内の負圧が進むため、給気量は確実に増えます。

なので、10:5というバランスは崩れるはずなのです。

 

で結局どうなんだ。・・・意見をまとめないといけないですよね。

では一言で。

性能的には、同時給排より強制同時給排の方が有利。

中運転→強運転と排気量を増やすほど、差は顕著に表れると思います。

その差は、どこかの窓を開けることで解決出来るレベルですけどね。

次に「必要か」と問われるとどうでしょうか?

金額的にあまり変わらなければ、導入して損はないと思います。

ファンが一個追加されるだけですから。

ですがメジャーな機能ではありませんので、対応機種は限られます。

富士工業で該当商品を検索したところ、

排気のみ 121機種  同時給排 22機種  強制同時給排 7機種

という機種数でした。人気度合いが分かりますね。

あっ富士工業ですが、レンジフードの製造では、国内トップシェア。

OEM(相手先ブランド名供給)が基本なので、業界の人しか知らないでしょう。

またまた話が逸れましたね。

 

CACICOの話をすると、同時給排&弱運転で生活していますが、特段困っていません。

コンロの上で煙や油煙がイッパイという料理をしない為かもしれませんが、

この辺りは生活スタイルですので、人それぞれだと思います。

最後にデシカ絡みの話をしておきます。

(デシカ日記のカテゴリーでもあるからです)

以前にも書いたことがありますが、デシカにはフレッシュアップ運転という仕掛けがあります。

(専用の配線が必要)

これは他の換気扇と連動させて、給気量だけを5%ほど増やします。

これを上手く使えば、同時給排でも強制同時給排のように使えると思われます。

デシカ、なかなかやるじゃないか。

というのが今回のオチでした。

レンジフードを考える その2

前回は、同時給排のレンジフードを動かす行為は

その半分の能力を持つ局所換気を動かすことと同じなのでは?

という問題提議をしました。

で、実はメーカー自身、解決策を持っているのですね。

それは、強制同時給排という方式。

「機械排気+機械給気」という組み合わせで、言ってみれば1種換気です。

まとめます。

一般的な同時給排レンジフード → 3種換気

強制同時給排レンジフード → 1種換気

一般の同時給排が10:5だとすれば、強制同時給排の場合10:8まで回復するそうです。

こちらのシステムは、高層マンションが主要ターゲット。

高層マンションは、気軽に窓を開けて給気することが出来ない

  &

高層階の自然換気は厳しい。(風がかなり強いでしょうね)

 

マンションに付いているレンジフードも、戸建て以上に、排気のみが主流ですが、

高層マンションでは、同時給排を飛び越えて、強制同時給排が選択されたようです。

さて戸建て住宅に話を戻します。

一般論として気密性能が貧弱な住宅は、3種換気に向きません。

自然給気を生かすためには、室内を負圧にする必要があるのですが、

その結果として、色んなところで漏気が発生するからです。

逆に1種換気は、機械(ファン)の力で空気を動かすため、

建物の気密性能に、3種換気ほどは影響を受けないのです。

で、ようやく本題のレンジフードです。

前述したように、同時給排タイプは仕組みが3種換気。

つまり、レンジフードを稼働させると、給気口だけではなく、

建物の気密欠損部分から外気が流れ込んできます。

木造住宅の主流である床断熱は、床面の気密処理が非常に面倒。

それが原因で、

レンジフードを稼働させると、足元が冷える。

というクレームが多いそうです。

 

なので、高層マンションと違う理由ですが、

気密性能が貧弱な住宅においては、強制同時給排が向いていると思われます。

では、きっちり気密工事が出来ている建物はどうなのでしょうか。

それは・・・次回に続きます。

レンジフードを考える その1

キッチンについているレンジフードの話です。

自身でも感じていたのですが、同時給排。実は完成されたシステムではありません。

今まで24時間換気における、集中換気と局所(3種)換気併用の問題点は、度々に挙げてきたのですが、

キッチンのレンジフードも、それに近い問題があるのです。

まず一般論から

レンジフードには、排気のみと同時給排という2種類があります。

当然ながら、トイレや浴室と同様、「排気のみ」が主流なのですが、

この「排気のみ」タイプは、

給気を用意せずに排気をする。

機械なので、高気密(?)住宅には適しません。

なので今回「排気のみ」の検証は行いません。

 

さてレンジフードの同時給排は、3種換気と同じシステムです。

仕組みは「機械排気+自然給気」。

これを具体的に説明すると

①機械排気が動く

②室内が負圧になる

③自然給気口から空気が入ってくる

という過程を辿ります。

つまり

室内が負圧になるのが大前提なんですね。

メーカーの試算によると

排気を10とすれば、給気は5程度らしいです。

排気量の半分は、室内の負圧を作り出すのです。

この割合は、風量を上げでも下げてもあまり変わらないそうです。

(弱運転でも、強運転でも、割合は変わらないそうです)

弱運転だとしても、レンジフードの風量はかなり多いです。

24時間換気の例として、ロイヤル電気の仕様書を見てみますと、

風量は105~214 m3/hと書かれています。

換気設計をする時は、フルパワーはあまり想定しないので、

稼働時は150 m3/h程度でしょうか。

一方CACICOが使っているレンジフードをみると

弱  230 中  300  強  420 と表記されていました。

なので、レンジフード風量の大きさが分かります。

さて、先ほどの10:5の割合からすると

同時給排レンジフードとは、

弱  115  中  150  強  210

の局所換気を付けているのと同じ。

「感じ」で申し訳ないのですが、浴室換気扇ぐらいの風量かも知れません。

 

さて今までの(へ)理屈をまとめます。

同時給排レンジフードを動かす事は

窓を開けずに浴室換気扇を回す事と同じなの?

