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「かしこい家」の性能のアーカイブ

パッシブハウスジャパンの講演会

昨日パッシブハウスジャパンさんの四国支部が開催する講演会でした。

テーマは「換気」 講師は高知工科大学の田島先生です。

これは、非常に興味がある分野です。

なぜなら「換気」は、まだはっきりとした正解が無い分野。

例えば断熱はシンプルです。投資した分だけ良くなると言えます。

もちろんヘンな断熱施工で、建物が(結露で)腐朽するという危険もありますが、

対処法が確立されております。

「正しい知識さえあれば」という条件付きですが、原則は物量作戦でOK。

ですが、換気はちょっと違います。

 

換気の目的は、室内空気を綺麗にすること。

ホルムアルデヒドに代表される汚染物質や二酸化炭素を室内から取り除く為に、

外部の新鮮空気と室内の空気を入れ替えるのです。

ですが、ここで問題が発生します。

室外の空気は

「質」は良いが、「温度・湿度」は不快なことが多い。

一方室内の空気は逆で、

「質」はどんどん悪くなっていくが、「温度・湿度」は快適なことが多い。

という状況なんですね。

特に状況をややこしくしているのは、「ことが多い」という箇所。

この一言が、状況をややこしくしています。

 

どんな時にそのややこしい状況下になるかというと、例えば「夏の涼しい夜」。

日中気温が上がって、それと共に室内温度も上昇。

夕方から外気温が下がりだしても、室内の温度は下がらない。

結果として、外気の方が快適。

日中閉めっきりの家に帰ると、中から熱風が。という経験をされた方は多いのではないでしょうか。

 

このような状況下で役に立つのが熱交換器を通さない換気。

熱交換のするしないを外気温によって切り替えるんですね。

マーベックスという東大阪市のメーカーを例に出しますが、

バイパス回路を用いて、1種換気と3種換気を切り替えます。

写真では春・秋と書かれていますが、夏の夜間も外気温が27℃を下回ると同様に切り替わるとのこと。

給気ファンを低速運転させて擬似的な3種換気にするメーカーもありますが、

給気量が足りなくなり室内が負圧になってしまいます。

この辺りは講演にも類似例があったので質疑応答の時に教えてもらったのですが、

「一種と三種を切り替える時には、自然給気口を確保する必要がある」

とのことで、納得でした。

 

さて上記の話は、全体から見たらほんの一部。講演会は中身が濃く、大変有意義な時間でした。

この機会を提供してくれたパッシブハウスジャパンさんに感謝です。

最後にPanasonicのホームページに出ていた田島先生を見つけました。

ご興味がある方は下記リンクからどうぞ。

夏に起きる結露の対策とは?

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鉄筋コンクリートを快適に

お世話になっている工務店さんから、

「ちょっと下見に来て」と声がかかったので、行ってきました。

築40年オーバーの鉄筋コンクリート(以下RC)造り。

実は、うどん県には結構古くからRC住宅があります。

 

個人が住宅としてRCを選択する理由は大きく三つです。

①「準防火地域」や、「3階建て」という基準があるから

うどん県を例に取ると

高松市中心部の一部だけが、準防火という厳しい基準が適応される地域。

それ以外の防火の基準としては、

22条地域(住宅地の多くがここに属します)  

無指定(中心から離れるとありますが、そんなに多くない)

という基準です。

また2階建てより3階建ての方が、構造や防火の基準が厳しくなります。

②デザイン的に好き

打ちっ放しを始めとした「RCデザインが好き」な人は連綿といます。

モダンな建築様式ですよね。

③構造的に安心

これは地域性が強いですね。例えば沖縄県とかは、個人住宅もほぼRCと聞きます。

台風対策のため、木造はNGだそうです。

 

台風の矢面に立つ高知県とは違い、

四国山脈で台風を遮ってもらえるので、自然災害は少ないうどん県。

なのに、

「えっ、こんな場所で・・・しかもばりばりの和風デザイン」

というRC戸建て住宅が、結構あります。

このブームの発端は、県庁舎らしいです。

うどん県の県庁庁舎は、丹下健三氏の設計で、1958年に竣工しています。

この時の知事さんは、建築知事と言われるほど、建築好きだったらしく、

猪熊源一郎氏の紹介で、丹下氏に設計を任せたそうです。

 

