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日射の端境期

秋は高断熱住宅の苦手な季節だと思います。

今年のうどん県で言うと、10月初旬前後でしょうか。

(CACICO感覚)

なぜ苦手かというと、結構な日射が入ってくるから。

太陽の高さ(南中高度)がもっとも高いのは夏至(今年は6/22)。

でもって一番低いのが冬至(今年は12/22)

中間に当たる秋分は9月23日だから、10月は庇の効力が結構失われているのです。

もちろん、寒い時期には窓からの日射取得はとても有用。

なので、

暑い時期は庇で遮熱、寒い時期は日射取得

が大原則なのですが、端境期はどうなのか・・・

「まだ日射が要らないのに、日差しが入ってくる」

と言う事が起きます。

その季節が秋なのです。

例えば写真は10月11日。最高気温22℃、最低気温17℃

腰高の窓+庇有りなのに、縦型ブラインドに結構日があたっています。

Low-Eガラス越しでも、熱量は馬鹿になりません。

なので、ブラインド等は必須。

写真はニチベイの遮熱タイプなのですが充分役に立っています。

10月に入ると、いくら南窓といっても庇だけで日射遮蔽する事は不可能。

当然ですが、年によって気候も変わるため、

日射を微調整できる仕掛けは欠かせませんね。

高断熱という特効薬

住宅にとっての高断熱とは、言ってみれば治療薬みたいなもの。

それも良く効くクスリです。

で、良く効くクスリに付きものなのは副作用。

 

高断熱住宅が今ほどメジャーじゃなかった頃、

気密住宅がペットボトルハウスと揶揄されていた頃、

いろんなトラブルが起こり

「高断熱住宅の取り組みを止めました」

という工務店さんを数多く知っています。

 

例えば先日取りあげた基礎のトラブルで、

基礎断熱を止める工務店さんも出てくるでしょう。

 

ですが自然環境を相手に「閉鎖空間の快適」を考える以上、

何らかのクスリを投与しないで家造りをする事は不可能。

 

そして、クスリには3種類しか無いと思うのです。

それは

①良く効くけど副作用がある

②良く効かないけど、副作用がある

③良く効かないけど、副作用も無い

 

抽象的な表現ですいません。

ですが

蒸暑地域独特の高断熱トラブルは、始まったばかり。

 注) 寒冷地の高断熱トラブルは、ずっと歴史が長いのです

工務店さんには、この障害克服をビジネスチャンスと捉えて欲しいですね。

床下も居室にしよう

9月の日経ホームビルダーで、基礎断熱におけるトラブル事例が特集されていました。

題して「初めての基礎断熱 ココが危ない!」

基礎断熱の採用率は、2012年で11.9%。

北海道では50.5%ですが、うどん県が含まれる四国では、たったの3.6%しかありません。

他に普及率が低い地域は、東海4.8%、近畿5.5%。

面白いのは九州・沖縄が13.5%もある事で、

寒すぎる又は暑すぎる地域に採用率が増えている事が分かります。

 

さて、とは言っても平均11.9%なのですから、多くの人が「初めてのおつかい」状態。

 注) 因みに、それ以外の住宅は床断熱という工法

新しいチャレンジにはトラブルが付きもの。

基礎断熱の事故は大きく分けて

①シロアリの発見が遅れる

②カビ・結露のリスク

雑誌も主に②を扱っていましたし、

CACICOとしても、事後の対応が難しいカビ・結露の話が気になります。

基礎断熱には2つ工法がありますので、まずは図解から。

基礎内と基礎外の二つです。

統計が無いので私見ですが、基礎内断熱の方が圧倒的に多いです。

理由は、

シロアリ対策だけを考えれば、内断熱の方が有利側だから。

と言うのが大きいですね。

後、外断熱を採用する場合は、

「基礎仕上げ材の変更」が必須なのも大きいかも知れません。

内断熱の変更点は見えない所なので導入しやすいのです。

 

さて話をカビ・結露リスクだけに絞ります。

事例の特徴としては

竣工後1~2年と築年令が浅く、

特に春先から梅雨時に引き渡した住宅が、夏期に顕在化することが多い。

という所ですね。

大きな原因を抜き出します。

①初期においてはコンクリートの含水量が多い

②床下の換気不足

③室内環境が高温多湿

④工事中に入った雨等の水分が除去しきれていない

 

