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断熱工事の開始

断熱改修も始まっています。

今回のサッシ交換は、カバー工法では無く、サッシの内側に枠を組んで、サッシを入れる。

という方法を選択しています。

2つの方法の差違は、

カバー工法 

 窓サイズは、ほぼ現状を維持できるが、サッシの種類が限定される。

内側に枠を組む

 窓サイズが一回り小さくなってしまうが、どんなサッシでも付けられる。

というもの。

性能の高い、というか結露しないサッシを入れようと思ったら、一択なのでした。

なので、工事的には少し面倒で、防水も必要になります。

で、こんな感じです。

隙間には断熱材を詰めています。

借家を考える

RCの建物は、(温熱環境的には)戸建て住宅には向かない。

と考えています。

もちろん、諸条件が加味されれば別です。

そのトップが外断熱だと思います。

さて、RC(鉄筋コンクリート)の3階建ての専用住居が高松市内にあります。

個人で住み続けるのは厳しいという話で、自分はマンションに移り、

貸し出しする話が湧いてきました。

先ほど、RCは戸建て住宅には向かないと言いましたが、

不特定多数の人間が出入りする物件としては悪くありません。

少し話が戻りますが、

断熱補強されていないRCの建物で快適に暮らす方法があります。

それは、冷房と暖房を切らない事です。

いゃ、冗談では無く・・・

コンクリートに蓄熱された、外部の熱を冷暖房器具で押しとどめ続ける。

という作業を継続できれば、少なくとも空気温度を保つことができます。

ただし、温度ムラや湿度、気流など、不快になる要因は増えてしまいますが。

不特定多数が出入りする、という事は、一人の滞在時間は短いです。

ですから、訪れる人には問題が少ない。

例えば、デパートの入り口に付いている「エアーカーテン」をご存じですか。

暑い季節、自動ドアをくぐった瞬間、とても幸せな気持ちになります。

でも、そのエアーカーテンの下でずっと居ると、多分体調を崩します。

さて、RCの案件ですが、借家だから割り切ったら良いのでは?

という考えもありますが、

快適に過ごせたら、長く借りてくれる。

という考えもあります。

RCという建物は、外部からの水の浸入によって、建物の寿命が決まってしまいます。

お聞きになった事があるかも知れませんが、中性化というやつです。

RCは中身が詰まっているので、侵入はゆっくりですが、クラックやタイルの目地から、少しずつ躯体内に水が入ります。

で、それが鉄筋を錆びさせ、躯体の寿命が短くなるのです。

外断熱をする。という事は、その水の浸入を効果的に止める事が可能なので、建物の寿命が延びます。

マンションの法定耐用年数は、47年(98年の法改正で60年から短くなった)。

新築マンションを30才で購入したら、80才以前に、耐用年数に達してしまう。という訳です。

もちろん耐用年数が来たら取り壊す。という訳ではありません。

それより、建物を長く維持する。と言う事が大切だと考えます。

さて、先ほどの借家の件。予算次第ですが、建物を長持ちさせるための費用をかける事になりました。

昨日の「新しい企画」に引き続いて、RCの断熱改修も取り組みます。

 

最近マンションを購入されている方は、大規模修繕という話は無いでしょうが、

築20年を越えると、そんな話が出てきます。

建物に限らず、物は、メンテナンスで寿命が大きく変わりますから。

断熱改修の現場

断熱改修の現場を見学に行きました。

断熱改修?