この後、うどん県では官民でRC構造が流行るのですが、

「でも、家のデザインは和風が良い」

と言う要望が多く、出来たのが和風RC住宅らしいです。

 

話を戻します。

下見した建物は、RCのモダンデザイン住宅。

だいぶ気合いを入れて造ったんだろうなぁ、と思わせる容貌です。

こちらを「快適空間にビフォーアフターしたい」と言うお話。

既築住宅の断熱改修はいろいろと手法があります。

ですが、RCに関しては一択しかありません。

それが外断熱です。

以前手がけたCACISU中央公園も、施工前と後では温熱環境が全く違いました。

現場監督や職人さんは、日々良くなっていく環境を体感できたほど。

 

RC建築の快適に絡む「特徴」は、蓄熱量が大きいこと

現在のRC住宅が暑くて寒いのは、「蓄熱量」を外部環境に持って行かれているから。

夏は暑い熱を蓄熱し、冬は冷たい熱を蓄冷する。

そりゃ、不快な空間になってしまいます。

そこで外断熱なんです。

そうすると、RCを室内側の温度で蓄熱できる。

「蓄熱量」を内部環境に取り戻す事が出来れば、実はとても快適な空間が造れるのです。

つまり

RCがダメな子なのではなく、使い方がダメなだけ。

なのでRC住宅を快適にするのは、結構簡単。

鉄筋コンクリートには、それだけの潜在能力があるのです。

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東の窓は日射取得に有効か?

「日当たりが悪いので、窓を多く付けたい」

この台詞、YESでしょうか、NOでしょうか?

以前は、「明るさ」を求めて、という意味が多かったと思うのですが、

最近は「日射取得、つまり日射による熱」を期待してる事も増えてきました。

で、CACICOの意見としては、条件付きでYESです。

どんな条件かと言うと

①南向き限定

②必要な出幅がある庇

③高性能な窓(樹脂&できればトリプル)

この3つですね。

ですが、
 
「配置上、南側は日当たりが悪いんだよ」
 
と言うことは良くあります。
 
そんな時、次善の策として出てくるのが東窓。
 
今回は東窓が、日射取得として有効かどうかを検討します。

 

今まで東の窓がお薦めできない理由としては、

「夏の日射遮蔽が難しいから」を上げていました。

でもそう書くと、「冬は良い」のだが、「夏にだけ良くない」

と受け取る人もいる気がし、

夏のデメリットはおいといて、冬単独ならどうなの?

という話をしてみます。

 

では、CACICOの適当シミュレーションを。

東向きの窓が日射取得として役に立つのは、日の出~正午ぐらいまで。

水平線からの光が差し込む窓も少ないでしょうから、

良くても9時~12時の4時間ぐらいですかね。

つまり24時間のうち4時間だけです。

一方、放熱は24時間変わりません。

注) 外壁からも放熱はしますが、窓と比べると圧倒的に少ない。

なので東窓は、

24時間の放熱量<4時間の採熱量

という条件を満たして初めて、日射取得としての意味がある。

と言えます。

例えばこれが南窓だとしたら、日射取得の時間が変わります。

9時~16時の8時間ほどはいけるので、採熱時間は倍近く。

つまり

24時間間放熱量<8時間の採熱量

という条件で良い訳です。

この違いを乗り超えるためには、

窓の断熱性能を、壁同等まで引き上げる必要が出てきます(想像)。

そうなって初めて

「短い時間でも、採熱できた方が良いでしょ」

と言えるのですが、現実問題として、そこまで高性能な窓はありません。

 

なので、東に設ける窓は

「採熱より放熱の方が多い窓」でしかなく、

日射取得の役には立たない「窓」だと思うのです。

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玄関ドアを忘れないでね

先日、意訳すると「日本のサッシメーカー頑張ったね

という話を書きましたが、今回はその補足です。

:結論から書きます。

日本メーカーの玄関ドアは、断熱性能に関してはまだまだです。

これは開発の流れをみれば、一目瞭然。

 