④は工事中の管理問題なので除くとして、基本は①と②の合わせ技です。

高温多湿な季節+コンクリートの水分量が多い+換気していない

という組み合わせ。

基礎断熱は床下も室内環境です。

と、説明しつつも換気をしないのは、

換気の認識にズレがあるから。

24時間換気の目的は、「空気を綺麗に保つ事」。

なので建築基準法的には、

居室(人が長期に滞在する部屋)だけが換気の対象なのです。

廊下、押し入れ、玄関、トイレ、浴室などは換気する必要が無い。

 注) トイレや浴室に換気は付いていますが、義務ではありません

ダクト式換気を選択している家は、一台の機械で換気をするため、

計画が悪くて空気溜りのスペースが出来る事はあっても、

基本、家中の空気を動かす事になります。

 

一方局所式換気を使う家は、居室に換気を付けるだけ

なので、先ほどの換気不要リストに

一行、床下を追加して終わり。

床下は居室ではないから、24時間換気の対称空間では無い

だから、換気は不要と思い込むのです。

 

ですが床下は、24時間換気としては不要でも、

トイレや浴室と同じく、換気が必要な場所なのです。

 

何故かと言うと、

鉄筋コンクリートの窓の無い部屋だから。

水蒸気を吐き出す部屋なので、その対応が不可欠。

 

さて話が混ざりそうだったので、③を取りあげていませんでした。

まずは文中から関連したところを抜粋します。

"室内の空気が引き起こす結露もある。

梅雨時から夏期にかけて、エアコンを使わずに過ごす住宅で生じやすい。

高湿な空気で室内が満たされ、その空気が床下に流入する事が原因になる。"

 

ちょっとミスリードされやすいので、CACICO的に書き直します。

室内の空気が持つ「水蒸気」が引き起こす結露もある。

梅雨時から夏期にかけて、エアコンを使わず過ごす住宅で生じやすい。

高湿な空気で室内が満たされ、その水蒸気が床下に流入する事が原因になる。

 

ドコを変えたかというと、「空気」の流入ではなく「水蒸気」の流入なのですね。

正確には、室内と床下の水蒸気が均一になろうとするのです。

 

これは、記事中の別センテンスで書かれていますが、

地中の温度は外気温より数ヶ月ずれて推移するため、春先から初夏にかけては、基礎が冷やされている。

からです。

 

室内より低温である床下に、室内の高湿度(だけ)が流入する。

これが③が想定する状況。

床下が換気経路に組み込まれていたら、温度も流入します。

 

CACICOの結論は、

床下は窓が無い居室。

そう認識する事で、多くのトラブルが回避されるのです。

庇の長さと家の性能

今日は天気良いですね。

天気予報的にうどん県は、最低19℃、最高27℃

さて質問です。

現状において、室内への日射取得は必要でしょうか?

回答は

「家の断熱性能によって異なります」

①高断熱仕様の住宅なら、日射遮蔽。

②築年数の長い物件は、日射取得。

なのではないかと推測します。

 断熱の程度はマチマチなので、確実な線引は出来ません。

 

まず①から。

高断熱仕様の目的は、温度の急激な変化を無くす事。

で、この変化の敵は日射取得です。

確かにLow-Eガラスは、ある程度日射熱を遮ります。

ですが住宅側が、「真冬にちょっとの暖房で快適になる家」だったとしたらどうか?

トリプルサッシのダブルLow-Eだったとしても、室温を数度あげる程度の熱にはなるのです。

で、この季節ならば夜間の室温低下がほとんど無い住宅と組み合わせたら・・・

CACICOとしては、

3月中旬~10月中旬の日射は、何らかの形で遮る事をお薦めしています。

 

②は①の反対です。

夜間に20℃を切る外気の影響を受けて、室温も低下します。

なので、日射取得が有効な場合も出てくるでしょう。

なにより熱が逃げやすい構造体の場合は、取得熱量のシビアなコントロールの意味がありません。

良い季節の外気温を、ダイレクトに取り入れると考えた方が良いかと思います。

以前話をした「通風」も、②の場合は重要性が高くなります。

 

「暑い時期」は日射遮蔽できて、「寒い時期」は日射取得できるのがベストな窓の配置。

問題なのは

暑い時期と寒い時期が、住宅の性能によって変わる事。

庇の長さが、住宅性能のバロメーターになる日が来て欲しいですね。

気密検査の見学会 by西建住宅

先日、西建住宅さんが気密検査の見学会を行ったのですが、

その応援に行ってきました。

構造見学会は良くありますが、気密検査の見学会と言うのは寡聞にして知りません。

予約制での企画だったのですが、何と4組もの人が参加されていました。

これって2重の意味ですごいです。

一つは、西建さんが気密確保に自信がある事。

何せ一発勝負の検査ですからね。

 