はたして、その考え方が良いのかどうかを、次回検証していきます。

季節の変わり目

久々の温湿度計が登場です。

s-IMG_5813_DxO

室内は、23.5℃ですが、室外(玄関先)は25.7℃になっています。

因みに夜間に雨が降ったので、外気の湿度が高いです。

絶対湿度では、10gを超えています。

これ、窓を開けて外部の湿度が入って来たら、室内の相対湿度が57%になります。

(温度は変わらず、湿度だけが変わった場合)

つまり、自然換気をすると不快になるという意味。

 

さて体感的には今年初めて、室内外の温度が逆転しました。

日中に外から室内に入ると、涼しく感じる季節が始まったのです。

花冷え的な揺り戻しはあるのでしょうが、うどん県の日中は、これから「夏」です。

「春」と言いたいところですけどね。

ダイキンの誠意?

高気密住宅に集中換気と局所換気の併用って、どういう事!!

と、全く理解できないCACICOですが、ダイキンは一つの回答を持っていました。

それが、フレッシュアップ運転

1種換気と言うのは、給気量と排気量を固定しているのが普通。

家の中が、正圧とか負圧に陥らないためには当然です。

でも、局所換気は排気しかしないのだから、自然と室内は負圧になる。

と言うのが大問題なんですね。

その負圧状態を解消するためにダイキンが考えたのが、

「排気している分だけ、給気量を増やせば良いんでしょ」

と言う事。

局所換気が稼働している間だけ、給気過多にするのです。

具体的には、

局所換気から「今動いてますよ」という信号を受けたら、給気量を増やすようです。

ナルホドこれなら、局所換気は正しく動作すると思われます。

局所換気のモードによっては風量が異なるのでは?

とか

どんな機種でも対応できるの?

とか

思わないではないですが、

メーカーが設定しているのだから、問題なく動くのでしょう。

このフレッシュアップ運転、元々はダイキンの業務用器機で使われているようで、

家庭用器機としては、デシカホームエアにしか設定されていないようです。

(因みに、配線が必要なので、後からの追加は困難です)

確かにこれさえ有れば、集中換気と局所換気の併用は(理論的に)可能です。

メーカーとしては非常に誠意ある対応だと思います。

惜しむらくは、

局所換気との併用時には自動的にフレッシュアップ運転が付いてくる。

というレベルでは全くなく、絵に描いた餅状態のようですけどね。

(メーカーの方、CACICOの認識が違うようであればご指摘下さい)

ですがCACICO的には、

デシカこそ、ダーティーゾーンを換気経路に取り入れて欲しいのです。

ダーティーゾーンの湿気をコントロールしたい。

と言うのが生活者としての切なる要望であり、

デシカでしか出来ない事なのです。

気密住宅の局所換気

前回も書きましたが、ダイキンに限らず日本の集中換気メーカーは、局所換気との併用が大好きです。

局所換気とは、トイレや浴室にある換気扇の事です。

浴室では換気乾燥機と言う名前が付いたりしますが、まぁ同じ仕掛けです。

この手の商品は、アルミサッシが無く、家がスカスカの時であれば換気扇なのでしょうが、

やっている事は排気のみなので、高気密住宅では「カザグルマ」ぐらいの役にしか立ちません。

クルクルと回っているのですが、排気をしていないのです。

このカザグルマ、いえ換気扇ですが、

能力が高い場合は、すぐ気づきます。

キッチンのレンジフードが代表例ですが、玄関の扉が開きづらくなったりします。

家の中が負圧になる程度には排気が出来るのです。

ですが、当然ながら限界がありますから、外気の流入が無ければ直ぐにカザグルマ化します。

どこかの窓を開けてあげれば、換気扇となりますが、冬なら寒いですよね。

さて、能力が低い場合は、どうでしょうか?

トイレの換気扇なんか、パワーが少なそうです。

多分、初めからカザグルマですね。

回っているけど・・・少しは排気したけど・・・それだけ。

局所換気のメーカーにしてみれば、

「給気が無い条件下で排気する訳ないでしょ」

至ってごもっともな意見だと思います。

集中換気のメーカーにしてみれば

「ダーティーゾーンは、うちの機械ではない」

ので、責任は無いんでしょうね、・・・多分。

はたして、仕事をしない局所換気の責任は、誰が取るのでしょうか?

デシカを導入するきっかけは?