窓の進化は、障子(枠)とガラスの2つに分かれています。

障子

アルミ→アルミに樹脂スペーサー→アルミと樹脂の複合→樹脂

と高性能化し

ガラス

単板→ペア→ペア+Low-E→ペア+Low-E+アルゴンガス→トリプル+Low-E+・・・

という進化をしました。

例えば、リクシルの最新サッシ、

障子は

樹脂+断面形状を変更して性能アップ

ガラスは

ダブルLow-E、クリプトンガス入りトリプルガラス

という、寿限無寿限無と唱えたくなるような仕様ですが、

同時発売された最新断熱玄関ドアは

障子

アルミに樹脂スペーサー

ガラスは

ペア+アルゴンガス

先ほどの窓の進化の過程から見ると、非常に控えめな仕様です。

他社が性能を上げなかったので上げなかったのでしょう。

リクシルらしいと言えば、らしいです。

これが国内最高レベルなので、他社の性能も分かりますよね。

 

CACICOとしては、窓に投入したパワーで玄関ドアも作って欲しかったのですが、

玄関ドアの性能を上げるのは、忘れたみたいです。

 

そこで結論2

日本メーカーは、将来に期待しましょう。

今すぐ必要であれば、海外メーカーに高性能なものがあります。

スマートキー的なギミックは付いてきませんが、高性能で値段も高くないです。

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今からが買い時

消費税がポンと上がって、住宅を建てようとする人は減少している気がします。

5%が8%に上がったと言うことは、所得が同じだけ上がる必要があります。

だけど現実に、可処分所得が3%上がる人なんて、そうはいません。

毎月の手取りが25万円の人だったら、7,500円上がってトントンなんです。

でもって、2年後には後2%上がるなんて、どんな罰ゲームかと思います。

と、暗い話を枕にしましたが、

快適な住宅を建てたい。と考えている人には、タイトル通りの状況が来ています。

昨日CACICOが定期購読している、「日経ホームビルダー」という業界紙が届いたのですが、

裏表紙広告が、日本メーカーの「トリプルサッシ」の広告でした。

つまり

トリプルガラスのサッシが普通に購入できるようになっている。

これは、とてもすごいことです。

思い起こせば、5年前(CACICO設立時)、

トリプルガラスのサッシは、日本の本州に、影も形もありませんでした。

(輸入品とか、北海道限定品はありましたね。)

当時、窓の性能を上げたいがためにYKKに要望をだしました。

APWシリーズに、スペーシア(真空ガラス」)のペアガラスを入れて欲しい。

この時は、思いっきり断られましたが、

現在のAPW330というシリーズは、当時CACICOが提唱した規格だったりします。

(2年ほど前に導入されてます)

その上、現在YKKの最高性能はAPW430という型番であり、330はすでに二番手の立場なのです。

 

断熱部位の中で、一番重要な部位を挙げろ。

と言ったら、それは「窓」です。

理由は、住宅の外皮で一番性能が低いところだから。

透明で光を通す必要があるため、仕方がないんですけどね。

しかも、壁、屋根、基礎、どんな部位でも、断熱性能を増やすことは簡単です。

簡単と言ったら悪いですね・・・作り手側の努力で可能です。

ですが、「窓」はそんな訳にはいきません。

光を通す必要がある事と、外部と内部が一体であるため、作り手側で性能補強ができないのです。

(生活レベルでは、ブラインド等での断熱補強はできます)

しかも、先ほど書きましたが、

建物部位で「性能の一番低い所」であるということは、不快の発生箇所なのです。

例えば、「窓際って寒い」ですよね。

それは、

窓の断熱性能が低い→窓内面の温度が低い→近づくと放射冷却で寒いし、近辺の空気も冷やされる。

という現象の結果です。

なおかつ、ここで終わる訳ではありません。

窓際の冷たい空気は、床面に移動し、暖かい空気の下に潜り込む。

(ダウンドラフトとか、コールドドラフトと呼びます)

なので、窓の近くは寒いし、窓から離れた場所でも足下がスースーするのです。

 