さて気密検査のおさらいです。

外周部の隙間を全部合わせたらどれくらいの面積になるかを実証する検査。

検査が初めてという建築会社さんの場合

検査→隙間探し→補修→検査

というループを繰り返し、「良い結果」が出るまで何時間もかかる場合があります。

検査が隙間探しを兼ねてしまうのですね。

ですが、西建さんが求めているレベルになると、小さすぎて隙間が探せないのです。

 

もう一つの驚きは、気密に関心があるユーザーが多数いる事。

現在の住宅性能表示システムでは、記載すらされなくなった気密性能ですが、

気密は各家で実証できる唯一の「性能」なんですね。

(例えば断熱性能は、現場で実証できません)

気密性能が、性能に直結する事をご存じの方が増えているのは嬉しい限りです。

 

検査の結果は、C値=0.16。

素晴らしいです。

これは、家中の隙間を全部合わせたら6㎝×6㎝

(C値が同じでも、家の面積によって変わります)

程度ですよ。という結果。

施工的に言うと、窓や玄関扉の隙間がほとんど

なので、これ以上はどうしようもありません。

ここから上を求めるとしたら、窓種を変えるしかありません。

(一般論ですが、窓の精度はメーカーによって違います)

例えば、日本で一番数の多い引き違い窓は、

気密的にはもっとも不利な形状なのです。

 

もっともこの気密レベルが出せるのであれば、

窓は使い勝手優先で決めて良いと思います。

気密が有利でも使い勝手が良くないのでは、本末転倒ですからね。

通風が役に立つ住まい

以前、高性能住宅においては通風の必要性は低い。

と言う話をしましたが、

今回は通風の有効性が高い「家」の話。

それはマンションです。

温熱環境上のお薦めは、

中間層の中部屋

南北を除く、全方位(上下も含む)に人が住んでいるため、外気温の影響が少ないのです。

角部屋や最上階、1階等は、外気(地面も同じ)に接している面積が増えるため、

その分条件が悪くなります。

あっ、外断熱マンションはその限りではないですが、うどん県には見当たりません。

 

通風の話に戻します。

マンションの「中間層+中部屋」は、通風に非常に向いた「家」と言えるでしょう。

有利な点を箇条書きにします。

 ①開口部が南と北にしか無い

 ②開けっ放しのリスクが少ない

 ③風の通りが良い

 

①マンションの基本は、北が玄関で、南が大開口+ベランダ。

北は直射日光が当たりませんし、南はベランダの屋根があるため、日射遮蔽は万全。

→うどん県は昼夜で風向きが変わるが、どちらから吹いても問題無しです。

②最近のマンションは、住民以外が入れないようセキュリティが。

なので玄関を網戸にしても、防犯リスクが戸建てより少ない。

③高層階になるほど近隣条件を選ばなくなります。

風通しが良いですし、プライバシー上の問題も激減。

 

つまりマンションには、通風利用の条件が揃っているのです。

戸建てよりマンションの方が、自然の風を利用するのに向いている
 
って言うのも何か不思議な感じですね。

熱交換は成り行き制御

24時間換気は、熱交換タイプが主流です。

この「熱交換」という言葉。

結構一人歩きしている気がします。

熱交換しているから快適。

と言う感じて使われているのです。

 

換気システムの目的は

屋内と屋外の空気を入れ換える事。

つまり

暑い時は熱い空気が、寒い時は冷たい空気が入って来るために

室内の温熱環境にとっては思いっきりマイナスです。

だけど化学物質の放散とか、二酸化炭素を除去するためには換気は欠かせない。

そのマイナスをなんとかしたい。

という事で考え出されたのが熱交換という手法。

基本はマイナスをどうにかするという目的なんですね。

 