以前、メーカーの人と話した事があるのですが、

デシカホームエアの導入は、施主(注文者)要望の事が多いそうです。

逆に言うと、デシカに詳しい工務店さんは少ないと言う事。

「お客さんに言われたから」が導入理由なので、デシカ販売店に丸投げで進める。

というのが大半なのでは、と邪推しています。

さてデシカに限らず、24時間換気の図面には、設計者の意図が凝縮されます。

ポイントはダーティゾーンの考え方。

で、いきなり横道にそれますが、

CACICOは局所換気方式による24時間換気は評価しません。

それは、局所換気と集中換気では目的が違うから。

局所換気の目的は、居室の空気環境だけしか考えません。

(それすらも怪しいのですけどね)

廊下も、玄関も、浴室も、脱衣室も、トイレも、キッチンも何も考えなくてOK。

って、建物内を均等に快適にしたいCACICOとは真逆の発想なのです。

 

さて、換気設計は、給気と排気をバランス良く、建物内に配置。

目的は、住宅内で出来るだけ「動かない空気」を作らない為です。

給気は室内に新鮮空気を供給するのが目的ですから、

どうしても人が滞在する居室になります。リビングや寝室ですね。

一方排気は、居室から出来るだけ離れた場所が望ましいです。

その方が、家全体の空気を動かせるから。

居室から離れた場所とは、

浴室、トイレ、キッチン、脱衣所などが該当し、そのほとんどはダーティーゾーンと呼ばれます。

このダーティーゾーンとは、簡単に言うと、家事をする場所であり、結果空気が汚れるのです。

人がいるところに給気して、空気が汚れるところで排気する。

非常に理にかなっていますよね。

これが集中換気の基本なのですが、日本の集中換気メーカーは、

この理想的な配置を嫌がります。

デシカも、その例に漏れません。

だったら何処で排気をするのかと言うと、廊下なんですね。

汚れた空気を換気装置に吸い込ませたくない。

と言うのは解らないでもないですが、

じゃあダーティーゾーンの汚れた空気をどうするの?

の回答が、

自社製ではない、他社製の局所換気扇でお願い。(つまり、私の仕事ではない)

と言うのでは、全館換気をうたう資格がないとCACICOは思いますね。

デシカのオプション

デシカのオプションに、ストリーマユニットと言うものがあります。

ストリーマユニットの詳しい説明はこちら

空気中の有害物質を、ストリーマ放電(何の事か解りません)で分解するそうです。

さて、デシカ導入から1年以上経過したので、その中身をばらしてみました。

IMG_5538_DxO

これが放電ユニットの中身。

ほとんど汚れてないです。

この素子が汚れている場合は、メーカーに持ち帰って対応するとの事

高電圧がかかる場所なので、ユーザーで清掃する事はお薦めしてません。

で、今回分かったのは、空気清浄機との違い。

ダイキンの空気清浄機には、当然ストリーマ機能があります。

空気清浄機の場合は、

フィルターで捕獲した「汚れ」をストリーマで酸化分解するので、ゴミがあるのが前提。

デシカホームエアは、

デシカ素子に汚れが付着しないよう、外気はフィルターを通ってから機械本体に入ります。

で、その後室内に給気される段階(デシカから出た後)でストリーマユニットの登場。

つまり、フィルターの性能が高ければ、「汚れ」がストリーマユニットに行く事が少ないのですね。

ストリーマユニットは、電気の力で、色んなウイルスを死滅させるそうです。

この性能が必要だと思う場合は、併せて高性能フィルターを使う意味が出てきます。

ストリーマユニットをメンテナンスする場合は、メーカーに依頼するしかないから。

その頻度を下げる事は出来ると思うのですね。

ただしCACICOも半年は標準フィルターを使っていたので、あくまで想像です。

高価でなければ、お薦めなんですけどね。

デシカの見える化

デシカは熱交換しません。

ですが、熱交換しないから外気温がそのまま入ってくる。

と言う訳でもないのです。

小難しい理屈なので文系脳では理解できなかったのですが、

デシカ素子が動いている間は、それなりに温度が上がります。

と言っても、熱交換率80とか90%と比べると力不足のようです。

IR_0032

これは壁付けのデシカ給気口(デシカ→室内)近辺を写したもの。

一般的には、天井付けにする事が多い給気口ですが、

CACICOは壁付けの方が有利だと考えています。

(配管スペースの関係で出来ない事が多いですけどね)

実際はこんな感じです。

IMG_5522_DxO

壁付けを選ぶ理由はその「距離」にあります。

真下に吹き下ろすと2m40㎝(天井の高さ)で床に達しますが、

横に吹き出すと、床に達するまでの距離を稼げます。

重力に逆らうために、風速も落とせますしね。

改めてサーモグラフィの解説を

上部の温度が低くなっているのは、ガラリのルーバーが上向きだから。

風が上向きに吹き出している証拠ですね。

壁の表面温度は24℃。

一方デシカの給気は20℃なので、室内より重い空気。

つまり上向きに吹き出しても、長い放物線を描いて、

室温と混じりながらゆっくりと落下していくのです。

床面に冷気(?)が偏らないようにする、ちょっとした工夫です。

 

ホーム > デシカ日記

検索
Feeds
Meta
2 / 1112345678910...最後 »

ページの上部に戻る