この悪循環を止める手段は、窓の性能アップしかありません。

ですが現在は、全てのメーカーが対応商品を発売しているという訳。

もちろんコスト的にはペアガラスより割高ですが、

外壁に比べて窓の面積は小さいので、住宅全体に占める費用もそれほどではありません。

と言うか

壁、天井の断熱を厚くするより、確実にコストパフォーマンスが高い。

のです。

これからの家造りは

「快適な空間」を手に入れる可能性が大きく増えた

と言って良いかと思います。

もっとも家造りには多くの選択肢がありますので、道を誤らなければですが・・・

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庇のお仕事

2月も後半となって、太陽高度がだいぶ高くなってきました。

本日(2/23)の外気温は、8:50現在、自宅温度計で11.8度です。

さて、写真の日付は違います。「2月19 日12時」

1日の内、もっとも太陽高度が高い時間帯。

光の帯の巾が、縦方向と考えてください。

採光している窓の高さは130センチ。

庇で遮られて、下部1/2程度が室内に入ってきている感じです。

一般的に多い「掃き出しサッシ」であれば、もっと日射取得があるでしょうが、

掃き出しサッシは趣味ではありません。その話はこちらで

日射取得より日射遮蔽を優先させています。

この時期に日射遮蔽?

その辺りの事情を説明したいと思います。

 

太陽高度を簡単にまとめます(地域差がありますので、数値は参考程度で・・・)

冬至12/22  30度

夏至6/21   80度

春分3/21   55度

秋分9/23   55度

最大50度も角度が変わるのですね。

庇設計の時は、まず日射遮蔽の時期を決めます。

残暑が厳しいうどん県なので、秋~冬を考えましょう。

9月は当然ですね。

10月も半ばぐらいまで、直射日光はお呼びでないかも・・・

と言うことは、冬至に至る、約2.5ヶ月前まで、日射遮蔽がしたいと。

庇は伸縮しない(笑)ので、そのルールを、そのまま冬至以降に代入します。

日の傾くスピードは同じですので、冬至の約2.5ヶ月先から遮蔽モードとなります。

結果として、

日射取得の期間は、10/15~3/3  約 4.5ヶ月

日射遮蔽の期間は、3/4~10/14  約 7.5ヶ月

という事。

厳密な切り替えはできません。

ですので2月後半は、日射遮蔽が始まる時期とも言えます。

このルールでは、冬季の日射取得を犠牲にしていると思われるかも。

ですが、

① 高断熱の建物は、オーバーヒートになりやすい。

② 南窓に適切な庇があったとしても、朝、夕の日差しはある程度入ってくる。

という特徴を考慮した結果です。

①に関してですが、

熱はプラスするよりマイナスが難しい」と考えています。

もし日射取得が足りなければ、暖房を増やせばと・・・

②ですが、朝夕はもちろん、太陽は東から西へ動き続けます。

なので、庇だけで全て日射遮蔽という計画はできません。

完璧を求めれば、外付けブラインドを取り付けるしかないでしよう。

その場合は、冬の日射取得と夏の日射遮蔽が、もっと高いレベルで両立できます。

問題は費用ですかね。

 

話を元に戻します。

後10日ほどで、日中における直射日光の侵入が激減する予定。

(朝・夕の時間帯は別ですが・・・)

うどん県においては、「高性能住宅は、夏を旨とすべし」

がCACICOの考えです。

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蓄熱暖房の新しい道

冷房に関してはエアコン一択ですが、暖房に関してはいろんな選択肢があります。

その中の一つが蓄熱暖房。

有名なのは電気式の蓄熱暖房器ですね。

以前は、「割安な夜間電力を使用して」が、うたい文句。

今だったら、「日中暖房しても、太陽光発電はすべて売電できますよ」

という感じでしょうか。

CACICOとしては、「蓄熱→放熱」というシステム自体、うどん県には不向きだと考えます。

以前、「床暖房の未来 の続き」でも書いたように、季節によっては「蓄熱」を持て余してしまうからです。

蓄熱暖房器は内部に蓄熱レンガがあって、そのレンガを最高700℃に暖めるそうです。

その熱は、当然ながら「保存しておけない」ため、どんどんと室内に放射されます。

日中天気が良くて、室温が高くなっても止める事はできません。

という訳で、寒暖の差が大きい地域では、デメリットが目立ちます。

ですが、だからと言って、「蓄熱暖房」自体がダメだとは思っていません。

今までの話は、あくまでも、現在の電気式蓄熱暖房器の話です。

 

(電気)料金節約のための蓄熱ではなく、快適のための蓄熱があると思うのです。

具体的な問題点は、蓄熱温度が高すぎる事です。

 