さて換気において熱交換はパッシブ制御です。

一般的に制御には、アクティブ制御とパッシブ制御があります。

アクティブの例としては、エアコンの温度設定がそう。

26℃と設定したら、それに近づく努力をするのです。

ですが熱交換換気には、

積極的に温度を制御する仕掛けがありません。

装備されているのは、熱交換素子と給排気のモーターだけ。

なので熱交換はパッシブ制御。

制御ロジックは

「室温を守る」

この一言なんですね。

パッシブ制御と言えば、なんかかっこいい感じがするので、

意訳します。

成り行き制御

これが現在の熱交換換気扇の制御方法です。

この方法、システムもシンプルで良いのですが、

快適空間を目指すためには、絶対的な条件が必要とされます。

それは、

「室内の温度は、室外よりも快適」

である事なんです。

高断熱仕様で外部の熱を遮断しようが、冷暖房機器を稼働させようが、

どんな手段でも可。

室温は換気以外の手段で適切に制御されている。

その条件下であれば

室内換気による熱ロスを減らして、快適をキープします。

というのが熱交換の仕事。

不快を快適にする機器ではなく、快適をキープするのが

成り行き制御の役割と言って良いかも知れません。

室外より室内が不快

という状況は、想定外なのです。

人が居ても居なくても、快適な温熱環境の家

これが、熱交換換気導入の前提条件なのです。

日射遮蔽のアイテム

先日行ったAPWフォーラムで、アウターシェードの現物展示がありました。

遮熱、つまり太陽光線のカットは家の中より外が良い。という定説があります。

ですが外部環境に耐えられるように頑丈な構造にすると結構コスト高。

アウターシェードは、その辺りを狙った日射遮蔽アイテムです。

こんな感じです。

ロールスクリーンの外付け。って考えたら良いですかね。

性能は・・・

日射遮蔽係数が一番濃い色で0.23となってます。

この日射遮蔽係数。実は建築にはあまり使わない単位。

よく使うのは日射熱取得率。

 

日射遮蔽係数  SC値と呼ばれ、3mmの透明ガラスを1.00とした時の流入熱量

日射熱取得率  μ(ミュー)値と呼ばれ、3mmの透明ガラスを0.88とした時の流入熱量

 

建築全般ではμ値が使われるので、比較検討のためにμ値に代える事にしました。

またガラスのみの日射遮熱係数が空白のため、一般ペアガラスのデータです。

 

アウターシェードの一部をμ値表示

なし      0.79     

生地グレイ    0.40

生地ベージュ  0.28

生地ブラウン   0.20

数値に0.88をかけただけなんですけどね。・・・ホント紛らわしいです。

さてこれでようやく他の遮熱方法と比べる準備が出来ました。

約64%カット等と大きく書かれていますが、比較できないので忘れてください。

基準値はシングルガラスの場合で0.88です。

この数値が小さくなればなるほど性能が良いとされます。

シングルをペアにしても0.79なので、遮熱効果は少ないです。

ガラスは透明ですから仕方ない、と言う事です。

 

では性能を分析していきましょう。

注) データは「自立循環型住宅への設計ガイドライン」から引用しました。

 

生地グレイから

0.40という数値に近いのは、

内付けブラインド 0.44   紙障子 0.37  辺りです。

ブラインドより紙障子が高性能になるのは隙間の有無でしょう。

色や生地の性質は考慮されません。

遮熱型Low-Eガラス(空気層12mm)にすると0.42。

これも同等性能だと言えますね。

 

次に最高性能であるブラウン。

0.20に対応するのは、内付け商品にはありませんでした。

ガラスの性能(遮熱型Low-E)を上げて、紙障子をいれても0.26です。

なのでアウターシェードの勝ち。

・・・と言いたいところですが、実はちょっとした前提があります。

 

今までの話は「庇が無い」場合なのです。


次に庇ありの数値をご紹介します。

一般ペアガラス+庇の数値は、0.39。

庇を付けるだけで0.79が0.39に上がるのです。

この段階で生地グレイと性能が同じ。

これに紙障子をプラスしたら、0.19。

この値は、最高性能のブラウンと同じです。

つまり

庇はアウターシェードと同等性能を持つ日射遮蔽アイテムなのです。


ただし庇も決して万能ではありません。

真南からずれると性能が下がります。

計算上は真南から±30°以上ずれると南の庇とは見なされません。

東や西の窓は太陽高度が低く、庇で日光を遮りづらいのです。

 

その場合の数値は、

ペアガラス+庇の場合は0.55。

紙障子を追加しても0.26。

となります。

一方アウターシェードは形状から考えても性能劣化は少ないでしょう。

 