聞き慣れない言葉だと思いますが、

マンションの大規模改修の一手法です。

マンションは30年前後で、外壁を中心にした改修工事を行います。

その時、外側に断熱材を貼り付けちゃえ。

という訳です。

壁が飛び出てくるので、困るのは開口部(窓や扉)です。

どうするかというと「カバー工法」という形で始末をします。

開口部は、枠と扉に分解出来ます。

枠は本体に取り付いているので、外すのは非常に困難。

そこで枠を外さないで、その上から付け枠を被せます。

窓のサイズは一回り小さくなりますが、

ペアガラスのサッシが取り付けられるので、性能が格段に上がります。

違和感なく、仕上がっています。

壁は40mm、小口は20mmの断熱材を貼っているそうです。

断熱材は、CACICOでも使用している材料でした。

室内側の断熱補強が必要な所までで止めています。

配管を脱着してまで施工する意味がありません。良い見切りです。

屋上も断熱補強していました。

排水を生かすために、手前で断熱を止めています。

もうすぐ施工完了の物件なのですが、

居住者の感想としてすでに「暖房器具を使わなくなった」という意見がでているようです。

これから本格的に寒くなるので、ビフォア・アフター的な意見が聞きたいモノです。

コスト的な事も教えてくれましたが、想像以上にリーズナブルでした。

コンクリートの中性化を抑えてくれる。という利点もあるので、

マンションの改修には、もってこいです。

RC造を考える その2

昨日、CACICOの外壁はRC造で本領を発揮する。

と言いました。

「なら、なんで木造で作っているのか?」

木造でもメリットはあるのですが、RC造の方が顕著ということ。

つまり、

外断熱(CACICOの壁)をしていないRC造は、熱環境的にとても厳しいのです。

例えが少しヘンかも知れませんが、

ウインドブレーカーの上から、ダウンを着ている感じです。

RC造は、蓄熱効果が高い構造体です。

なのに、その内側で断熱してしまうと、構造体自体が外部温度になってしまいます。

せっかくのダウンなのに、そこに外気が侵入してきたのでは、もったいない。

いや、もったいないどころか、RCの場合はダウンと違って、「蓄冷」してしまうのです。

ダウンの外側にウインドブレーカーを着込めば、体温で「蓄熱」できるのに・・・

これは今の事務所が、「紺屋の白袴」で断熱をしていないRC造だから、はっきりと断言できます。

「えっ、でもRC造のマンションは暖かいよ?」

と思う方も多いでしょう。

前言撤回みたいですが、それも実感として分かります。

なぜならば、私の生活環境に2つの実例が存在しているからなのです。

まとめると私は、

外断熱をしていないRCのマンションで、「快適」に暮らしながら、

外断熱をしていないRCの建物で、「非快適」に仕事をしています。

この2つの差は何か?

それは、熱源があるかどうかです。

暖房をしているかしていないか?という意味ではありません。

私の住んでいるマンションは、いわゆる中部屋です。

中部屋とは文字通り、端に面していない部屋。(逆は角部屋)

ついでに言うと、上下においても中階層を選択しています。

一般論として、南北に長い形状が多いマンション。

その中部屋という事は、

自室の壁、床、天井、のほぼ大部分が、

外気に接していません。

どこに接しているかというと、

人が生活している空間に接しているのです。

当然、間仕切りであるコンクリートは外気の影響ではなく、室内温度に近くなります。

一方事務所は、壁床天井の全てが外気(または地面)に接しているのですから、

構造体が「蓄冷」されている状態なのです。

RC造が、良い・悪いという話をしたいのではありません。

RCは使い方によって、その特性が長所にも短所にも大きく振れる構造体である、

という事なのです。

先ほどの「快適」なマンションですが、もし自分たち以外の住居者がいなかったとしたらどうでしょうか。

SF映画みたいに、朝起きたら、マンションの住民が、自分たち家族を残して消えていたら、

数日をおかずして「非快適」なマンションに早変わりするでしょう。

なにせ、熱源がないのですから。

RC造を考える その1

RC造という建築方法があります。

これは、鉄筋コンクリート造の事です。

Reinforced-Concrete(補強されたコンクリート)の頭文字を取っているんですね。

で、建築には大きく分けて3つの構造があります。

木造、鉄骨造、RC造です。

細かい事は抜きにして、

「木造、鉄骨造」とRC造には大きな差違があります。

それは構造として、壁の中に空洞があるかどうかです。

木造と鉄骨造は、柱と梁で構成されています。

当然ながら、壁の中というのは空洞

一方、RC造は、鉄筋をコンクリートで埋め込んだ構造なので、

中身が詰まった「壁」で構成されているのです。

温熱環境を検討する時、前者と後者は大きく違います。

ポイントは蓄熱量です。

木造と鉄骨造。つまり木と鉄では、その熱的性能は大きく違います。

ですが、壁の面積に占める割合が非常に小さい事が、両者に共通しています。

つまり、構造体の蓄熱量が、温熱環境にそれほど影響しないのです。

一方RC造は、柱や梁ではなく、壁自体を指します。

その上、空洞がありません。

つまり、RC造とは、蓄熱量の多い壁で覆われた建物であると言えます。

先ほどとは逆に、その蓄熱量が温熱環境に大きく影響します。

 

なぜ、こんな話をするかと言えば、CACICOの外壁は、RC造でこそ本領発揮するシステムだからなのです。

詳しい内容は、次回以降に譲りますが、

外断熱がもっとも効果的な構造体は、RC造です。

それは、その蓄熱量ゆえです。

街中生活を考える

 

「良い借家があったらなぁ」という、自分自身の記憶が「CACISU」という「かし住まい」企画の始まりです。

近々ホームページにアップしますが、その触りだけ。

仕事や学校区の都合で、街中に住みたい、という人は多いはず。

でも、そこで一生を過ごすかと言えば、そうではない・・・

そんな要望に、ぴったりの物件を作ってみようと思っています。

簡単に言うと、街中の快適な借家です。

欧米諸国では・・・と展開することも可能ですが、無粋な話は置いときましょう。

その参考資料になるなぁ、と高松市図書館で見つけたのが、「55㎡の暮らし替え」です。

作者の大原照子さんは、「シンプルライフ」という切り口でご存じの方もいらっしゃると思います。

その大原さんが、ご自宅をリフォームする話です。

第一章は、「キッチンは百歳まで働ける遊びの空間に」。

なかなかおもしろそうです。

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