では逆に、CACICOの知っている成功例を。

一階の床をタイル張りにしたい。

こんな要望があった場合は、蓄熱式がお薦めです。

→タイル仕上げでも床下がある構造(木地にタイルを接着)の場合は除きます。

一般的に一階の床をタイル貼りにする時は、コンクリートを打ち増ししてタイルを貼ります。

なので床下に空間が無く、いわばコンクリートに直接、足を付ける事になります。

言ってみれば、玄関土間と同じ条件です。

こんな状況下においては、どんなに室温を上げても、タイルの床面は暖かくなりません。

床面の温度を上げたければコンクリートを暖めるしかなく、

そのためにはコンクリート内部に温水配管を埋設する、蓄熱暖房が適役です。

そこに流す温水は、低ければ低いほど良いですが、

ボイラーにも温度の下限があるので、40℃ぐらで間欠運転(1日2時間とか)させます。

ポイントは、やはり蓄熱温度ですね。

蓄熱温度を、「触れた時も快適」な温度範囲に抑えられれば、良い輻射暖房になると思っています。

現在ある蓄熱暖房器は、小型の機器一台(=少ない容量)で住宅全体を暖める熱量が求められます。

しかも住宅の断熱性能は、まちまちですから一番低いところに合わすしかありません。

だから最高700℃という温度が必要なのでしょう。

逆を言えば

①一定以上の断熱性能

②大きな蓄熱層

があれば、温度は低く抑える事が可能です。

前述のタイル床という条件は特殊ですが、

フローリング仕上げでも、基礎自体を蓄熱体とした蓄熱暖房があれば、非常に有効だと思います。

「基礎外断熱+基礎蓄熱」

ならば、上記の2条件を満たす事が可能です。

以前取り上げた、「5万円の床暖房」は、CACICOの考える蓄熱暖房の簡易版だったりします。

蓄熱暖房は、あくまで輻射熱暖房として使うべき。

CACICOの提案です。

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掃き出しサッシの必要な訳って?

以前、「掃き出しサッシが人気な訳」というエントリーをした事があります。

我ながらオチのない話しでした。

掃き出しというサッシが日本で人気なのは、文化的な要因が大きいと思っています。

例えば

柱と梁で建物を構成する工法。

→石や煉瓦で壁を積み上げていくやり方より、開口部が大きくなりがち。

(ヨーロッパと)比較として、温暖な地域が多い

→湿度対策で、風通しが優先しているかも。寒い地域でやると命に関わります。

外敵から侵略された経験がほぼ無い。

→京都御所には、お堀も石垣も無い(無防備な)状態で、日本で一番偉い人が暮らしていた。

みたいなトコロでしょうか。

だから日本の住宅は、無条件で掃き出しサッシが付いてきます。

除く豪雪地帯。  1階の掃き出しは雪で埋まってしまうらしいです。

でもCACICOとしては、温暖地域の掃き出しサッシも

その導入には、慎重を期すべきだと思うのです。

なぜか?

①日射取得のコントロールがしにくい。

②外から覗かれやすい。もしくは見たくないものが見える。

③室内の壁が少なくなる。

④熱環境的には不利になる。

⑤大物の搬入経路は不要

⑥リビングとウッドデッキを繋げた大きな空間って必要?

 

①は庇との関係でもあります。

掃き出しサッシの高さは約2m。腰窓だと1m程度なので、日差しをカットしようとした場合、

長い庇が必要となります。

7月や8月ならともかく、10月頭でも「暑い」日が続くうどん県では、

1m近く出幅があっても、掃き出しだと日射が遮れません。

②開放的と言う事は、外が良く見える&外からもよく見えます。

せっかくの掃き出しなのにカーテン閉めっぱなしだといまいち意味がありません。

③壁が少なくなる。

これは結構重要です。オープンな間取りが増えている昨今、室内の壁が減っています。

構造的な「耐力」という話ではなく、家具を置く壁が無かったりするのです。

以前、とても開放的な間取りの家があったのですが、

「テレビをどこに置くんだろう?」と悩んだ家を見た事があります。

生活を始めると、いろんな家具が発生しますし、その為には壁が必要なのです。

④当たり前の事ですが、外壁に面している部材で、一番性能が低い部分が窓です。

家の中を快適に保つために断熱をしても、窓が多いようではトータルの性能は下がります。

なので、性能が下がっても必要な理由があってしかるべきなのです。

項目には上げていませんが、

「室内は明るければ明るいほど良い」

と考える方も非常に多いです。

この要望は、なかなか論破出来ないのですが、

建築基準法で、「明るさは」確保されているので、プラスαの「明るさ」を求めるのであれば、

それなりのマイナスが発生するのも知って欲しいですね。

⑤ソファやベットなどの「大もの」搬入。というのも

大概のものは「マンションの玄関から入る」がデフォルトなので、心配要りません。

⑥は趣味なので否定できませんが、

南向きのウッドデッキという奴は、実はあまり活用されません。

何故ならば、使いたい時期に暑すぎるからです。

夏に使うのであれば、北側にデッキを取るのがお勧めです。

 