プラン的にどうしても東や西に大きな窓が必要。

と言う時にはアウターシェードを検討しても良いかも知れませんね。

穏やかに放熱したい

昨日は、YKK主催のAPWフォーラム高松に参加してきました。

APWと言うのは、YKKにおける樹脂サッシのブランド名。

ニューストピックとしては、

①ドレーキップと呼ばれる、内開き&内倒し窓が秋に発売

②大開口(2430×2430)の引き違いサッシが来春に発売

③玄関扉の高性能タイプを来春に発売

という感じです。

①はヨーロッパで多いタイプのサッシ。

日本ではエクセルシャノンさんのラインナップにありますね。

長所は、

気密確保に有利、通風時(キップ時)の安全性が高い、窓の掃除が簡単

短所は、

カーテンやロールスクリーン等のウィンドウトリートメントとの相性が良くない。

という感じでしょうか。

②は営業的配慮ですね。大開口=明るい家は、皆さん好きですから。

③はとても良い話。

日本のサッシメーカーは昨年以降、性能競争を始めていて、性能はドンドンと上がっています。

ですが玄関扉は置き去りだったんですね。

そこに力を入れるという話なので、これは朗報です。

さて、フォーラム後半は、東大大学院准教授の前 真之先生の講演です。

観客の受けを考えながらのプレゼンスタイルは、とても楽しめました。

その中で一つだけ取り上げます。

それがタイトルの「穏やかに放熱したい」です。

何かと言いますと、人間が生きていると言うことは、発熱していると同義語。

人間一人あたり100Wの電球と同等の熱を・・・と良く言いますが、その事。

で人にとって快適な環境(質の高い温熱環境)とは、人が「穏やかに放熱」できる環境を指す。

この表現はナルホドなぁと思いました。

いきなり脱線して恐縮ですが、最近ビデオで、「るろうに剣心」という実写映画を観ました。

敵役の志々雄 真実(ししお まこと)は、全身火傷が原因で体の熱が放出できず、人体発火する。

という設定だったのですが、なかなか科学的(?)な設定だったんですね。

映画に関してですが、殺陣は良かったですねぇ・・・

話を戻します。

「穏やかに」と言うのがポイント。

寒い、と言うのは、急速に放熱させられている状態

暑い、と言うのは、放熱を大きく遮られている状態

と言い変えれます。

この「穏やかに」を達成しようとしたら、

空気温度もそうですが、建物内部の表面温度も大きく関係します。

室温が快適でも窓が寒いとダメ。

理想的には、室温と壁・床・天井・窓の温度差がほとんど無いのが良いです。

で、その理想に近づくためには、一番断熱性能が低い窓をどうにかしないといけない。

窓の性能を上げる事によって、

人が穏やかに放熱できる環境に近づけますよ。

という流れでした。

このフォーラム、参加しているのは全員建築関係者。

皆さんの心に何処まで届いたのか気になるところです。

換気の迷路は住宅の迷路

日本の住宅換気は、ちょっと道に迷っています。

それが端的に表れている現象が、

局所換気(3種)と集中換気(1種)の併用です。

詳しくは「ダクト+局所換気」の不思議に書きました。

ザックリと要約しますと

現在換気の主流は、室内の熱と湿気を保とうとする全熱交換。

この方式は、原理的に日本の気候に合っているが、

湿気と共に臭いも回収してしまう。

解決済みというメーカーもあるが、

多くの建物でトイレやUBなどには局所の3種換気、

それ以外はダクト式の熱交換換気(1種)という組み合わせが多い。

だが方式の違う換気の併用は、弊害が多くお薦めできない。

こんな内容です。

ここで、メーカー側に質問してみましょう。

「貴社のダクト式換気装置に、トイレや浴室をつなぎ込んでで良いですか?」

気が弱いので実際に質問はしていませんが、

多分日本の多くのメーカーが、「出来たら外して欲しい」と答えると思います。

この状況は、当然ながら元になる法律の問題でもあります。

建築基準法ってやつですね。

一番の問題は、

基準法は居室の換気を義務づけているだけで、非居室は対象外であること。

では、居室って何でしょうか?

居間、寝室、子ども部屋、書斎、台所・・・

理屈で言うと、居住・執務・作業等、継続的に使用する部屋。

・・・非居室が何か調べた方が解りやすいですね。

居室ではない空間とは?

廊下、階段、脱衣室、浴室、トイレ、納戸

ポイントは継続的な使用と言う箇所。短時間しかいない部屋は換気の対象外なんですね。

なので各居室に局所換気扇を付けるだけで、基準法はクリアできます。

浴室やトイレは、法的に換気をしなくて良い部屋なんです。

ですが基準法言うところの非居室には、義務付け前から換気扇がありました。

それは法律の目的とは違い、臭いや湿気を排出するためですけど。

そこで次の理屈が・・・

居室は連続換気が必要だが、非居室は不要だから忘れよう。(換気経路から外そう)

基準法が縛るのは居室の換気だけなので、それ以外のとこで、何が行われていても関知しない。

と立法者もメーカーも考えたのではないでしょうか。

住宅内部は、連続した一つの空間。

と考えるだけで、迷路からの出口が見つかると思うのですが、

混迷はなかなかに深そうです。

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