という風に箇条書きにすると、掃き出しでなければダメな理由ってなかったりします。

CACICO的には「2階ベランダに出る」ぐらいしか思いつきません。

それもテラスドアがあれば充分なので、引き違いの掃き出しである理由にはならないのですが・・・

ホント、掃き出しって必要ですかね。

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春と秋は難しい

寒いと暑いの間には何があるでしょうか。

ナゾナゾではありませんので、まず答えを。

それは、快適です。

例えば0℃と35℃の間には、20℃という快適があるという・・・

当たり前ですよね。

でも、その当たり前に悩み事が隠れていたりします。

 

季節を暑い寒いで表現してみますね。

夏は、

ちょっと暑い~とても暑いの幅で温度が変化する時期

→人にとって「暑い温度域」で気温が変化する

冬は、

ちょっと寒い~とても寒いの幅で温度が変化する時期

→人にとって「寒い温度域」で気温が変化する

という感じです。

その表現で、春と秋を表してみます。

ちよっと寒い~快適」もしくは、「快適~ちょっと暑い」の幅で温度が変化する時期

と言えます。

最近で言えば、朝・夕は寒いです。だけど日中は快適ですよね。

一日の内に快適が含まれる時間帯がある。
これが春と秋だと定義します。
 
11月の週間予報をウエザーニュースで見てみました。
10月31日(金)13時頃の予報です。
 
11月1日(土) 最低17℃ 最高23℃
11月2日(日) 最低16℃ 最高23℃
11月3日(月) 最低10℃ 最高17℃
11月4日(火) 最低9℃    最高15℃
11月5日(水) 最低8℃   最高17℃
11月6日(木) 最低9℃   最高18℃
11月7日(金) 最低11℃  最高18℃
 
1日の温度差は、7℃前後。
週後半は寒いですが、週前半の最高気温は快適ラインに入っています。
先程の区分けで行くと、前半は秋で後半は冬。と分類できます。
 
前振りが長くてすいません。
何が言いたいかというと、
 
温度変化の幅が、快適ラインを含んで変化する時期。
そんな季節における室内コントロールがとても難しい。
 
と考えています。
 
何故か?
と言うのを説明してみます。
・・・でもいっぱい書いたので、次回に続きます。
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頭飾りの取付

久し振りですm(_ _)m

結婚式場なんかでよく見ると思うのですが、建物に飾りが付いている事があります。

一般的にはモールディングと言います。

室内では、壁と天井の見切りとして出てくる事が多いですかね。

で、今回、なかなかに立派なモールディングを取り付けましたのでご紹介します。

現場的には、頭飾りとかはちまきとか言いますね。

材質は、発泡スチロール(EPS)、つまりCACICOが壁に貼り付けているモノと基本同じです。

理由は、と言いますと

軽くて、デザインの自由度が高いからです。

まず軽いと言うのは当然ですよね。何せ発泡スチロールなのですから。

それよりも「自由度」これが大きいです。

このようなモールディングは、既製品でも種類があります。

ですが、自由にデザインできる訳ではありません。

既製品は、型を作って、ある程度大量生産するので、その中から選ぶ事になります。

一方、EPSで作る場合は、すべてNC加工です。

文化系的なNC加工の説明をします。

パソコンでデーター入力して、3次元加工があっという間に出来るという優れもの

つまり、必要な形を必要な分量だけ製作できるのです。

今回で言ったら、断面形状を設計士さんに指示してもらった後、

直線と出隅、入隅の材料を必要個数納品しました。

それを、全て樹脂モルタルで接着したのです。

これは軽いから出来るワザ。

では、施工中の写真を

ちょっと近寄ってみますね

今回は60m以上あったので、なかなか大変でした。

EPSは建物に負担をかけずにデコレーションできる、優れた材料だったのです。

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